【本編完結】朱咲舞う

南 鈴紀

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第一八話 凶星の瞬き

第一八話 八

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 それ以降、あかりが悪夢にうなされることは減っていった。時間が経ったことで気持ちの整理がついてきたこともあるだろうが、そのきっかけをくれたのは間違いなく結月だった。
(お互い様だって結月は言ってたけど、私の方が結月に救われてばっかりな気がするなぁ)
 思わず苦笑がもれる。けれども負い目以上に、素直な感謝の念が胸に去来した。それもきっと結月がくれた『心配させてほしい』という言葉のおかげだろう。
 結月の存在の大きさを改めて実感すると、苦笑は微笑に変わった。
 そのようにしてあかりがほとんど悪夢を見ないようになった頃。
 大きな戦いは天翔との一件以来なく、小さな戦いはあれども比較的穏やかな日々が続いていた。
 今日は任務の当番ではなかったので、玄舞家の裏庭で稽古をしようと話してあった。あかりが時間通りに稽古場に行くと、そこにはまだ誰の姿もなかった。こんなことは珍しく、あかりは不安に思いながら、三人がやってくるのを落ち着かない気持ちで待ち続けた。
 四半刻後、稽古場に向かってくる足音にあかりはぱっと顔を上げ、入り口の方を見た。
「ごめんね、あかりちゃん」
「昴!」
 さっと見たところ、昴に怪我はなかった。緊急の要請が入って戦いに赴いた、ということではなさそうで、あかりはひとまずほっと胸をなでおろした。
 しかし、そうなると結月と秋之介の姿が未だ見えないことに不審感が募る。どうして昴だけが遅れて現れたのか、約束の時間を過ぎても現れる気配のない結月と秋之介はどうしたのか。
「ねえ、昴。結月と秋は?」
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