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終章 兄妹
終章 一
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福塚との因縁に決着がついた後、鈴音たちは神楽の手当てを受けた。そのときに鈴音と遥杜の呪いがなくなっていることに気づいた神楽は、雅仁から鈴音を正式な家族として迎え入れることにしたと告げられた。妖力が戻ったことで本来の姿を取り戻した鈴音の将来を真剣に考えてくれた神楽はひとつの提案をした。
神楽のもとで働かないか、と。
それから二週間が経ち、鈴音はすっかり本部の隊員の間で話題の新入りとなっていた。
「神楽先生、助けてください! さっきの任務の後からなんか調子が悪くて」
そう訴えて駆け込んできた小太郎の診察を終えた神楽は鈴音を呼んだ。
「任務中に呪いの類でも受けたのではないかしら。鈴音、お願いするわ」
「うん」
医務室の隅で外つ国の書を読み解いていた鈴音は、神楽と同じ緋袴に重ねた白衣をたなびかせ小太郎の前に進み出た。すっとまぶたを下ろして、糸の絡まりを解く様を頭に思い描く。青白い狐火がふっと消え、鈴音はぱっちりと目を開けた。
「もう大丈夫だよ。きれいに解けたから」
これで調子の悪さも改善されるはずだ。苦しみから解放されるなら良かったと、つい微笑みがこぼれる。
しかし小太郎はぼうっとして座ったまま動こうとはしなかった。呪いは解けたがそれとは別に熱でもあるのではないだろうか。
「小太郎、さん。顔が赤いけど、お熱でもあるの?」
「へっ⁉ い、いや……その……っ」
しどろもどろになった小太郎が何を言いたいのかはわからない。困っていると小太郎の後ろから現れたにっこり笑顔の遥杜が代わりに教えてくれた。
「鈴音が心配することはないよ。元気だから大丈夫だよね、小太郎?」
「お、おう……」
小太郎ははっと我に返ると、小さな声で遥杜に返事をした。声が震えていたのは鈴音の気のせいだろうか。
「鈴音ちゃんは見た通りだけどさ」
小太郎はある日突然幼女から一六歳の本来の姿に戻った鈴音に最初こそものすごく驚いていたが、妖保護部隊に所属しているだけあって受け入れるのは早かった。それは他の隊員にも言えたことだった。
妖力が戻ったことで完全な人間姿に化けることかできるようになり、今の鈴音は人間の少女にしか見えない。髪や瞳の色は珍しいが雅仁たちと一緒にいると目立たないので、その点に関してはあまり苦労していない。
「なんか、遥杜も変わったよな」
「どこが? 前からこんな感じだったでしょ」
にこにこと人当たりの好い笑みを浮かべ、朗らかな声で遥杜は言う。仕草は以前と同じであるがあまり取り繕わなくなり、素が見え隠れしている。
「どこがっていうと何て答えるか迷うな。……あ、これだな。性格が悪くなった!」
「失礼なことを言う口はこれかな?」
「いひゃいいひゃい!」
小太郎の頬をつねっていた遥杜は「まったく……」と呆れたため息を吐いて手を離す。小太郎は頬をさすりながら、にっと無邪気に笑った。
「でも俺は今の遥杜の方がしっくりくるな。怖いけど安心するっていうかさ」
虚を突かれた遥杜は僅かに目を見開くと、ふいっとそっぽを向いた。
「……あっそ」
「はるちゃん、照れてる」
「小太郎の顔色を見て熱だとか言ってた鈴音のいうことなんて当てにならないでしょ」
遥杜に軽く睨まれたが、鈴音は少しも堪えない。遥杜の指摘は半分正しいが、半分は絶対に違うと断言できる。
「病については神楽さんに習ってるところだから仕方ない。だけど、はるちゃんの気持ちは当てられる自信があるよ」
「口だけが達者になってきたよな。一体誰に似たんだか」
睨む合う兄妹を静かに見守る神楽の隣で、小太郎が笑いを堪えていた。
「そりゃ、兄ちゃんたちだろ。特に遥杜だな」
やはり小太郎の声は震えていた。今度は気のせいではないが、なんとなく楽しそうだと思う。
「もういいから。小太郎は自分の隊のところに戻りなよ」
「ははっ。面白いもん見られたし、そうするわ。んじゃ、またな!」
大きく手を振って廊下を小走りに駆けていく小太郎は呪いも解けて、熱もないようだ。
「元気になって良かった」
頬を緩める鈴音を神楽は嬉しそうに見つめていたが、ふと顔を上げた。
「そういえば、遥杜こそなぜここにいるのかしら。仕事はどうしたのよ」
「これも仕事だよ、副隊長命令。雅仁兄さんから離れられない千里兄さんに頼まれたんだ、鈴音を呼んできてほしいって」
神楽はそういうことならとあっさりと鈴音を貸し出した。
遥杜に連れてこられたのは本部長室ではなく、稽古場だった。鈴音が足を踏み入れるのは初めてだったが、屋内稽古場に隣接して野外稽古場も存在することは聞き及んでいる。
話の通り抜けるような青空が望める。もうすぐ梅雨入りすると新聞で読んだが本当だろうか、つい疑ってしまいそうになるくらい空も風も心地よい。
そんな屋外と屋内の境目あたりで、遥杜が足を止めた。
「鴇羽、瑠璃。副隊長命令、休憩しなさいだって」
ひゅっと鈴音の眼前をきれいな一直線が走り、とすっと小気味良い音が響いた。遠くの的に矢が刺さっている。それも赤く塗られた中心の円のど真ん中だった。
弓矢に限らず武器の類には疎い鈴音でも、これがすごいことだというくらいはわかる。目を輝かせて矢を放った瑠璃を見上げたが、瑠璃は浮かない顔をしていた。
「また当てちゃった……」
「大丈夫だって。狙いが定められるんだから外すのもすぐにできるようになるよ」
鴇羽は励ますようにぽんと瑠璃の肩を叩いたが、瑠璃はしゅんと落ち込んでいる。
「僕にとっては外す方が難しいんだよ」
「知ってるよ、だから練習してるんじゃん。とりあえずはるちゃんが来たし休憩しよ……えっ、すずちゃんも来てくれたの⁉」
「え、すずも……⁉」
鈴音の姿を認めるなりすぐさま駆け寄ってきた鴇羽と瑠璃も連れて、遥杜は稽古場の隅に腰を下ろした。
「調子はどう、瑠璃?」
「……駄目、全然……」
瑠璃は膝を抱えて俯いている。
暗い顔をしてほしくなくて、鈴音は先ほどの感動を伝えようとした。
「きれいに的に当たってた。るりちゃん、上手だったよ」
瑠璃は鈴音の顔をちらりと目だけで見て、はあっと深いため息を落とした。
「それじゃ駄目なんだ……」
さらに落ち込んでしまった瑠璃を前に、鈴音は困惑とともに首を傾げる。
「当たった方がいいと思ってたけど、違うの?」
「一般的には合ってるよ」
遥杜が肯定する。鴇羽も頷くが、苦く笑っていた。
「ただ瑠璃はあえて外したいんだよね」
ますます意味がわからない。鈴音の顔にはっきりと書いてあったからだろう、瑠璃がぽつぽつと説明してくれた。
「僕は戦うのはあんまり好きじゃない、血とか暴力とかが苦手だから。一応弓術は修めたけど、どうやっても当たっちゃうし……。そういうのが嫌で、戦いは避けてきたんだ。まさ兄たちもわかってて、僕を荒事からはなるべく遠ざけてくれてた。……だけど」
膝を抱える瑠璃の手にぎゅうと力がこもる。
「そうやって戦いを避けてきたせいで、すずを、守れなかった」
鈴音が攫われた日のことを言っているのだろう。鴇羽の判断を間違ったものだとは思っていないし、瑠璃もできることをした。鈴音はそう信じているので、兄たちが弱かったとは微塵も思っていない。
しかし瑠璃はそうは思わず、ずっと後悔していたのだ。
「あのとき他に選択肢があれば、すずを守れたかもしれないのにって。もうそんな思いはしたくないから、当てるのが嫌ならあえて外して牽制くらいはできるようになろうって、思ったんだけど……」
瑠璃の声は尻すぼみになっていった。
それきり黙ってしまった瑠璃の代わりに、今度は遥杜が口を開いた。
「根を詰めすぎなんだよ、瑠璃は。鴇羽くらい適当にやったっていいんだよ」
「適当……⁉ ねえ、はるちゃん、それは誤解だよ! ぼくはぼくなりの真面目にやってるんだからねっ」
「鴇羽の比じゃないくらい瑠璃が真面目すぎるってことだよ」
鴇羽をあしらいながら遥杜は瑠璃の腕を引いた。突然のことに拳を作っていた瑠璃の手がぱっと開かれる。
「やっぱり、千里兄さんの言った通りだった」
瑠璃の右手は皮が剥けていたりまめが潰れていたりと傷だらけだった。
「るりちゃん、手、痛そう」
「だ、大丈夫だよ。弓矢は扱えるし……」
瑠璃は慌てて手を引っ込めようとしていたが、遥杜の力の方が強く、びくともしなかった。
遥杜の力は雅仁には及ばないが人にしてはかなり強く、刀を片手で軽々扱えたり軽く地を蹴っただけで高く跳び上がれたりが当たり前だった。運動神経も人並み外れて良い方だと言っていたが、文字通り人を外れていたからこそだと今ならわかる。それらは鬼の妖力に起因するものだったのだ。
任務で激しく動き回ったり、雅仁の動きに合わせたりすることで封印されていた妖力と残された人の力の均衡が崩れ、右目だけが本性の深紅に染まり、体調も崩していた。
尤も呪いがなくなった今は半人半鬼の本性をうまく隠すことができ、力の制御もできているので体調を崩すこともなくなった。
そういえばあれだけ解けなかった知恵の輪を最初に外したのも遥杜だった。今までは壊す方が早かったらしいが、力の制御がうまくできていないせいで壊してしまっていただけだろう。もともと器用な方なので知恵の輪を外すだけなら難しくなかったのかもしれない。
「無理したっていいことないよ。鈴音、瑠璃に練習の成果をみせてあげなよ」
遥杜は壁に設えられた棚に顔を向けた。視線の先には薬箱が置いてある。
鈴音はすぐに遥杜の言わんとしていることを汲み取ると、立ち上がって薬箱に手を伸ばした。
「届かない」
「救急箱なのにこんな高いところに置いたの誰。すぐ取れないんじゃ困るよ」
困ると言いながら鴇羽はひょいと薬箱を鈴音の代わりに下ろして手渡してくれた。
「はいっ」
「ありがとう、ときちゃん」
薬箱には最低限の怪我の手当てができるような道具が揃っている。神楽が作ったのであろう膏薬と包帯を取り出して、神楽の教えを思い出しながら瑠璃の傷に膏薬を塗り、包帯を丁寧に巻いていった。
少しもたついたが仕上がり自体は悪くない。習いたてだった二週間前は時間がかかった割には力加減が違っていたり巻き方が良くなくてすぐに解けたりしていたが、毎日家でも練習していた甲斐があった。
「できたよ。どう、るりちゃん」
少し自慢げに問うと、瑠璃はやっと笑ってくれた。
「すごい上手。ありがとう、すず。もうちょっと頑張れそう」
「瑠璃には休む方を頑張ってほしいよ」
遥杜の口調こそ呆れたように聞こえるが、眼差しは弟を心配する兄のものだ。
瑠璃はぱちりと目を瞬くと、心配しないでと伝えるように穏やかに微笑んだ。
「ううん。今までが休みみたいなものだったから、頑張りたいんだ」
鈴音が薬箱を片付けていると、いつの間にやら雅仁と千里が側にいた。
「向上心があることは結構。けれども時には休むことも肝要さ。効率が悪くなって成果があげられない、なんてことになっては目も当てられないからね」
「兄さんは休みすぎです」
「千里に拘束されたこの二刻半で今日のやるべき仕事は終わらせたはずだよ?」
「今日でなく、今日に至るまでの毎日のことを言っています」
稽古場の空気が僅かに引き締まるが、雅仁がこの調子なのでぴりぴりしたものではない。定時が近いからか片付けをする隊員もちらほらと出始めており、緩くはないが和やかといったところだ。
「さて、ぼくたちも帰り支度をしようじゃあないか」
「はーいっ」
「僕、弓矢を片付けてくるね」
「ぼくも出しっぱなしだからちょっと行ってくるよ!」
鴇羽と瑠璃が後片付けをしている間に、鈴音も神楽のもとに帰りの挨拶をしに一度戻ることにした。
遥杜を稽古場に残し、鈴音は千里と雅仁と一緒に医務室まで並んで歩く。
「鈴音は今日、何をしていたんですか」
千里は離れている間、鈴音が何を習って、何ができるようになったかを聞くのが仕事後の楽しみだとよく言っている。雅仁に振り回されても耐えられるのは鈴音がいるからだと切実な表情で語っていた。
「外つ国の医術書を読んでたよ。わからないところは神楽さんに教えてもらった。あとは隊員の……小太郎さんの呪いを解いて、るりちゃんの怪我の手当てをしたよ」
「そうですか。鈴音は真面目で優しくて、いい子ですね。きっといい花嫁になれますよ……僕が許すかは別ですが」
千里は最後に何かを呟いていたが声は低く小さかったためよく聞き取れなかった。鈴音に聞き取れたのは『いい花嫁になれますよ』までだったが、それはどうだろうと首を傾げてしまった。
「鈴音の花嫁姿は見てみたいけれど、誰かの花嫁になる鈴音は想像したくないね」
「……やっぱり、難しいと思う」
「ぼくたち全員に許可を得るというのは確かに難しいだろう。しかしそれくらいできなければ鈴音の伴侶として認められないね」
「同感ですね」
「まさちゃんたち、何の話してるの?」
鈴音の考えていることと噛み合わない会話をしている雅仁と千里をついまじまじと見てしまう。
「鈴音の花嫁の話だよ。難しいと今言っていたよね?」
「言ったよ。おうちのことはせんちゃんに任せてばっかりだから、これだと花嫁さんは難しいなって」
「はっ! つまり僕がずっと家事を任されていれば、鈴音は嫁に出ていかなくて済むということですね……!」
「おお、千里! さすがはぼくの弟だ、天才だね!」
「何馬鹿なこと言っているのよ」
医務室から顔を出した神楽は呆れかえっていた。
「兄だというなら大事な妹の門出くらい祝福するべきでしょう。行き遅れなんて可哀想じゃない」
医務室の中に入りながら、雅仁はこてんと首を傾げた。
「でも神楽は可哀想に見えないよ?」
「百近く生きていれば行き遅れも何もないわよ。そもそも私は独り身の方が楽だからそうしているのよ、可哀想なはずないでしょう」
雅仁や千里とはやはり会話が噛み合わない。鈴音は途方に暮れて呟いた。
「せんちゃんはずっと家事を任されたいんだよね……。そうするとわたしは料理も洗濯も、ずっとできないまま。それは良くないと思う……あ、そっか!」
これなら千里の意思を傷つけず、鈴音も困らないかもしれない。降って湧いた名案に、鈴音はぱっと顔を明るくさせて神楽を振り向いた。
「神楽さん、わたし、お料理教えてほし……」
「ああ、千里! やっぱり兄として、鈴音に最低限の教育は受けさせるべきだと思うんだよね!」
「そうですね、僕もちょうどそう思ったところです! 鈴音に料理を教えるのは僕の役目ですよね!」
鈴音が言い切る前に、雅仁と千里の叫びがこだました。
神楽はびくりと肩を震わせてから、訝しげに二人を見た。
「な、何よ、急に大きな声をあげて……。さっきまで渋っていたのに」
「気が変わったのさ! ね、千里!」
「はい! 鈴音を真っ当な道に導くのは家族の責任ですから!」
「無理しないで、せんちゃん。わたしが神楽さんにお願いするから、大丈夫だよ」
「無理じゃないです、大丈夫です!」
千里が大丈夫というのならきっと大丈夫なのだろう。それくらいに鈴音は兄を信頼している。
「うん、わかった。ならせんちゃんにお願いしようかな。お料理ならおうちの方が練習しやすいもんね」
「はい、ぜひ!」
これでまたできることが増えると良い。そうしたら大好きな兄の助けにもなれるだろう。
鈴音がほくほく気分で笑っていると、鴇羽がひらひらと手を振って近づいてきた。
「お待たせ~」
「全然待ってないよ。今から神楽さんに挨拶するところだったから」
「今から? 遅くない?」
遥杜は眉根を寄せて、鈴音の側に控える雅仁と千里に目を遣った。
「これにはやむを得ない事情があるのだよ」
「神楽さんに迷惑はかけられないので、僕が鈴音に料理を教えることになりました。そういう事情です」
「……まあ、それなら仕方ないか」
遥杜はすんっと真顔になると、静かに頷いた。
「なんだか腑に落ちないわね」
じいっと雅仁の横顔を睨み据える神楽だったが、雅仁は決して目を合わせようとはしない。
遥杜の背に隠れて、鴇羽と瑠璃はひそひそと囁き合っていた。
「神楽さんの料理、すずちゃんにまで真似されたら大惨事だよ」
「栄養だけは間違いないんだけど、味が……ね」
「でも神楽さんは味音痴だから信じてないんだよね。すずちゃんはすずちゃんで多少味が悪くても栄養があるならって親切で普通に出してきそうだし」
「確かにこれはやむを得ない事情だよね」
どうあっても雅仁と目が合わないと悟った神楽は「もういいわ」と諦めた。
「今夜あたりから雨が降り出すらしいわ。降られないうちに帰りなさい。風邪をひいては大変だもの」
「うん。神楽さん、今日もありがとう」
「ええ。また明日ね、鈴音」
神楽に見送られ、鈴音は兄たちと一緒に医務室を出て、家路を辿る。
そろそろ梅雨が始まるのだろうか。雨の日が続くことで多くの人たちが憂鬱になるらしいが、鈴音は楽しみで仕方ない。
本当に気分が沈むだろうか、わからないけれど兄たちがいれば退屈はしないと思う。兄たちと梅雨も、その先の季節もともに迎えられると思うと嬉しくて胸が躍る。
兄たちに囲まれ、家へ向かう足取りは弾むように軽かった。
まもなく家が見えてくる。すっかり慣れた茅葺の邸へ、やはりいつものように雅仁が先陣切って入っていく。
「ただいま、我が家! そして」
ゆったりと身を翻し、金の双眸を細めた雅仁はぱっと両腕を大きく広げた。
「おかえり、我が愛しの弟妹たちよ!」
ただいま、と声を揃えて門を潜る。見上げた兄たちの横顔は誰もが楽しそうで穏やかで、幸せそうで、鈴音もきっと同じ顔をしている。
家族と一緒に幸せな時間を紡ぐ。
雅仁と、千里と、遥杜と、鴇羽と、瑠璃。
鈴音にとって大好きな兄たちが、この瞬間も鈴音の願いを叶えてくれていた。
了
神楽のもとで働かないか、と。
それから二週間が経ち、鈴音はすっかり本部の隊員の間で話題の新入りとなっていた。
「神楽先生、助けてください! さっきの任務の後からなんか調子が悪くて」
そう訴えて駆け込んできた小太郎の診察を終えた神楽は鈴音を呼んだ。
「任務中に呪いの類でも受けたのではないかしら。鈴音、お願いするわ」
「うん」
医務室の隅で外つ国の書を読み解いていた鈴音は、神楽と同じ緋袴に重ねた白衣をたなびかせ小太郎の前に進み出た。すっとまぶたを下ろして、糸の絡まりを解く様を頭に思い描く。青白い狐火がふっと消え、鈴音はぱっちりと目を開けた。
「もう大丈夫だよ。きれいに解けたから」
これで調子の悪さも改善されるはずだ。苦しみから解放されるなら良かったと、つい微笑みがこぼれる。
しかし小太郎はぼうっとして座ったまま動こうとはしなかった。呪いは解けたがそれとは別に熱でもあるのではないだろうか。
「小太郎、さん。顔が赤いけど、お熱でもあるの?」
「へっ⁉ い、いや……その……っ」
しどろもどろになった小太郎が何を言いたいのかはわからない。困っていると小太郎の後ろから現れたにっこり笑顔の遥杜が代わりに教えてくれた。
「鈴音が心配することはないよ。元気だから大丈夫だよね、小太郎?」
「お、おう……」
小太郎ははっと我に返ると、小さな声で遥杜に返事をした。声が震えていたのは鈴音の気のせいだろうか。
「鈴音ちゃんは見た通りだけどさ」
小太郎はある日突然幼女から一六歳の本来の姿に戻った鈴音に最初こそものすごく驚いていたが、妖保護部隊に所属しているだけあって受け入れるのは早かった。それは他の隊員にも言えたことだった。
妖力が戻ったことで完全な人間姿に化けることかできるようになり、今の鈴音は人間の少女にしか見えない。髪や瞳の色は珍しいが雅仁たちと一緒にいると目立たないので、その点に関してはあまり苦労していない。
「なんか、遥杜も変わったよな」
「どこが? 前からこんな感じだったでしょ」
にこにこと人当たりの好い笑みを浮かべ、朗らかな声で遥杜は言う。仕草は以前と同じであるがあまり取り繕わなくなり、素が見え隠れしている。
「どこがっていうと何て答えるか迷うな。……あ、これだな。性格が悪くなった!」
「失礼なことを言う口はこれかな?」
「いひゃいいひゃい!」
小太郎の頬をつねっていた遥杜は「まったく……」と呆れたため息を吐いて手を離す。小太郎は頬をさすりながら、にっと無邪気に笑った。
「でも俺は今の遥杜の方がしっくりくるな。怖いけど安心するっていうかさ」
虚を突かれた遥杜は僅かに目を見開くと、ふいっとそっぽを向いた。
「……あっそ」
「はるちゃん、照れてる」
「小太郎の顔色を見て熱だとか言ってた鈴音のいうことなんて当てにならないでしょ」
遥杜に軽く睨まれたが、鈴音は少しも堪えない。遥杜の指摘は半分正しいが、半分は絶対に違うと断言できる。
「病については神楽さんに習ってるところだから仕方ない。だけど、はるちゃんの気持ちは当てられる自信があるよ」
「口だけが達者になってきたよな。一体誰に似たんだか」
睨む合う兄妹を静かに見守る神楽の隣で、小太郎が笑いを堪えていた。
「そりゃ、兄ちゃんたちだろ。特に遥杜だな」
やはり小太郎の声は震えていた。今度は気のせいではないが、なんとなく楽しそうだと思う。
「もういいから。小太郎は自分の隊のところに戻りなよ」
「ははっ。面白いもん見られたし、そうするわ。んじゃ、またな!」
大きく手を振って廊下を小走りに駆けていく小太郎は呪いも解けて、熱もないようだ。
「元気になって良かった」
頬を緩める鈴音を神楽は嬉しそうに見つめていたが、ふと顔を上げた。
「そういえば、遥杜こそなぜここにいるのかしら。仕事はどうしたのよ」
「これも仕事だよ、副隊長命令。雅仁兄さんから離れられない千里兄さんに頼まれたんだ、鈴音を呼んできてほしいって」
神楽はそういうことならとあっさりと鈴音を貸し出した。
遥杜に連れてこられたのは本部長室ではなく、稽古場だった。鈴音が足を踏み入れるのは初めてだったが、屋内稽古場に隣接して野外稽古場も存在することは聞き及んでいる。
話の通り抜けるような青空が望める。もうすぐ梅雨入りすると新聞で読んだが本当だろうか、つい疑ってしまいそうになるくらい空も風も心地よい。
そんな屋外と屋内の境目あたりで、遥杜が足を止めた。
「鴇羽、瑠璃。副隊長命令、休憩しなさいだって」
ひゅっと鈴音の眼前をきれいな一直線が走り、とすっと小気味良い音が響いた。遠くの的に矢が刺さっている。それも赤く塗られた中心の円のど真ん中だった。
弓矢に限らず武器の類には疎い鈴音でも、これがすごいことだというくらいはわかる。目を輝かせて矢を放った瑠璃を見上げたが、瑠璃は浮かない顔をしていた。
「また当てちゃった……」
「大丈夫だって。狙いが定められるんだから外すのもすぐにできるようになるよ」
鴇羽は励ますようにぽんと瑠璃の肩を叩いたが、瑠璃はしゅんと落ち込んでいる。
「僕にとっては外す方が難しいんだよ」
「知ってるよ、だから練習してるんじゃん。とりあえずはるちゃんが来たし休憩しよ……えっ、すずちゃんも来てくれたの⁉」
「え、すずも……⁉」
鈴音の姿を認めるなりすぐさま駆け寄ってきた鴇羽と瑠璃も連れて、遥杜は稽古場の隅に腰を下ろした。
「調子はどう、瑠璃?」
「……駄目、全然……」
瑠璃は膝を抱えて俯いている。
暗い顔をしてほしくなくて、鈴音は先ほどの感動を伝えようとした。
「きれいに的に当たってた。るりちゃん、上手だったよ」
瑠璃は鈴音の顔をちらりと目だけで見て、はあっと深いため息を落とした。
「それじゃ駄目なんだ……」
さらに落ち込んでしまった瑠璃を前に、鈴音は困惑とともに首を傾げる。
「当たった方がいいと思ってたけど、違うの?」
「一般的には合ってるよ」
遥杜が肯定する。鴇羽も頷くが、苦く笑っていた。
「ただ瑠璃はあえて外したいんだよね」
ますます意味がわからない。鈴音の顔にはっきりと書いてあったからだろう、瑠璃がぽつぽつと説明してくれた。
「僕は戦うのはあんまり好きじゃない、血とか暴力とかが苦手だから。一応弓術は修めたけど、どうやっても当たっちゃうし……。そういうのが嫌で、戦いは避けてきたんだ。まさ兄たちもわかってて、僕を荒事からはなるべく遠ざけてくれてた。……だけど」
膝を抱える瑠璃の手にぎゅうと力がこもる。
「そうやって戦いを避けてきたせいで、すずを、守れなかった」
鈴音が攫われた日のことを言っているのだろう。鴇羽の判断を間違ったものだとは思っていないし、瑠璃もできることをした。鈴音はそう信じているので、兄たちが弱かったとは微塵も思っていない。
しかし瑠璃はそうは思わず、ずっと後悔していたのだ。
「あのとき他に選択肢があれば、すずを守れたかもしれないのにって。もうそんな思いはしたくないから、当てるのが嫌ならあえて外して牽制くらいはできるようになろうって、思ったんだけど……」
瑠璃の声は尻すぼみになっていった。
それきり黙ってしまった瑠璃の代わりに、今度は遥杜が口を開いた。
「根を詰めすぎなんだよ、瑠璃は。鴇羽くらい適当にやったっていいんだよ」
「適当……⁉ ねえ、はるちゃん、それは誤解だよ! ぼくはぼくなりの真面目にやってるんだからねっ」
「鴇羽の比じゃないくらい瑠璃が真面目すぎるってことだよ」
鴇羽をあしらいながら遥杜は瑠璃の腕を引いた。突然のことに拳を作っていた瑠璃の手がぱっと開かれる。
「やっぱり、千里兄さんの言った通りだった」
瑠璃の右手は皮が剥けていたりまめが潰れていたりと傷だらけだった。
「るりちゃん、手、痛そう」
「だ、大丈夫だよ。弓矢は扱えるし……」
瑠璃は慌てて手を引っ込めようとしていたが、遥杜の力の方が強く、びくともしなかった。
遥杜の力は雅仁には及ばないが人にしてはかなり強く、刀を片手で軽々扱えたり軽く地を蹴っただけで高く跳び上がれたりが当たり前だった。運動神経も人並み外れて良い方だと言っていたが、文字通り人を外れていたからこそだと今ならわかる。それらは鬼の妖力に起因するものだったのだ。
任務で激しく動き回ったり、雅仁の動きに合わせたりすることで封印されていた妖力と残された人の力の均衡が崩れ、右目だけが本性の深紅に染まり、体調も崩していた。
尤も呪いがなくなった今は半人半鬼の本性をうまく隠すことができ、力の制御もできているので体調を崩すこともなくなった。
そういえばあれだけ解けなかった知恵の輪を最初に外したのも遥杜だった。今までは壊す方が早かったらしいが、力の制御がうまくできていないせいで壊してしまっていただけだろう。もともと器用な方なので知恵の輪を外すだけなら難しくなかったのかもしれない。
「無理したっていいことないよ。鈴音、瑠璃に練習の成果をみせてあげなよ」
遥杜は壁に設えられた棚に顔を向けた。視線の先には薬箱が置いてある。
鈴音はすぐに遥杜の言わんとしていることを汲み取ると、立ち上がって薬箱に手を伸ばした。
「届かない」
「救急箱なのにこんな高いところに置いたの誰。すぐ取れないんじゃ困るよ」
困ると言いながら鴇羽はひょいと薬箱を鈴音の代わりに下ろして手渡してくれた。
「はいっ」
「ありがとう、ときちゃん」
薬箱には最低限の怪我の手当てができるような道具が揃っている。神楽が作ったのであろう膏薬と包帯を取り出して、神楽の教えを思い出しながら瑠璃の傷に膏薬を塗り、包帯を丁寧に巻いていった。
少しもたついたが仕上がり自体は悪くない。習いたてだった二週間前は時間がかかった割には力加減が違っていたり巻き方が良くなくてすぐに解けたりしていたが、毎日家でも練習していた甲斐があった。
「できたよ。どう、るりちゃん」
少し自慢げに問うと、瑠璃はやっと笑ってくれた。
「すごい上手。ありがとう、すず。もうちょっと頑張れそう」
「瑠璃には休む方を頑張ってほしいよ」
遥杜の口調こそ呆れたように聞こえるが、眼差しは弟を心配する兄のものだ。
瑠璃はぱちりと目を瞬くと、心配しないでと伝えるように穏やかに微笑んだ。
「ううん。今までが休みみたいなものだったから、頑張りたいんだ」
鈴音が薬箱を片付けていると、いつの間にやら雅仁と千里が側にいた。
「向上心があることは結構。けれども時には休むことも肝要さ。効率が悪くなって成果があげられない、なんてことになっては目も当てられないからね」
「兄さんは休みすぎです」
「千里に拘束されたこの二刻半で今日のやるべき仕事は終わらせたはずだよ?」
「今日でなく、今日に至るまでの毎日のことを言っています」
稽古場の空気が僅かに引き締まるが、雅仁がこの調子なのでぴりぴりしたものではない。定時が近いからか片付けをする隊員もちらほらと出始めており、緩くはないが和やかといったところだ。
「さて、ぼくたちも帰り支度をしようじゃあないか」
「はーいっ」
「僕、弓矢を片付けてくるね」
「ぼくも出しっぱなしだからちょっと行ってくるよ!」
鴇羽と瑠璃が後片付けをしている間に、鈴音も神楽のもとに帰りの挨拶をしに一度戻ることにした。
遥杜を稽古場に残し、鈴音は千里と雅仁と一緒に医務室まで並んで歩く。
「鈴音は今日、何をしていたんですか」
千里は離れている間、鈴音が何を習って、何ができるようになったかを聞くのが仕事後の楽しみだとよく言っている。雅仁に振り回されても耐えられるのは鈴音がいるからだと切実な表情で語っていた。
「外つ国の医術書を読んでたよ。わからないところは神楽さんに教えてもらった。あとは隊員の……小太郎さんの呪いを解いて、るりちゃんの怪我の手当てをしたよ」
「そうですか。鈴音は真面目で優しくて、いい子ですね。きっといい花嫁になれますよ……僕が許すかは別ですが」
千里は最後に何かを呟いていたが声は低く小さかったためよく聞き取れなかった。鈴音に聞き取れたのは『いい花嫁になれますよ』までだったが、それはどうだろうと首を傾げてしまった。
「鈴音の花嫁姿は見てみたいけれど、誰かの花嫁になる鈴音は想像したくないね」
「……やっぱり、難しいと思う」
「ぼくたち全員に許可を得るというのは確かに難しいだろう。しかしそれくらいできなければ鈴音の伴侶として認められないね」
「同感ですね」
「まさちゃんたち、何の話してるの?」
鈴音の考えていることと噛み合わない会話をしている雅仁と千里をついまじまじと見てしまう。
「鈴音の花嫁の話だよ。難しいと今言っていたよね?」
「言ったよ。おうちのことはせんちゃんに任せてばっかりだから、これだと花嫁さんは難しいなって」
「はっ! つまり僕がずっと家事を任されていれば、鈴音は嫁に出ていかなくて済むということですね……!」
「おお、千里! さすがはぼくの弟だ、天才だね!」
「何馬鹿なこと言っているのよ」
医務室から顔を出した神楽は呆れかえっていた。
「兄だというなら大事な妹の門出くらい祝福するべきでしょう。行き遅れなんて可哀想じゃない」
医務室の中に入りながら、雅仁はこてんと首を傾げた。
「でも神楽は可哀想に見えないよ?」
「百近く生きていれば行き遅れも何もないわよ。そもそも私は独り身の方が楽だからそうしているのよ、可哀想なはずないでしょう」
雅仁や千里とはやはり会話が噛み合わない。鈴音は途方に暮れて呟いた。
「せんちゃんはずっと家事を任されたいんだよね……。そうするとわたしは料理も洗濯も、ずっとできないまま。それは良くないと思う……あ、そっか!」
これなら千里の意思を傷つけず、鈴音も困らないかもしれない。降って湧いた名案に、鈴音はぱっと顔を明るくさせて神楽を振り向いた。
「神楽さん、わたし、お料理教えてほし……」
「ああ、千里! やっぱり兄として、鈴音に最低限の教育は受けさせるべきだと思うんだよね!」
「そうですね、僕もちょうどそう思ったところです! 鈴音に料理を教えるのは僕の役目ですよね!」
鈴音が言い切る前に、雅仁と千里の叫びがこだました。
神楽はびくりと肩を震わせてから、訝しげに二人を見た。
「な、何よ、急に大きな声をあげて……。さっきまで渋っていたのに」
「気が変わったのさ! ね、千里!」
「はい! 鈴音を真っ当な道に導くのは家族の責任ですから!」
「無理しないで、せんちゃん。わたしが神楽さんにお願いするから、大丈夫だよ」
「無理じゃないです、大丈夫です!」
千里が大丈夫というのならきっと大丈夫なのだろう。それくらいに鈴音は兄を信頼している。
「うん、わかった。ならせんちゃんにお願いしようかな。お料理ならおうちの方が練習しやすいもんね」
「はい、ぜひ!」
これでまたできることが増えると良い。そうしたら大好きな兄の助けにもなれるだろう。
鈴音がほくほく気分で笑っていると、鴇羽がひらひらと手を振って近づいてきた。
「お待たせ~」
「全然待ってないよ。今から神楽さんに挨拶するところだったから」
「今から? 遅くない?」
遥杜は眉根を寄せて、鈴音の側に控える雅仁と千里に目を遣った。
「これにはやむを得ない事情があるのだよ」
「神楽さんに迷惑はかけられないので、僕が鈴音に料理を教えることになりました。そういう事情です」
「……まあ、それなら仕方ないか」
遥杜はすんっと真顔になると、静かに頷いた。
「なんだか腑に落ちないわね」
じいっと雅仁の横顔を睨み据える神楽だったが、雅仁は決して目を合わせようとはしない。
遥杜の背に隠れて、鴇羽と瑠璃はひそひそと囁き合っていた。
「神楽さんの料理、すずちゃんにまで真似されたら大惨事だよ」
「栄養だけは間違いないんだけど、味が……ね」
「でも神楽さんは味音痴だから信じてないんだよね。すずちゃんはすずちゃんで多少味が悪くても栄養があるならって親切で普通に出してきそうだし」
「確かにこれはやむを得ない事情だよね」
どうあっても雅仁と目が合わないと悟った神楽は「もういいわ」と諦めた。
「今夜あたりから雨が降り出すらしいわ。降られないうちに帰りなさい。風邪をひいては大変だもの」
「うん。神楽さん、今日もありがとう」
「ええ。また明日ね、鈴音」
神楽に見送られ、鈴音は兄たちと一緒に医務室を出て、家路を辿る。
そろそろ梅雨が始まるのだろうか。雨の日が続くことで多くの人たちが憂鬱になるらしいが、鈴音は楽しみで仕方ない。
本当に気分が沈むだろうか、わからないけれど兄たちがいれば退屈はしないと思う。兄たちと梅雨も、その先の季節もともに迎えられると思うと嬉しくて胸が躍る。
兄たちに囲まれ、家へ向かう足取りは弾むように軽かった。
まもなく家が見えてくる。すっかり慣れた茅葺の邸へ、やはりいつものように雅仁が先陣切って入っていく。
「ただいま、我が家! そして」
ゆったりと身を翻し、金の双眸を細めた雅仁はぱっと両腕を大きく広げた。
「おかえり、我が愛しの弟妹たちよ!」
ただいま、と声を揃えて門を潜る。見上げた兄たちの横顔は誰もが楽しそうで穏やかで、幸せそうで、鈴音もきっと同じ顔をしている。
家族と一緒に幸せな時間を紡ぐ。
雅仁と、千里と、遥杜と、鴇羽と、瑠璃。
鈴音にとって大好きな兄たちが、この瞬間も鈴音の願いを叶えてくれていた。
了
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