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第四話 休日の触れ合い
第四話 一〇
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「いい、ですね」
自然と零れ落ちた慈乃の小さな呟きが、その場に滲むように広がる。
トゥナとソラルは二人揃って顔を上げ、ガザは僅かに目を見開いて「ウタが言ってたのってこういう……」となにやらぶつぶつ言っていた。
ウタセは慈しむような眼差しを慈乃に向けた。
「何かいいものを見つけたって顔だね」
どうしようもなく『いいもの』を共有したい衝動に駆られる。慈乃は言葉に迷いながらも、感じたままを口にした。
「『家族』……というものに対して、私はある時から、ずっと……いい感情は、持って、いなくて……。でも、ここに来てから、……少しだけど、自分が変わりつつあるように、思うんです。血の繋がりとか、年齢とか、そういうものを越えて……、学び家の皆さんは『家族』、なんだなって。それが、あたたかくて、羨ましくて……、私自身、こんなことを感じるなんて、意外、ですけど……」
聞いていた四人は顔を見合わせた。
トゥナが首を傾げながら、慈乃を見上げた。その顔は訝しげだ。
「なんか今の言い方だと、シノ姉は学び家の家族じゃないみたいに聞こえるんだけど」
「それは……」
慈乃が言い淀む。
確かに慈乃は学び家の職員にはなったのだから、家族の一員だと言ってもおかしくはない。しかし、まだ数日を共に過ごしたくらいで家族だと断言できるほど、慈乃の心臓は強くはない。
ウタセがとりなすように苦笑した。
「シノが遠慮しちゃうのもわからなくはないけどね。でも」
次の言葉を継ぐ前には、ウタセは力強い輝きを湛えた瞳で、慈乃をまっすぐに見つめた。
「シノは確かに学び家の家族のひとりだよ。今そんなに親しくないのはむしろ当然だし、これから仲良くなっていけばいいだけなんだから、ね?」
ウタセの言葉に勇気づけられるように、慈乃は「はい……っ」と深く頷いた。
「ちょっと気難しいのとか、とっつきにくいのもいるにはいるけど、心配しなくても大丈夫だって。少なくともオレ達はシノのこと、姉ちゃんだと思ってるしさ!」
ガザの一片の曇りもない眩しいばかりの笑顔は、慈乃の心の雲まで払うようだった。
ガザの隣ではトゥナが安心したように笑っていた。
「だよね。オレだけ家族だって思ってるなんて悲しいだけだし、良かった」
ソラルは何も言わなかったが、穏やかな表情で相槌を打っていた。
心から受け入れてくれていたという安堵と彼らの優しさに胸がいっぱいになって、慈乃はしばらく顔を上げられそうになかった。
慈乃が落ち着いたところで、すごろくは再開した。
慈乃の番なのでさいころを振ったら、二が出た。行き着いたマスには『そろそろ飽きてきたな~』というツクシの独り言が書かれていた。
ガザはそのマスをしげしげと眺めやった。
「三十マスのすごろくにしては結構時間かかってるよな」
「五人だからかな」
「これって試作品なんでしたよね。改良の余地しかありませんね」
「とはいえ、ここまでやったんだし、ひとりゴールするまでは続けてみようぜ」
そう言いながら、ガザはさいころを投げ上げた。着地したさいころの上面は一を示していた。
「ちぇー、一だけしか進めないのかよー。出た出た、イメチェンマス」
ソラルがマスとガザを交互に見る。
「どうするんです?」
ガザは腕を組んで唸っていたが、やがて方向性を決めたようで、ぱんっと手を叩いた。
「ここはソラとシノを見習って、丁寧な言葉で話してみるか」
「確かにガザさんはあんまり言葉遣いが良くありませんしね。印象が変わると思いますよ」
「……ソラ様は丁寧な口調ですけれど、毒を含みまくっていやがりますね」
「それは丁寧な言葉とは違うんじゃないかな……」
ウタセがため息まじりに呟いた。
傍らでは、トゥナが既にさいころを振って、コマを進めているところだった。そして、止まったマスの指示を確認して、困ったような素振りを見せた。
どうしたのだろうと慈乃もマスを見た。そこは序盤でウタセが止まり、トゥナに被害を与えた『現在最下位のひとの好きなところを伝えよう』のマスだった。
「最下位ってオレなんだけど」
「ということは、トゥナ様自身の好きなところを暴露すると、そういうことですね!」
「暴露って悪意のある言い方だなぁ……。まあ、なんでもいいんだったら、そうだなー。時間や期限は必ず守るところ、とか?」
トゥナはあまり深く考えずに答えた。恐らくは素で答えたということだろう。
「なんっだよ! ただの真面目くんじゃん!」
「ガザさん、丁寧な言葉遣いを忘れてます」
「ね、言ったでしょ。トゥナはなんだかんだいって真面目だって」
皆の反応を受けて、自身の失言に気づいたトゥナははっと我にかえって、あたふたと弁明を始める。
「違っ! 時間とか過ぎると気持ち悪いから、守れてる方が気分がいいからで……!」
「言い訳するほど墓穴が深くなってますよ」
「ひーっ! トゥナ、最高!」
ガザは言葉遣いを取り繕うのもすっかり忘れて、腹を抱えて笑っている。
賑やかな雰囲気を楽しみながらも、自分の番が回ってきたウタセはサクサクとすごろくを進める。
六が出たようで、慈乃の止まるマスを一マスだけだが追い越した。二十八マス目には『非常に丁寧な言葉遣いでゲーム終了まで話すべし』と書かれていた。
「ひっ、ひーっ! 何、この集団。五人中四人が丁寧語使うとか……っ!」
一度笑い出したら止まらないようで、ガザは苦しそうに笑い続けていた。
「オレだけアウェイ感半端ない……。おかしいよ!」
「真面目なトゥナさんも丁寧語集団に仲間入りしますか?」
ニヤニヤ笑うソラルを見て、トゥナは「いい! やらないし!」とムキになっていた。
「はいはい、ソラ殿。次は貴殿の番ですぞ」
「ウタ様……っ。なんかっ、違くはありませんか……っ?」
ガザは目に涙を浮かべていた。
「た、確かに敬ってはいるんだろうけど、それって丁寧語なんでしょうか……ひー、お腹痛い……!」
ウタセは動じることもなく、真顔でガザに意見する。
「しかし、ガザ殿。そうはおっしゃるが、多少の差異があった方が面白味があるのではなかろうか」
「ま、待って……くださっ! その感じで話しかけられたら、ほんと、笑いが止まんな……っ!」
慈乃がついていけずに一人どうしたものかと考え込んでいると、自分の番を終えたソラルが涼しい顔をして、慈乃にさいころを手渡してきた。
ちらりと見えたソラルのコマである山姥は、特に指示のないマスに止まっていた。
「疲れてますか?」
表情に反して、声音は慈乃を案じているようだった。
「疲れている、というより、……慣れなくて、どうしたら、いいのかと」
慈乃の返答に、ソラルは微かに笑ったようだった。
「同じです。俺も最初の頃はこういう空気が苦手でした。嫌というよりは、どう反応したらいいかわからなかったんです」
ソラルは、一瞬遠くを見るようにして目を細めた。そうして振り返った時には、ソラルの瞳は慈乃をしっかりと捉えていた。
「無理して輪に入ろうとしなくていいと思いますよ。引っ張り込まれるときは引っ張り込まれるし、こうして眺めているだけでも楽しいと思いませんか?」
「そう、ですね」
仲間外れにされているわけでも、自分が浮いているわけでもない。この空間に自分の存在を認められるからこそ、ソラルの伝えたいことにも素直に共感できた。
「シノさんは昔の俺に少し似てます。だからかな、やっぱり放っておけませんでした」
苦笑気味に言ってから、慈乃の番だと催促した。
「四です……あ、ゴール……」
「わっ、ほんと⁉ おめでとう、シノ!」
途端にウタセはいつもの様子に戻ると、賛辞と拍手を送ってくれた。
「色々あったけど、これはこれで思い入れが生まれちゃったなあ」
「これはこのままにしておいて、新しいのを作ればいいと思うよ」
トゥナがさいころやコマを箱に仕舞いながら、提案する。
ガザの言った通り色々あったけれど、結果的にはお互いを知るいい機会になったと慈乃も内心で同意していた。
すると、ソラルが振り向いた。
「改善点はたくさんありますからね。シノさんも手伝ってくれるでしょう?」
「……はい。楽しみ、ですね」
慈乃は自分が家族の輪のなかにいることを感じ取っていた。
自然と零れ落ちた慈乃の小さな呟きが、その場に滲むように広がる。
トゥナとソラルは二人揃って顔を上げ、ガザは僅かに目を見開いて「ウタが言ってたのってこういう……」となにやらぶつぶつ言っていた。
ウタセは慈しむような眼差しを慈乃に向けた。
「何かいいものを見つけたって顔だね」
どうしようもなく『いいもの』を共有したい衝動に駆られる。慈乃は言葉に迷いながらも、感じたままを口にした。
「『家族』……というものに対して、私はある時から、ずっと……いい感情は、持って、いなくて……。でも、ここに来てから、……少しだけど、自分が変わりつつあるように、思うんです。血の繋がりとか、年齢とか、そういうものを越えて……、学び家の皆さんは『家族』、なんだなって。それが、あたたかくて、羨ましくて……、私自身、こんなことを感じるなんて、意外、ですけど……」
聞いていた四人は顔を見合わせた。
トゥナが首を傾げながら、慈乃を見上げた。その顔は訝しげだ。
「なんか今の言い方だと、シノ姉は学び家の家族じゃないみたいに聞こえるんだけど」
「それは……」
慈乃が言い淀む。
確かに慈乃は学び家の職員にはなったのだから、家族の一員だと言ってもおかしくはない。しかし、まだ数日を共に過ごしたくらいで家族だと断言できるほど、慈乃の心臓は強くはない。
ウタセがとりなすように苦笑した。
「シノが遠慮しちゃうのもわからなくはないけどね。でも」
次の言葉を継ぐ前には、ウタセは力強い輝きを湛えた瞳で、慈乃をまっすぐに見つめた。
「シノは確かに学び家の家族のひとりだよ。今そんなに親しくないのはむしろ当然だし、これから仲良くなっていけばいいだけなんだから、ね?」
ウタセの言葉に勇気づけられるように、慈乃は「はい……っ」と深く頷いた。
「ちょっと気難しいのとか、とっつきにくいのもいるにはいるけど、心配しなくても大丈夫だって。少なくともオレ達はシノのこと、姉ちゃんだと思ってるしさ!」
ガザの一片の曇りもない眩しいばかりの笑顔は、慈乃の心の雲まで払うようだった。
ガザの隣ではトゥナが安心したように笑っていた。
「だよね。オレだけ家族だって思ってるなんて悲しいだけだし、良かった」
ソラルは何も言わなかったが、穏やかな表情で相槌を打っていた。
心から受け入れてくれていたという安堵と彼らの優しさに胸がいっぱいになって、慈乃はしばらく顔を上げられそうになかった。
慈乃が落ち着いたところで、すごろくは再開した。
慈乃の番なのでさいころを振ったら、二が出た。行き着いたマスには『そろそろ飽きてきたな~』というツクシの独り言が書かれていた。
ガザはそのマスをしげしげと眺めやった。
「三十マスのすごろくにしては結構時間かかってるよな」
「五人だからかな」
「これって試作品なんでしたよね。改良の余地しかありませんね」
「とはいえ、ここまでやったんだし、ひとりゴールするまでは続けてみようぜ」
そう言いながら、ガザはさいころを投げ上げた。着地したさいころの上面は一を示していた。
「ちぇー、一だけしか進めないのかよー。出た出た、イメチェンマス」
ソラルがマスとガザを交互に見る。
「どうするんです?」
ガザは腕を組んで唸っていたが、やがて方向性を決めたようで、ぱんっと手を叩いた。
「ここはソラとシノを見習って、丁寧な言葉で話してみるか」
「確かにガザさんはあんまり言葉遣いが良くありませんしね。印象が変わると思いますよ」
「……ソラ様は丁寧な口調ですけれど、毒を含みまくっていやがりますね」
「それは丁寧な言葉とは違うんじゃないかな……」
ウタセがため息まじりに呟いた。
傍らでは、トゥナが既にさいころを振って、コマを進めているところだった。そして、止まったマスの指示を確認して、困ったような素振りを見せた。
どうしたのだろうと慈乃もマスを見た。そこは序盤でウタセが止まり、トゥナに被害を与えた『現在最下位のひとの好きなところを伝えよう』のマスだった。
「最下位ってオレなんだけど」
「ということは、トゥナ様自身の好きなところを暴露すると、そういうことですね!」
「暴露って悪意のある言い方だなぁ……。まあ、なんでもいいんだったら、そうだなー。時間や期限は必ず守るところ、とか?」
トゥナはあまり深く考えずに答えた。恐らくは素で答えたということだろう。
「なんっだよ! ただの真面目くんじゃん!」
「ガザさん、丁寧な言葉遣いを忘れてます」
「ね、言ったでしょ。トゥナはなんだかんだいって真面目だって」
皆の反応を受けて、自身の失言に気づいたトゥナははっと我にかえって、あたふたと弁明を始める。
「違っ! 時間とか過ぎると気持ち悪いから、守れてる方が気分がいいからで……!」
「言い訳するほど墓穴が深くなってますよ」
「ひーっ! トゥナ、最高!」
ガザは言葉遣いを取り繕うのもすっかり忘れて、腹を抱えて笑っている。
賑やかな雰囲気を楽しみながらも、自分の番が回ってきたウタセはサクサクとすごろくを進める。
六が出たようで、慈乃の止まるマスを一マスだけだが追い越した。二十八マス目には『非常に丁寧な言葉遣いでゲーム終了まで話すべし』と書かれていた。
「ひっ、ひーっ! 何、この集団。五人中四人が丁寧語使うとか……っ!」
一度笑い出したら止まらないようで、ガザは苦しそうに笑い続けていた。
「オレだけアウェイ感半端ない……。おかしいよ!」
「真面目なトゥナさんも丁寧語集団に仲間入りしますか?」
ニヤニヤ笑うソラルを見て、トゥナは「いい! やらないし!」とムキになっていた。
「はいはい、ソラ殿。次は貴殿の番ですぞ」
「ウタ様……っ。なんかっ、違くはありませんか……っ?」
ガザは目に涙を浮かべていた。
「た、確かに敬ってはいるんだろうけど、それって丁寧語なんでしょうか……ひー、お腹痛い……!」
ウタセは動じることもなく、真顔でガザに意見する。
「しかし、ガザ殿。そうはおっしゃるが、多少の差異があった方が面白味があるのではなかろうか」
「ま、待って……くださっ! その感じで話しかけられたら、ほんと、笑いが止まんな……っ!」
慈乃がついていけずに一人どうしたものかと考え込んでいると、自分の番を終えたソラルが涼しい顔をして、慈乃にさいころを手渡してきた。
ちらりと見えたソラルのコマである山姥は、特に指示のないマスに止まっていた。
「疲れてますか?」
表情に反して、声音は慈乃を案じているようだった。
「疲れている、というより、……慣れなくて、どうしたら、いいのかと」
慈乃の返答に、ソラルは微かに笑ったようだった。
「同じです。俺も最初の頃はこういう空気が苦手でした。嫌というよりは、どう反応したらいいかわからなかったんです」
ソラルは、一瞬遠くを見るようにして目を細めた。そうして振り返った時には、ソラルの瞳は慈乃をしっかりと捉えていた。
「無理して輪に入ろうとしなくていいと思いますよ。引っ張り込まれるときは引っ張り込まれるし、こうして眺めているだけでも楽しいと思いませんか?」
「そう、ですね」
仲間外れにされているわけでも、自分が浮いているわけでもない。この空間に自分の存在を認められるからこそ、ソラルの伝えたいことにも素直に共感できた。
「シノさんは昔の俺に少し似てます。だからかな、やっぱり放っておけませんでした」
苦笑気味に言ってから、慈乃の番だと催促した。
「四です……あ、ゴール……」
「わっ、ほんと⁉ おめでとう、シノ!」
途端にウタセはいつもの様子に戻ると、賛辞と拍手を送ってくれた。
「色々あったけど、これはこれで思い入れが生まれちゃったなあ」
「これはこのままにしておいて、新しいのを作ればいいと思うよ」
トゥナがさいころやコマを箱に仕舞いながら、提案する。
ガザの言った通り色々あったけれど、結果的にはお互いを知るいい機会になったと慈乃も内心で同意していた。
すると、ソラルが振り向いた。
「改善点はたくさんありますからね。シノさんも手伝ってくれるでしょう?」
「……はい。楽しみ、ですね」
慈乃は自分が家族の輪のなかにいることを感じ取っていた。
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