対ノ双龍天翔ケル時

恭介

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聖龍ト邪龍ノ伝承

昔ノ話

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深く静かな森の事。
「長老さま!あのはなしして!」
「今の子供達は、元気だのォ」
長老と呼ばれた人間は、嬉しそうに目を細め言う。
「後1回だけ、じゃ。良いな?」
「うん!!」

「その昔、そして世の末。そこには弐対の龍在り。
世を混沌で支配する事を悦びとする邪龍。
世に安息をもたらす事を使命とした聖龍。
太陽が蝕まれ、それが世界中に知り渡った時、第壱の争い起こる。
この戦い、邪龍が勝ち、この星は絶望す。
されど、聖龍もまた、力を蓄え、千年後に邪龍へ再び挑む。
これ、第弐の争いなり。
争いは伍百年続いたそうな。決死の戦いで、邪龍は封印され、聖龍は深き眠りに就いた。
この時聖龍、弐十參の力を遺す。これ再び集めるなら、聖龍は眠りから醒め、世に真の平和訪れるだろう」

「皆は、この弐十參の力を集めるのが使命の、聖龍の末裔なのじゃ。」
「やっぱり、すげぇ!!」ある少年が言う。
長老は山の上から、ある町を指差した。
「そして、最後の力が、あの町にあるのじゃよ」
「もっとすげぇ!!」
「儂も、こうなるとは思うておらんかったわい」
─此処に、聖龍の語り手一つ。
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