184 / 388
第一四話 交わす約束
第一四話 二
しおりを挟む
「ただいま」
あかりと結月が玄関を潜ると、ちょうど昴と秋之介がやってくるところだった。
「な、俺の耳はあてになるだろ?」
「うん、知ってるよ。おかえり、二人とも」
『ただいま。こんな時間までここにいるってことは、結月と秋も昴のところにお泊り?』
「まあな、あかりの近況も知りたいし。今日はお泊り会ってことだ」
こうして四人が集まるのは久しぶりのことだった。主にあかりが外に出ている時間が増えたことが要因である。
「とりあえず手を洗っておいで。そうしたら夕飯にしよう」
昴に促されて、あかりは洗面所へ向かった。結月は先に厨房に野菜を届けてくるといってそちらの方へ歩いていった。
手洗いうがいをしてあかりがいつも四人で集まる客間に行くと、着席した秋之介と昴とともに既に夕飯の膳が用意されていた。最後に結月がやってきたことで各々箸をとり始める。
玄舞家の食事が美味しいのはいつものことだが、今日は良く動いたからか一層美味しく感じられた。
あかりが話せないので食事の場は少し静かにも感じられたが、皆で食卓を囲む楽しさは変わらなかった。
食事が一段落し、皆で食後のお茶をすすっていると、「それで」と秋之介がようやく声をあげた。
「あかりは今日、何してきたんだ?」
『大介さんと百合子さんのところの畑に行ってきたよ。水撒いたり、収穫したり色々』
「五日前は駄菓子屋の店番してたよね。本当にいろんなことやってるね、あかりちゃんは」
『明後日は紫さんのところの反物屋に行ってくるよ』
あかりが何か町で仕事をしたいということを噂で聞き及んでいる町民たちは、皆あかりの来訪を歓迎してくれた。おかげで引く手数多であり、やりたい仕事も尽きることがない。ありがたい話だった。
あかりと結月が玄関を潜ると、ちょうど昴と秋之介がやってくるところだった。
「な、俺の耳はあてになるだろ?」
「うん、知ってるよ。おかえり、二人とも」
『ただいま。こんな時間までここにいるってことは、結月と秋も昴のところにお泊り?』
「まあな、あかりの近況も知りたいし。今日はお泊り会ってことだ」
こうして四人が集まるのは久しぶりのことだった。主にあかりが外に出ている時間が増えたことが要因である。
「とりあえず手を洗っておいで。そうしたら夕飯にしよう」
昴に促されて、あかりは洗面所へ向かった。結月は先に厨房に野菜を届けてくるといってそちらの方へ歩いていった。
手洗いうがいをしてあかりがいつも四人で集まる客間に行くと、着席した秋之介と昴とともに既に夕飯の膳が用意されていた。最後に結月がやってきたことで各々箸をとり始める。
玄舞家の食事が美味しいのはいつものことだが、今日は良く動いたからか一層美味しく感じられた。
あかりが話せないので食事の場は少し静かにも感じられたが、皆で食卓を囲む楽しさは変わらなかった。
食事が一段落し、皆で食後のお茶をすすっていると、「それで」と秋之介がようやく声をあげた。
「あかりは今日、何してきたんだ?」
『大介さんと百合子さんのところの畑に行ってきたよ。水撒いたり、収穫したり色々』
「五日前は駄菓子屋の店番してたよね。本当にいろんなことやってるね、あかりちゃんは」
『明後日は紫さんのところの反物屋に行ってくるよ』
あかりが何か町で仕事をしたいということを噂で聞き及んでいる町民たちは、皆あかりの来訪を歓迎してくれた。おかげで引く手数多であり、やりたい仕事も尽きることがない。ありがたい話だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる