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第一三話 守りたいもの
第一三話 一一
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『私、戦うよ』
「あかりちゃん……」
後悔、迷い、葛藤、不安……。あらゆる感情を内包した昴の声は切ない。
それだけにいかに自分が大事に思われているかあかりは身に染みて感じた。昴の心情を考えれば戦わないというのも一種、彼に報いることにつながるだろうが、それでは何も変えられない。
(そう。このままではいられない)
ままならない現状を変えたいのならば、あかりが剣をとり、戦わなければならないのだ。
浮かんだ微笑みはごく自然なものだった。
『私のことを私よりずっと案じてくれて、ありがとう。だけどね、私、やっぱり守られるんじゃなくて守りたいんだよ』
「……」
『昴と秋と結月も。町の人たちも、この陽の国ごと、守りたい。この思いは変えられない。だから私にしかできないことはやらなくちゃいけないと思うの』
「……」
『それがどんなに危険でも、たとえ昴たちに止められても、私は戦う道を選ぶよ』
「……」
『そのためにできることはなんでもやるつもり。……ねぇ、みんな』
この決意が皆にも届くようにと、三人それぞれと視線を交わし合う。皆は真剣な色を瞳に浮かべていた。
『お願いがあるの。私も、みんなの隣で戦わせて』
沈黙が降りる。実際は数秒ほどだろうが、あかりにはそれよりずっと長く感じられた。
そんな沈黙を最初に破ったのは昴の声だった。
「ごめんね、あかりちゃん」
「あかりちゃん……」
後悔、迷い、葛藤、不安……。あらゆる感情を内包した昴の声は切ない。
それだけにいかに自分が大事に思われているかあかりは身に染みて感じた。昴の心情を考えれば戦わないというのも一種、彼に報いることにつながるだろうが、それでは何も変えられない。
(そう。このままではいられない)
ままならない現状を変えたいのならば、あかりが剣をとり、戦わなければならないのだ。
浮かんだ微笑みはごく自然なものだった。
『私のことを私よりずっと案じてくれて、ありがとう。だけどね、私、やっぱり守られるんじゃなくて守りたいんだよ』
「……」
『昴と秋と結月も。町の人たちも、この陽の国ごと、守りたい。この思いは変えられない。だから私にしかできないことはやらなくちゃいけないと思うの』
「……」
『それがどんなに危険でも、たとえ昴たちに止められても、私は戦う道を選ぶよ』
「……」
『そのためにできることはなんでもやるつもり。……ねぇ、みんな』
この決意が皆にも届くようにと、三人それぞれと視線を交わし合う。皆は真剣な色を瞳に浮かべていた。
『お願いがあるの。私も、みんなの隣で戦わせて』
沈黙が降りる。実際は数秒ほどだろうが、あかりにはそれよりずっと長く感じられた。
そんな沈黙を最初に破ったのは昴の声だった。
「ごめんね、あかりちゃん」
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