364 / 390
第二六話 繋がる想い
第二六話 一五
しおりを挟む
「昴……っ!」
結界の一部が綻んでいる。もちろん昴はそれには気づいているだろうが、結界の張り直しが追いついていない。
あかりは迷わず昴の前に躍り出ると、正面から妖狐の攻撃を受け止めた。
昴は目を瞠って、あかりの名を呼んだ。
「あかりちゃん、だめだ!」
「だって、このままじゃ昴が……!」
負けじとあかりも叫び返す。あたりは火が燃え上がるごうごうという音に支配されていて、声を張らなければ届かない。
「さっきのは助かったけど……。でも、いくら火を司る朱咲様の血を引いていたとしても、こんなところに飛び込んでくるなんて無謀だ! 僕は大丈夫だから、あかりちゃんはここから離れて……っ!」
あかりは妖狐の攻撃を霊剣でいなすと、ちらりと肩越しに昴を見た。
「何が大丈夫なの⁉ 結界だって張るのには限界があるのに、離れて見てろっていうの? 私にはそんな真似できない!」
「あかりちゃん、お願いだから聞き分けて。御上様に言われたことがここで起きないとも限らないんだよ!」
昴は攻撃の隙をついてあかりの腕を引くと、自身と一緒に結界の中に閉じ込めた。結界の中には外の熱気や煙が入ってこない。咳き込むあかりを、昴は厳しい目で見遣った。
「だから言ったでしょう。僕なら大丈夫。あかりちゃんはゆづくんと秋くんのところに行って。玄舞家の術使いもそろそろやってくる頃合いだ」
「でも……っ」
「お願いだよ、あかりちゃん。あかりちゃんは確かに強い。だけど、できることなら戦いになんか巻き込まれてほしくないんだ」
昴は痛切な表情であかりに訴えた。そんな顔を見せられてしまっては、あかりにはもう何も言えなかった。ここは大人しく昴の言うことに従うしかないと、あかりが踵を返しかけたそのときだった。
「昴、危ない……っ‼」
「……⁉」
結界の綻びを抜けて、妖狐が突っ込んできた。鋭い牙で穿とうと大口を開けている。
あかりの悲鳴と同時に昴も気づいたようだが対処が間に合わない。あかりは昴に駆け寄ると、身体を突き飛ばした。昴と一緒になって倒れこみかけたあかりは、喉に熱いものを感じた。
「……っ‼」
「あかりちゃん‼」
昴は受け身をとり、素早く体勢を整えると、あかりを抱きとめた。
「……」
(昴、大丈夫……?)
そう言いたいのに声が出ない。急速に体温も奪われているようで、昴の結界が破られた今、炎に囲まれているというのに寒くなってきた。
ぼやけ始めた視界の端で、妖狐が取り乱しているのを見た気がした。
「時人くん達は妖狐を確保して! ……あかりちゃん……!」
「あかり……っ‼」
「昴! 一体何が……⁉」
聞きなじんだ結月と秋之介の声が側に聞こえる。しかし、次第に言葉は拾えなくなり、音すらも遠のいていく。
(寒いの、嫌、だな……)
暗くなっていく視界。消えていく音。感覚を失っていく冷たい四肢。
あかりは無音の暗闇の世界に意識を落とした。
『ごめんなさい』
憔悴しきった彼らの顔を直視できなくて、あかりは顔を逸らして紙を掲げた。
真っ先に反応したのは昴だった。
「なんであかりちゃんが謝るの? 謝るのは君を守りきれなかった僕の方なのに……!」
あかりは持っていた紙を下ろすと、余白に書き加えた。
『御上様にも言われてたのに、私が勝手をしたから』
「でも、そのおかげで僕は助かったよ」
『昴を助けたことは後悔してない。だけど、他にやり方があったんじゃないかって思うの』
幼なじみのことになると冷静さを失い、向こう見ずな行動を起こすのはあかりの悪い癖だった。三年前、手痛い目に遭ったのにも関わらずまた同じことをしでかした。あかりはうなだれた。
「あかりちゃん」
あかりが肩を叩かれたので顔を上げると、昴と目が合った。昴の目元には隈が濃く刻まれている。加えていくらかやつれたようにも見えた。
(どれだけ心労をかけたんだろう……)
あかりには想像もつかなかった。あかりが目を細めていると、昴が口を開いた。
「戻ってきてくれて、ありがとう……っ」
そしてきつく抱きしめられた。昴の顔はうかがえなかったが、その声は濡れて震えていた。あかりが首をめぐらすと、結月は目を潤ませ、秋之介は洟をすすっていた。
「あかりちゃんがいない間、ずっと僕のせいだって、どうしようって不安で仕方なかった」
「……」
「もう駄目かもって何度も思った。あかりちゃんがいないと、僕は僕でいられないんだ。あかりちゃんが僕にとっての希望そのものだから」
「……」
「声が出ないのは僕が何とかしてみせるから。目覚めてくれて本当に良かった……!」
幼なじみのうちでは最年長で、今や四家全体のまとめ役でもある昴。そんな彼の弱音を聞くのは滅多にないことだった。それだけに言われた言葉には重みがある。
どうしたら相応の想いを返せるだろう。考えて、あかりは昴の腕から離れると、文字を書き、笑顔を作ってみせた。
『待っててくれて、ありがとう。ただいま、昴、秋、結月』
本当は言霊にして想いの丈をぶつけたいくらいだったが、声が出ない今それは叶わない。だからあかりは満面の笑みを代わりに送った。
昴は目を瞠ったが、すぐに安堵と歓喜がない交ぜになった昴らしい柔らかな微笑みを返してくれた。
「ずっと、その笑顔が見たかったんだよ……」
あかりはわかったとばかりに、笑みを深くした。
昴の背後で、結月と秋之介も微笑んでいたのをあかりは見た。
これからあかりがどうしたいか、臆することなくきちんと伝えなければいけない。昴はもとより結月と秋之介にも聞き届けてほしいと思った。
『私、戦うよ』
「あかりちゃん……」
後悔、迷い、葛藤、不安……。あらゆる感情を内包した昴の声は切ない。
それだけにいかに自分が大事に思われているかあかりは身に染みて感じた。昴の心情を考えれば戦わないというのも一種、彼に報いることにつながるだろうが、それでは何も変えられない。
(そう。このままではいられない)
ままならない現状を変えたいのならば、あかりが剣をとり、戦わなければならないのだ。
浮かんだ微笑みはごく自然なものだった。
『私のことを私よりずっと案じてくれて、ありがとう。だけどね、私、やっぱり守られるんじゃなくて守りたいんだよ』
「……」
『昴と秋と結月も。町の人たちも、この陽の国ごと、守りたい。この思いは変えられない。だから私にしかできないことはやらなくちゃいけないと思うの』
「……」
『それがどんなに危険でも、たとえ昴たちに止められても、私は戦う道を選ぶよ』
「……」
『そのためにできることはなんでもやるつもり。……ねぇ、みんな』
この決意が皆にも届くようにと、三人それぞれと視線を交わし合う。皆は真剣な色を瞳に浮かべていた。
『お願いがあるの。私も、みんなの隣で戦わせて』
沈黙が降りる。実際は数秒ほどだろうが、あかりにはそれよりずっと長く感じられた。
そんな沈黙を最初に破ったのは昴の声だった。
「ごめんね、あかりちゃん」
どくんと鼓動が跳ねる。
(ここまで伝えても昴は認めてくれない?)
青ざめるあかりだったが、続く昴の言葉に杞憂だったことを知る。
「僕が思うより、君はずっと強い。そのことが僕にはわかっていなかったみたいだ」
(昴……)
瞳を煌めかせるあかりに昴は微笑み返した。そこに今朝のような憂いは見られない。
「戦おう、一緒に。大切なもののために」
「ー」
あかりを信じてくれたことへの嬉しさと感謝をのせて名前を呼びたかった。しかし吸い込んだ息は音にならない。これほどまでに声が出ないことを悔しいと思ったことはなかった。
(ありがとう、昴)
だからあかりは言葉の代わりに笑顔を送る。笑う気になれないと数刻前まで嘆いていたのが嘘だったかのように、笑みが溢れた。
昴もまた久々に晴れやかな微笑みを見せる。それは昴の中の迷いに決着がついたことの証でもあった。
「だけどね、忘れないでね、あかりちゃん。大切なものの中に君が含まれていること。あかりちゃんが僕たちを守りたいと願うように、僕もあかりちゃんを守りたいって思ってること」
大切な人を守りたい思いは痛いほどわかる。あかりはしっかりと頷いた。
「だから、あかりちゃんを守る自由だけは僕から取りあげないでほしいな」
互いに譲れないものがあるから、それがあかりと昴の落としどころなのだと思う。
あかりは『わかったよ』と答えた。
昴との話が一段落して彼の背後を見やると、結月と秋之介と目があった。二人ともこの結果に安堵の微笑を浮かべていた。
「あかりがそうしたいなら、おれは止めない。でも昴が言ったように、おれもあかりのこと、守るから」
「そういうこった。あかりには俺たちがついてる。それを忘れんなよ」
結月も秋之介も、あかりの意志を尊重してくれるようだった。その上であかりのことを守りたいと言ってくれる。
(ああ、私は恵まれてるな)
幸せをのせた柔らかな笑みが自然とこぼれる。
あかりが感謝をこめて頷けば、三人にも伝わったらしく優しい微笑みが返ってきた。
結界の一部が綻んでいる。もちろん昴はそれには気づいているだろうが、結界の張り直しが追いついていない。
あかりは迷わず昴の前に躍り出ると、正面から妖狐の攻撃を受け止めた。
昴は目を瞠って、あかりの名を呼んだ。
「あかりちゃん、だめだ!」
「だって、このままじゃ昴が……!」
負けじとあかりも叫び返す。あたりは火が燃え上がるごうごうという音に支配されていて、声を張らなければ届かない。
「さっきのは助かったけど……。でも、いくら火を司る朱咲様の血を引いていたとしても、こんなところに飛び込んでくるなんて無謀だ! 僕は大丈夫だから、あかりちゃんはここから離れて……っ!」
あかりは妖狐の攻撃を霊剣でいなすと、ちらりと肩越しに昴を見た。
「何が大丈夫なの⁉ 結界だって張るのには限界があるのに、離れて見てろっていうの? 私にはそんな真似できない!」
「あかりちゃん、お願いだから聞き分けて。御上様に言われたことがここで起きないとも限らないんだよ!」
昴は攻撃の隙をついてあかりの腕を引くと、自身と一緒に結界の中に閉じ込めた。結界の中には外の熱気や煙が入ってこない。咳き込むあかりを、昴は厳しい目で見遣った。
「だから言ったでしょう。僕なら大丈夫。あかりちゃんはゆづくんと秋くんのところに行って。玄舞家の術使いもそろそろやってくる頃合いだ」
「でも……っ」
「お願いだよ、あかりちゃん。あかりちゃんは確かに強い。だけど、できることなら戦いになんか巻き込まれてほしくないんだ」
昴は痛切な表情であかりに訴えた。そんな顔を見せられてしまっては、あかりにはもう何も言えなかった。ここは大人しく昴の言うことに従うしかないと、あかりが踵を返しかけたそのときだった。
「昴、危ない……っ‼」
「……⁉」
結界の綻びを抜けて、妖狐が突っ込んできた。鋭い牙で穿とうと大口を開けている。
あかりの悲鳴と同時に昴も気づいたようだが対処が間に合わない。あかりは昴に駆け寄ると、身体を突き飛ばした。昴と一緒になって倒れこみかけたあかりは、喉に熱いものを感じた。
「……っ‼」
「あかりちゃん‼」
昴は受け身をとり、素早く体勢を整えると、あかりを抱きとめた。
「……」
(昴、大丈夫……?)
そう言いたいのに声が出ない。急速に体温も奪われているようで、昴の結界が破られた今、炎に囲まれているというのに寒くなってきた。
ぼやけ始めた視界の端で、妖狐が取り乱しているのを見た気がした。
「時人くん達は妖狐を確保して! ……あかりちゃん……!」
「あかり……っ‼」
「昴! 一体何が……⁉」
聞きなじんだ結月と秋之介の声が側に聞こえる。しかし、次第に言葉は拾えなくなり、音すらも遠のいていく。
(寒いの、嫌、だな……)
暗くなっていく視界。消えていく音。感覚を失っていく冷たい四肢。
あかりは無音の暗闇の世界に意識を落とした。
『ごめんなさい』
憔悴しきった彼らの顔を直視できなくて、あかりは顔を逸らして紙を掲げた。
真っ先に反応したのは昴だった。
「なんであかりちゃんが謝るの? 謝るのは君を守りきれなかった僕の方なのに……!」
あかりは持っていた紙を下ろすと、余白に書き加えた。
『御上様にも言われてたのに、私が勝手をしたから』
「でも、そのおかげで僕は助かったよ」
『昴を助けたことは後悔してない。だけど、他にやり方があったんじゃないかって思うの』
幼なじみのことになると冷静さを失い、向こう見ずな行動を起こすのはあかりの悪い癖だった。三年前、手痛い目に遭ったのにも関わらずまた同じことをしでかした。あかりはうなだれた。
「あかりちゃん」
あかりが肩を叩かれたので顔を上げると、昴と目が合った。昴の目元には隈が濃く刻まれている。加えていくらかやつれたようにも見えた。
(どれだけ心労をかけたんだろう……)
あかりには想像もつかなかった。あかりが目を細めていると、昴が口を開いた。
「戻ってきてくれて、ありがとう……っ」
そしてきつく抱きしめられた。昴の顔はうかがえなかったが、その声は濡れて震えていた。あかりが首をめぐらすと、結月は目を潤ませ、秋之介は洟をすすっていた。
「あかりちゃんがいない間、ずっと僕のせいだって、どうしようって不安で仕方なかった」
「……」
「もう駄目かもって何度も思った。あかりちゃんがいないと、僕は僕でいられないんだ。あかりちゃんが僕にとっての希望そのものだから」
「……」
「声が出ないのは僕が何とかしてみせるから。目覚めてくれて本当に良かった……!」
幼なじみのうちでは最年長で、今や四家全体のまとめ役でもある昴。そんな彼の弱音を聞くのは滅多にないことだった。それだけに言われた言葉には重みがある。
どうしたら相応の想いを返せるだろう。考えて、あかりは昴の腕から離れると、文字を書き、笑顔を作ってみせた。
『待っててくれて、ありがとう。ただいま、昴、秋、結月』
本当は言霊にして想いの丈をぶつけたいくらいだったが、声が出ない今それは叶わない。だからあかりは満面の笑みを代わりに送った。
昴は目を瞠ったが、すぐに安堵と歓喜がない交ぜになった昴らしい柔らかな微笑みを返してくれた。
「ずっと、その笑顔が見たかったんだよ……」
あかりはわかったとばかりに、笑みを深くした。
昴の背後で、結月と秋之介も微笑んでいたのをあかりは見た。
これからあかりがどうしたいか、臆することなくきちんと伝えなければいけない。昴はもとより結月と秋之介にも聞き届けてほしいと思った。
『私、戦うよ』
「あかりちゃん……」
後悔、迷い、葛藤、不安……。あらゆる感情を内包した昴の声は切ない。
それだけにいかに自分が大事に思われているかあかりは身に染みて感じた。昴の心情を考えれば戦わないというのも一種、彼に報いることにつながるだろうが、それでは何も変えられない。
(そう。このままではいられない)
ままならない現状を変えたいのならば、あかりが剣をとり、戦わなければならないのだ。
浮かんだ微笑みはごく自然なものだった。
『私のことを私よりずっと案じてくれて、ありがとう。だけどね、私、やっぱり守られるんじゃなくて守りたいんだよ』
「……」
『昴と秋と結月も。町の人たちも、この陽の国ごと、守りたい。この思いは変えられない。だから私にしかできないことはやらなくちゃいけないと思うの』
「……」
『それがどんなに危険でも、たとえ昴たちに止められても、私は戦う道を選ぶよ』
「……」
『そのためにできることはなんでもやるつもり。……ねぇ、みんな』
この決意が皆にも届くようにと、三人それぞれと視線を交わし合う。皆は真剣な色を瞳に浮かべていた。
『お願いがあるの。私も、みんなの隣で戦わせて』
沈黙が降りる。実際は数秒ほどだろうが、あかりにはそれよりずっと長く感じられた。
そんな沈黙を最初に破ったのは昴の声だった。
「ごめんね、あかりちゃん」
どくんと鼓動が跳ねる。
(ここまで伝えても昴は認めてくれない?)
青ざめるあかりだったが、続く昴の言葉に杞憂だったことを知る。
「僕が思うより、君はずっと強い。そのことが僕にはわかっていなかったみたいだ」
(昴……)
瞳を煌めかせるあかりに昴は微笑み返した。そこに今朝のような憂いは見られない。
「戦おう、一緒に。大切なもののために」
「ー」
あかりを信じてくれたことへの嬉しさと感謝をのせて名前を呼びたかった。しかし吸い込んだ息は音にならない。これほどまでに声が出ないことを悔しいと思ったことはなかった。
(ありがとう、昴)
だからあかりは言葉の代わりに笑顔を送る。笑う気になれないと数刻前まで嘆いていたのが嘘だったかのように、笑みが溢れた。
昴もまた久々に晴れやかな微笑みを見せる。それは昴の中の迷いに決着がついたことの証でもあった。
「だけどね、忘れないでね、あかりちゃん。大切なものの中に君が含まれていること。あかりちゃんが僕たちを守りたいと願うように、僕もあかりちゃんを守りたいって思ってること」
大切な人を守りたい思いは痛いほどわかる。あかりはしっかりと頷いた。
「だから、あかりちゃんを守る自由だけは僕から取りあげないでほしいな」
互いに譲れないものがあるから、それがあかりと昴の落としどころなのだと思う。
あかりは『わかったよ』と答えた。
昴との話が一段落して彼の背後を見やると、結月と秋之介と目があった。二人ともこの結果に安堵の微笑を浮かべていた。
「あかりがそうしたいなら、おれは止めない。でも昴が言ったように、おれもあかりのこと、守るから」
「そういうこった。あかりには俺たちがついてる。それを忘れんなよ」
結月も秋之介も、あかりの意志を尊重してくれるようだった。その上であかりのことを守りたいと言ってくれる。
(ああ、私は恵まれてるな)
幸せをのせた柔らかな笑みが自然とこぼれる。
あかりが感謝をこめて頷けば、三人にも伝わったらしく優しい微笑みが返ってきた。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】大魔術師は庶民の味方です2
枇杷水月
ファンタジー
元侯爵令嬢は薬師となり、疫病から民を守った。
『救国の乙女』と持て囃されるが、本人はただ薬師としての職務を全うしただけだと、称賛を受け入れようとはしなかった。
結婚祝いにと、国王陛下から贈られた旅行を利用して、薬師ミュリエルと恋人のフィンは、双方の家族をバカンスに招待し、婚約式を計画。
顔合わせも無事に遂行し、結婚を許された2人は幸せの絶頂にいた。
しかし、幸せな2人を妬むかのように暗雲が漂う。襲いかかる魔の手から家族を守るため、2人は戦いに挑む。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる