白雪ノ復讐道

殺された白雪姫

 -----白雪姫が、継母に殺された。
 それは、とても大きな出来事だった。白雪姫の持つ美しさに嫉妬した継母が、怒りを抑えきれずに殺してしまったのだ。そして、継母は私が世界一美しいと豪語し、狂ったように日々を過ごした。

しかしその継母も、白雪姫の仇として街の人々に襲撃をかけられ殺されてしまう。

 街では、白雪姫は、一体どの世界へ転生するのか。きっと継母と同じ世界ではないのか。そんな話が尽きず、街は別の意味の賑わいを見せた。

 そして、時は流れ白雪姫と継母は転生する。
 悲劇の世界『カーニバル』へ。


 ざくざくと、暗い森の中を進む。
 白雪姫は、確かにそこを歩んでいた。
 生きてる。新たな世界に来たんだ。
 白雪姫は、自分の服が破れることも気にせずにどんどん進んでゆく。
 
すると、森が開け、懐かしいような前の世界に似た街が現れた。
 白雪姫は少し安心すると共に、誓ったあのことを思い出す。
 -----必ず、継母に復讐する。もう二度と転生しないように。

 これは、現代に語り継がれない物語。
 白雪姫の復讐を辿った、物語。



  一方、その頃。別の街では、白ウサギに誘拐され孤独死し、この世界に転生した少女が一人、白雪姫が転生したという噂を耳にしていた。
「あの白雪姫が、まさかここに来るなんて…」
 信じられない、というような顔をする少女。勿論この少女も、白ウサギに復讐をする為にこの世界へ転生した。
 少女の名はアリス。不思議の国へと連れて行かれ、孤独死してしまった悲しき少女である。

 悲劇の世界『カーニバル』。
 それは密かに、復讐を抱く者が生きる世界。
 悲しき物語を辿る者達が集う世界。

 -----復讐の道が今開く。