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第二四話 失われたもの
第二四話 五
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(あとは、そう。僕たちの、僕の、想いが伝わるように……!)
黒の光が輝きを強くする。
昴の手は繋がれたあかりの手とほとんど体温の差がなくなっていた。寒さに身体を震わせる一方、心臓がきりきりと痛み出し、脂汗が額を伝う。
朦朧としかける意識の中で、昴は己を叱咤し、あかりに語りかけた。
(ねえ、あかりちゃん。どうか生きて、君の笑顔をまた僕たちに見せてよ)
あかりの笑顔は昴たちにとって希望の象徴だった。どんなに困難な状況にあってもここまで諦めずに戦ってこられたのは、あかりがいてくれたこと、彼女の笑顔があったことが大きい。
昴はその笑顔に何度も支えられ、救われていたように思う。
そして、もしこの世から戦いがなくなったとして、これから先、それだけは変わらないだろうとも思う。
あかりの笑顔があるのなら、きっと自身の玄舞の守護の力にも意味があったのだと信じられるから。
(どうか、君を守らせて)
心臓が痛い。呼吸が苦しい。視界が朧気になる。寒さに身体中が震えて、指先の感覚はとうに失われていた。
ときおり意識が飛びそうになるが、あかりを生かしたい一心、その気力だけでかろうじて持ちこたえる。
昴は霊力を送り続けながら、いつか返事があるものだと信じてあかりに繰り返し語りかけた。
現実主義で非情なふりをしていた昔からは考えられない変化だと、昴は微苦笑をもらした。これもあかりが昴にもたらした変化の一つだ。
(あかりちゃん、君がいたから僕は変わったよ)
無条件に希望に満ち溢れた世界を信じるあかりに、昴は最初、呆れて、どこか冷めた目で見ていたように思う。けれどいつしかあかりに感化されて、そんな未来を夢想するのも悪くないと思い始めて。そして今ではあかりたちと一緒にその未来を生きていきたいと心から願っている。
(だからね、あかりちゃん。君や僕たちが願った通りの未来で、四人一緒に、笑い合って生きていこう)
黒の光が輝きを強くする。
昴の手は繋がれたあかりの手とほとんど体温の差がなくなっていた。寒さに身体を震わせる一方、心臓がきりきりと痛み出し、脂汗が額を伝う。
朦朧としかける意識の中で、昴は己を叱咤し、あかりに語りかけた。
(ねえ、あかりちゃん。どうか生きて、君の笑顔をまた僕たちに見せてよ)
あかりの笑顔は昴たちにとって希望の象徴だった。どんなに困難な状況にあってもここまで諦めずに戦ってこられたのは、あかりがいてくれたこと、彼女の笑顔があったことが大きい。
昴はその笑顔に何度も支えられ、救われていたように思う。
そして、もしこの世から戦いがなくなったとして、これから先、それだけは変わらないだろうとも思う。
あかりの笑顔があるのなら、きっと自身の玄舞の守護の力にも意味があったのだと信じられるから。
(どうか、君を守らせて)
心臓が痛い。呼吸が苦しい。視界が朧気になる。寒さに身体中が震えて、指先の感覚はとうに失われていた。
ときおり意識が飛びそうになるが、あかりを生かしたい一心、その気力だけでかろうじて持ちこたえる。
昴は霊力を送り続けながら、いつか返事があるものだと信じてあかりに繰り返し語りかけた。
現実主義で非情なふりをしていた昔からは考えられない変化だと、昴は微苦笑をもらした。これもあかりが昴にもたらした変化の一つだ。
(あかりちゃん、君がいたから僕は変わったよ)
無条件に希望に満ち溢れた世界を信じるあかりに、昴は最初、呆れて、どこか冷めた目で見ていたように思う。けれどいつしかあかりに感化されて、そんな未来を夢想するのも悪くないと思い始めて。そして今ではあかりたちと一緒にその未来を生きていきたいと心から願っている。
(だからね、あかりちゃん。君や僕たちが願った通りの未来で、四人一緒に、笑い合って生きていこう)
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