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第一一話 夏のひととき
第一一話 六
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「結月はお願いごとしないの?」
「あかりほど、言霊は扱えないし……」
結月はあかりの目を真っ直ぐに見つめた。
「これは叶えてもらうんじゃなくて、自分で、叶えたい、から」
光源は星と月しかないのに、あかりには結月の瞳がよく見えた。普段は優しく穏やかな月の光のようだが、今ばかりは昼間見た太陽の輝きに似ていると思った。
(結月ってこんな目もするんだ……)
魅入られたように結月の瞳から目が離せない。何が彼をこうまで変えるのだろう。どうしようもなく気になったあかりの口からは、自然と呟きがこぼれ出た。
「結月が叶えたいことって?」
結月は迷うような素振りを見せたが、あかりのお願いには抗えないようで、ゆっくりと口を開いた。
「あかりに、笑っていて、ほしい」
思いもしない答えに、あかりは目を瞬かせた。
「ずっと。できればおれの隣で。あかりの笑顔が、おれは大好き、だから」
「……私、そんな暗い顔ばっかりしてたかな?」
結月は否定の意味で首を振った。
「何の憂いもなく、心から、笑ってほしい。そのためにはこの戦いを、終わらせなきゃ、いけない」
「結月……」
「これは、おれの力で、叶えたい。他に叶えてもらうんじゃ、だめ、なんだ」
強い意志に煌めく青い瞳に、あかりの胸がどきりと跳ねる。だんだんと直視できなくなってきて、あかりはとっさに目を逸らした。
(結月の瞳は大好きだけど……)
昔はいつまででも見ていられると思った結月の目なのに、今になってなぜだか見られなくなってしまう。自分のことなのにわからなくて、あかりは戸惑った。
(そういえば、お花見のときとか誕生日のお出かけのときも……)
向けられる微笑に一喜一憂したことやガラス玉以上に美しい瞳から目を離せなかったことが思い出される。あのときもあかりの気持ちが落ち着かなかった記憶がある。
(変わったのは結月? それとも、私……?)
狼狽えるあかりを結月は不思議そうに見つめていた。
「あかりほど、言霊は扱えないし……」
結月はあかりの目を真っ直ぐに見つめた。
「これは叶えてもらうんじゃなくて、自分で、叶えたい、から」
光源は星と月しかないのに、あかりには結月の瞳がよく見えた。普段は優しく穏やかな月の光のようだが、今ばかりは昼間見た太陽の輝きに似ていると思った。
(結月ってこんな目もするんだ……)
魅入られたように結月の瞳から目が離せない。何が彼をこうまで変えるのだろう。どうしようもなく気になったあかりの口からは、自然と呟きがこぼれ出た。
「結月が叶えたいことって?」
結月は迷うような素振りを見せたが、あかりのお願いには抗えないようで、ゆっくりと口を開いた。
「あかりに、笑っていて、ほしい」
思いもしない答えに、あかりは目を瞬かせた。
「ずっと。できればおれの隣で。あかりの笑顔が、おれは大好き、だから」
「……私、そんな暗い顔ばっかりしてたかな?」
結月は否定の意味で首を振った。
「何の憂いもなく、心から、笑ってほしい。そのためにはこの戦いを、終わらせなきゃ、いけない」
「結月……」
「これは、おれの力で、叶えたい。他に叶えてもらうんじゃ、だめ、なんだ」
強い意志に煌めく青い瞳に、あかりの胸がどきりと跳ねる。だんだんと直視できなくなってきて、あかりはとっさに目を逸らした。
(結月の瞳は大好きだけど……)
昔はいつまででも見ていられると思った結月の目なのに、今になってなぜだか見られなくなってしまう。自分のことなのにわからなくて、あかりは戸惑った。
(そういえば、お花見のときとか誕生日のお出かけのときも……)
向けられる微笑に一喜一憂したことやガラス玉以上に美しい瞳から目を離せなかったことが思い出される。あのときもあかりの気持ちが落ち着かなかった記憶がある。
(変わったのは結月? それとも、私……?)
狼狽えるあかりを結月は不思議そうに見つめていた。
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