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第二四話 失われたもの
第二四話 二
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「え……?」
しかし手と手が触れ合うことはなく、あかりの指先は宙を滑る。
「あかり……⁉」
結月がとっさに倒れこみそうになるあかりの身体を支える。腕にのしかかる重みに結月の顔から血の気が引いた。それは普段のあかりの軽やかさからは想像できないほどのずっしりとした重みで、彼女の身体にほとんど力が入っていないことを意味していた。
「あかり、どうしたの……⁉」
結月はあかりの目を真っ直ぐに見つめながら呼びかけたが、次第にその赤の瞳の焦点が合わなくなっていることに気がついた。
結月の切羽詰まった声に、秋之介と昴も側に駆け寄る。
「ゆづ、これどういうことだ?」
「わからない! 急にあかりの意識が混濁して……!」
「あかりちゃん! 僕たちのこと、わかる⁉」
(応え、ないと……。また結月たちを心配させちゃう……)
そう思うのに思考は緩やかに止まり始めて言葉を失い、徐々に何も考えられなくなる。
やがて記憶もさらわれていき、自分が何者なのかもあいまいになってきた。
「あかり、あかりっ!」
「あかり、しっかりしろ!」
「脈が触れない……。なんで、どうして……!」
輪郭を失った視界もついに暗く狭くなる。かろうじて聞こえていた音も遠のき、不明瞭になっていった。
思考も記憶も、自我すらももう残っていないはずなのに、意識を失う寸前、あかりはこんなことを思い出していた。
『大丈夫じゃ。そなたの声は、祈りは、ちゃんと妾に届いたぞ。力が、足りないのだろう? ならば妾の神の力をそなたに分け与えよう。ただし……』
『神の力は人の身には余るものじゃ。強すぎる浄化の力はそなたをも巻き込んで、大事な何かを奪い去るやもしれん』
『……それでもなお、そなたは妾の手をとれるか?』
それに何と答えたのかまではもう思い出せなかった。
強すぎる神の浄化の力は、あかりから全てを奪っていったのだから。
しかし手と手が触れ合うことはなく、あかりの指先は宙を滑る。
「あかり……⁉」
結月がとっさに倒れこみそうになるあかりの身体を支える。腕にのしかかる重みに結月の顔から血の気が引いた。それは普段のあかりの軽やかさからは想像できないほどのずっしりとした重みで、彼女の身体にほとんど力が入っていないことを意味していた。
「あかり、どうしたの……⁉」
結月はあかりの目を真っ直ぐに見つめながら呼びかけたが、次第にその赤の瞳の焦点が合わなくなっていることに気がついた。
結月の切羽詰まった声に、秋之介と昴も側に駆け寄る。
「ゆづ、これどういうことだ?」
「わからない! 急にあかりの意識が混濁して……!」
「あかりちゃん! 僕たちのこと、わかる⁉」
(応え、ないと……。また結月たちを心配させちゃう……)
そう思うのに思考は緩やかに止まり始めて言葉を失い、徐々に何も考えられなくなる。
やがて記憶もさらわれていき、自分が何者なのかもあいまいになってきた。
「あかり、あかりっ!」
「あかり、しっかりしろ!」
「脈が触れない……。なんで、どうして……!」
輪郭を失った視界もついに暗く狭くなる。かろうじて聞こえていた音も遠のき、不明瞭になっていった。
思考も記憶も、自我すらももう残っていないはずなのに、意識を失う寸前、あかりはこんなことを思い出していた。
『大丈夫じゃ。そなたの声は、祈りは、ちゃんと妾に届いたぞ。力が、足りないのだろう? ならば妾の神の力をそなたに分け与えよう。ただし……』
『神の力は人の身には余るものじゃ。強すぎる浄化の力はそなたをも巻き込んで、大事な何かを奪い去るやもしれん』
『……それでもなお、そなたは妾の手をとれるか?』
それに何と答えたのかまではもう思い出せなかった。
強すぎる神の浄化の力は、あかりから全てを奪っていったのだから。
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