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第二二話 重ねる約束
第二二話 一
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目覚めたすぐ後こそ五、六歳くらいの容姿をしていた結月も、日毎に僅かずつではあるが霊力を取り戻していったことにより、ひと月近く経った今では本来の一九歳の姿にほとんど戻りつつあった。光を反射して肌にうっすらと輝いていた青の鱗もすっかりなくなっている。
真面目な結月は霊力が足りず思うように働けなかった分を埋め合わせるかのように仕事に勤しんでいた。ここ数日は特に働きづめで多少の疲れはあったものの音を上げるほどではないと、結月は今日もまた早朝から仕事のひとつである加持祈禱を行っていた。
先日催された夏祭りで開けた分の清めの水とお神酒を補充するための儀式が終わると、次は霊符づくりにとりかかる。ひと月前の戦いでかなりの霊符を消費し、その後も霊力不足で質のいい霊符は作れずにいたので、新たに用意する量もいつも以上だった。
それが終わるころには早くも正午前になっていた。
きりが良いので昼食をとりつつ、いったん休憩を挟もうと結月は道具の片づけをする。すると部屋の前を通っていた少女が足を止め、声をかけてきた。
「結月様。お片づけのお手伝いをしましょうか?」
少女は結月よりひとつ年下の青柳家の家臣で、名を千夜という。整った容姿に可憐な雰囲気を持ち、気が利いて優しいということで、青柳家の家臣の年若い男子陣には密かに人気がある。
「うん、助かる」
結月が頷くと、千夜はふわりと嬉しそうにはにかんだ。
結月と千夜は雑談を交わしながら道具をもって廊下を並んで歩く。雑談といっても結月は口下手で寡黙なところがあるので、千夜が話題を振り、結月がそれに相槌を打つといった形だ。それでも二人の間に流れる空気は和やかなものだった。
道具が仕舞われていた部屋に着き、運んできた道具を元あった場所に片付ける。その後も部屋の前で少し話し込んでいると、慣れ親しんだ気配が近づいてくるのがわかった。
真面目な結月は霊力が足りず思うように働けなかった分を埋め合わせるかのように仕事に勤しんでいた。ここ数日は特に働きづめで多少の疲れはあったものの音を上げるほどではないと、結月は今日もまた早朝から仕事のひとつである加持祈禱を行っていた。
先日催された夏祭りで開けた分の清めの水とお神酒を補充するための儀式が終わると、次は霊符づくりにとりかかる。ひと月前の戦いでかなりの霊符を消費し、その後も霊力不足で質のいい霊符は作れずにいたので、新たに用意する量もいつも以上だった。
それが終わるころには早くも正午前になっていた。
きりが良いので昼食をとりつつ、いったん休憩を挟もうと結月は道具の片づけをする。すると部屋の前を通っていた少女が足を止め、声をかけてきた。
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「うん、助かる」
結月が頷くと、千夜はふわりと嬉しそうにはにかんだ。
結月と千夜は雑談を交わしながら道具をもって廊下を並んで歩く。雑談といっても結月は口下手で寡黙なところがあるので、千夜が話題を振り、結月がそれに相槌を打つといった形だ。それでも二人の間に流れる空気は和やかなものだった。
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