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国の名前と取り巻く環境 1
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鍛練終了後、自分の汗臭さに眉をしかめていると「ママと一緒!!」と手を引っ張るアルゴス君とマルケス君と浴室に直行した。正直、これ以上は疲れたくないなとお風呂嫌いの子供達の行動に警戒したのだが、武術訓練がきつかったせいか、アルゴス君もマルケス君も石鹸をかけて身体を洗っても騒がず、大人しく風呂で汗を流した。
拍子抜けすると同時に、面倒臭いなというだけで自分の暗部で子供達に接しそうになった事が、猛烈に恥ずかしくなった。自分が聖人君子などでは無い事は百も承知だ。
それどころか表と裏の顔を使い分け、人の顔色を読んで生きているどちらかと言えば濃灰色寄りの人間だ。
脱衣所に用意されていた着替えに袖を通して、ソファでくつろぐアルゴス君とマルケス君に頭を下げる。
「ごめんね?」
「「なんのごめん?」」
突然の謝罪に、子供達はきょとんとする。
「ん。アルゴス君とマルケス君がお風呂ではしゃいじゃったらやだな~って思ってたの。だから、疑ってごめんなさい」
言わなければばれないだろうが、真っ白で綺麗な子供達には言わずにはいられなかった。子供達に謝罪も出来ない人間に教育されたくないだろうと思った。
「「なぁ~んだ」」
拍子抜けしたような表情をして、私の腕に絡み付いてくる。
「今日は疲れちゃったし、良い子にしてればママが匂い付けてくれるかな~って思ってた!!」
ぺろりと舌を出すアルゴス君。
「あ!!これ、ダメな交換こ?」
慌てたように聞いてくるマルケス君。「怒ってないよ」と笑って、逆に私の事を心配してくれる素直な彼等の姿にたまらなくなって胸にかき抱いて、頬っぺたを擦り付ける。
「ダメじゃない!!それは大丈夫だよ」
「ママ!!俺達がお風呂で良い子してたら、お風呂から出たらママの匂い付けてってお願いは、ダメ?良い?」
「大丈夫なら、ずっとず~っとしてほしいな~!!」
水無月 楓という人間をここまで無邪気に素直に愛して受け入れてくれた者が今までいただろうか。否、両親以外には居なかったように思う。
アルゴス君とマルケス君をきゅっと抱きしめながら決意を固める。二人のママとして胸を張れるような生活を送り、どんな時でも彼等の絶対的な味方であろう、と。
「「ママ?」」
黙ったままの私に心配そうにアルゴス君とマルケス君が声をかけてくる。「あ、ダメなお願いだったのかな?」と、幼い瞳が訴えている。
「本当にごめんね。お風呂で良い子にしてくれたら、上がった後に三人で匂いを付け合いっこするのはオッケーだよ」
「「本当っ!?」」
音がしそうなほどに勢いよく振り仰いでくる子供達に頷いてみせると、スルッと腕の中から抜け出し、喜びのダンスを踊りだした。
「♪マッマと~♪おっ風呂で♪良っい子な♪おっれ達の~♪匂い♪いっぱ~い♪うっれし~い~な~♪」
「♪マ~マは♪僕ら♪の♪ママ♪なんだ~♪」
子供達は即興で作った歌を唄いながら、楽しそうにクルクルと回転している。
「ありがとう」
「「どういたしまして!!」」
ポーズをとって笑ってくれる子供達を再び抱きしめて、この子達の笑顔と心は私が守る!!と決意した私はお互いの匂いを存分に交換しあった。
拍子抜けすると同時に、面倒臭いなというだけで自分の暗部で子供達に接しそうになった事が、猛烈に恥ずかしくなった。自分が聖人君子などでは無い事は百も承知だ。
それどころか表と裏の顔を使い分け、人の顔色を読んで生きているどちらかと言えば濃灰色寄りの人間だ。
脱衣所に用意されていた着替えに袖を通して、ソファでくつろぐアルゴス君とマルケス君に頭を下げる。
「ごめんね?」
「「なんのごめん?」」
突然の謝罪に、子供達はきょとんとする。
「ん。アルゴス君とマルケス君がお風呂ではしゃいじゃったらやだな~って思ってたの。だから、疑ってごめんなさい」
言わなければばれないだろうが、真っ白で綺麗な子供達には言わずにはいられなかった。子供達に謝罪も出来ない人間に教育されたくないだろうと思った。
「「なぁ~んだ」」
拍子抜けしたような表情をして、私の腕に絡み付いてくる。
「今日は疲れちゃったし、良い子にしてればママが匂い付けてくれるかな~って思ってた!!」
ぺろりと舌を出すアルゴス君。
「あ!!これ、ダメな交換こ?」
慌てたように聞いてくるマルケス君。「怒ってないよ」と笑って、逆に私の事を心配してくれる素直な彼等の姿にたまらなくなって胸にかき抱いて、頬っぺたを擦り付ける。
「ダメじゃない!!それは大丈夫だよ」
「ママ!!俺達がお風呂で良い子してたら、お風呂から出たらママの匂い付けてってお願いは、ダメ?良い?」
「大丈夫なら、ずっとず~っとしてほしいな~!!」
水無月 楓という人間をここまで無邪気に素直に愛して受け入れてくれた者が今までいただろうか。否、両親以外には居なかったように思う。
アルゴス君とマルケス君をきゅっと抱きしめながら決意を固める。二人のママとして胸を張れるような生活を送り、どんな時でも彼等の絶対的な味方であろう、と。
「「ママ?」」
黙ったままの私に心配そうにアルゴス君とマルケス君が声をかけてくる。「あ、ダメなお願いだったのかな?」と、幼い瞳が訴えている。
「本当にごめんね。お風呂で良い子にしてくれたら、上がった後に三人で匂いを付け合いっこするのはオッケーだよ」
「「本当っ!?」」
音がしそうなほどに勢いよく振り仰いでくる子供達に頷いてみせると、スルッと腕の中から抜け出し、喜びのダンスを踊りだした。
「♪マッマと~♪おっ風呂で♪良っい子な♪おっれ達の~♪匂い♪いっぱ~い♪うっれし~い~な~♪」
「♪マ~マは♪僕ら♪の♪ママ♪なんだ~♪」
子供達は即興で作った歌を唄いながら、楽しそうにクルクルと回転している。
「ありがとう」
「「どういたしまして!!」」
ポーズをとって笑ってくれる子供達を再び抱きしめて、この子達の笑顔と心は私が守る!!と決意した私はお互いの匂いを存分に交換しあった。
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