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困惑と謝罪 5
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各々の前に朝食が並べられる頃にはなんとか落ち着いたフリストさんに不安そうな様子を見せていた子供たちも、彼自身から「爺はもう大丈夫」と言われるとほっとしたように微笑んでいた。
リオさんの怒りは治まらないようだったが、子供たちの手前、沈静化したように振る舞っていた。リオさんとフリストさんが問題ないと分かると子供たちの興味は目の前の食事に移る。
「サラダとパンは分かる。スープじゃない黄色と干からびてるのはなんだ?」
「くにょんってしてるね~。ヘンテコな形~。こっちはお肉?」
プレーンオムレツが「黄色いヘンテコな形」で、ベーコンの代わりとしてカリカリに焼いて付け合わせた薄切り肉が「干からびてる」と子供たちから称されて、溢れてしまいそうな笑いを必死に抑える。
今朝のメニューはパンと温野菜のサラダとプレーンオムレツ、付け合わせにカリカリ薄切り肉とコーンポタージュだ。デザートはオレンジ。
「卵と牛乳と塩を混ぜて焼いたプレーンオムレツにカリカリになるまで焼いた薄切り肉を添えたものと、コーンを潰して濾したとろみのあるスープでコーンポタージュと言います。冷める前に皆さま、どうぞお召し上がり下さい」
ディーバさんの言葉に子供たちが「どれから食べる?」と相談していたが、コーンポタージュから攻略する事に決めたらしい。
「コンポタ、甘い匂いするな」
「そうだね~。パンに飲ませてみよ?」
「それ良い」
マルケス君の提案に乗ったアルゴス君は嬉々として千切ったパンにポタージュを飲ませ、頬張った。
「ん~!!」
喜色満面に、パンパンとマルケス君の肩を叩いて早く試すように促している。後押しされたように試すマルケス君も目を丸くしてからにっこりと笑った。
「美味しいね~」
「だろ!?これ、スープなのに甘くてトロンでジュワ~で最高」
「ママもやってみて」と言うお誘いに乗ってポタージュを含ませたパンを口にいれれば、両隣から期待に満ちた視線を送られる。
「美味しい。マルケス君、アルゴス君、素敵な食べ方を教えてくれてありがとう」
「「えへへ~」」
二人を抱き締めながら言うと照れたように笑っていたが、アルゴス君が急に表情を変えた。
「あ!!俺じゃないぞ?教えてくれたのはマルケスだ。マルケス、ありがとう」
「考えたのは僕だけど、アルゴスが先に試してくれたんだから、ママのありがとうは僕たちのものだよ」
考えてないのにありがとうを貰うのはズルだと思ったらしいアルゴス君は必死に言うが、マルケス君は逆に宥めていた。
「マルケスッ」
感極まったように抱きついたアルゴス君にニコニコ笑っているマルケス君は本当に仲の良い兄弟だ。
「「美味しいよ。皆もやってみて」」
子供たちの提案に、二人の美味しい顔に誘われてすでにパンにポタージュをつけて食べていた者は勿論、おっかなびっくりしながら口に入れ、盛んに首を縦に振って美味しさを伝える者あり、すぐに、パンとポタージュをお代わりする者ありと、一気にその場は活気づいた。
その様子を子供たちは嬉しそうにいつまでもいつまでもニコニコと笑って見ていた。
リオさんの怒りは治まらないようだったが、子供たちの手前、沈静化したように振る舞っていた。リオさんとフリストさんが問題ないと分かると子供たちの興味は目の前の食事に移る。
「サラダとパンは分かる。スープじゃない黄色と干からびてるのはなんだ?」
「くにょんってしてるね~。ヘンテコな形~。こっちはお肉?」
プレーンオムレツが「黄色いヘンテコな形」で、ベーコンの代わりとしてカリカリに焼いて付け合わせた薄切り肉が「干からびてる」と子供たちから称されて、溢れてしまいそうな笑いを必死に抑える。
今朝のメニューはパンと温野菜のサラダとプレーンオムレツ、付け合わせにカリカリ薄切り肉とコーンポタージュだ。デザートはオレンジ。
「卵と牛乳と塩を混ぜて焼いたプレーンオムレツにカリカリになるまで焼いた薄切り肉を添えたものと、コーンを潰して濾したとろみのあるスープでコーンポタージュと言います。冷める前に皆さま、どうぞお召し上がり下さい」
ディーバさんの言葉に子供たちが「どれから食べる?」と相談していたが、コーンポタージュから攻略する事に決めたらしい。
「コンポタ、甘い匂いするな」
「そうだね~。パンに飲ませてみよ?」
「それ良い」
マルケス君の提案に乗ったアルゴス君は嬉々として千切ったパンにポタージュを飲ませ、頬張った。
「ん~!!」
喜色満面に、パンパンとマルケス君の肩を叩いて早く試すように促している。後押しされたように試すマルケス君も目を丸くしてからにっこりと笑った。
「美味しいね~」
「だろ!?これ、スープなのに甘くてトロンでジュワ~で最高」
「ママもやってみて」と言うお誘いに乗ってポタージュを含ませたパンを口にいれれば、両隣から期待に満ちた視線を送られる。
「美味しい。マルケス君、アルゴス君、素敵な食べ方を教えてくれてありがとう」
「「えへへ~」」
二人を抱き締めながら言うと照れたように笑っていたが、アルゴス君が急に表情を変えた。
「あ!!俺じゃないぞ?教えてくれたのはマルケスだ。マルケス、ありがとう」
「考えたのは僕だけど、アルゴスが先に試してくれたんだから、ママのありがとうは僕たちのものだよ」
考えてないのにありがとうを貰うのはズルだと思ったらしいアルゴス君は必死に言うが、マルケス君は逆に宥めていた。
「マルケスッ」
感極まったように抱きついたアルゴス君にニコニコ笑っているマルケス君は本当に仲の良い兄弟だ。
「「美味しいよ。皆もやってみて」」
子供たちの提案に、二人の美味しい顔に誘われてすでにパンにポタージュをつけて食べていた者は勿論、おっかなびっくりしながら口に入れ、盛んに首を縦に振って美味しさを伝える者あり、すぐに、パンとポタージュをお代わりする者ありと、一気にその場は活気づいた。
その様子を子供たちは嬉しそうにいつまでもいつまでもニコニコと笑って見ていた。
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