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冬休み
第40話 雪にテンション上がってはしゃいでいると…
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「雪だよ!外行こう!」
食べ終わった途端に飛び出していったアリスは、降ってくる雪を両手で受け止めながら呟く。
「綺麗だね。」
「うん。まさか今日降るとはね。」
「今日?あっ、ホワイトクリスマスだ!只男もロマンチックだね。」
「別にそんな意味で言ったわけじゃないけど。」
「いいじゃん、ロマンチストで。うーん、今日は良い日だったなぁ。」
「うん。今までで1番楽しいクリスマスだった。」
「そうかねそうかね。私に感謝しなさい。」
大袈裟に胸を張りながらアリスが偉そうにしている。
「そうだね。ありがとう。アリスのおかげで楽しいことばっかりだ。」
今日だけでなく、今年一年ずっとアリスのおかげで楽しかった気がする。
「そうだ。これ、良い1日にしてくれたアリスに。」
さっきカトラリーを買う時に目について買っておいたプレゼントを渡す。
「えっ、ありがとう…いつの間に?只男がこんな素敵なことをできるなんて…だから雪が降ったのか…」
「いらないなら返してもらうけど。」
「うそよ。嬉しくて冗談言っただけ。もう貰ったんだから返してなんかあげないんだから。」
アリスは言い終わる前に包みを開けて中身を取り出してしまった。
「マフラーだ…しかもチェックの…」
「まぁ、さっき寒そうだったし。趣味じゃなかったなら捨ててもいいし。」
「捨てたりなんかしないよ!絶対捨てない。だけど…」
「だけど?」
「実は私もクリスマスプレゼント用意してたんだけど。」
アリスが持っていた紙袋の中からおずおずと包みを差し出してきた。なぜか気恥ずかしそうにしている。
「開けてみて。」
早速手渡された包みを開けてみると、中身は手袋だった。
「おぉ、めっちゃ嬉しい。なるほど、同じようなデザインだね。」
偶然にも手袋とマフラーが似たデザインのチェック柄だった。だから、アリスも渡しにくそうにしていたのか。手袋を大切に鞄に仕舞おうとするとアリスが止める。
「ちょっとちょっと!着けないの!?」
「いや…なんかマフラーとお揃いみたいだし…なんか周りから変に見られても…」
「それはそうだけど…まぁ、いいじゃん!着けちゃおうよ!」
アリスに手を取られ、半ば強引に手袋をはめられる。そして、アリスがプレゼントしたマフラーを首に巻いてみると、本当にお揃いみたいでまるで…カップルだ。アリスも同じことを考えているのか、少し赤くなりながら黙ってしまった。
「…寒いし、そろそろ帰ろうか!」
アリスは誤魔化すように、笑いながら走り出した。足元はうっすらと雪が積もっている。
――これは、アリスが足を滑らせて転んでしまうやつだ。
降ってくる雪を眺めながらくるくる回っているアリスの元に駆け寄って、いつでも受け止められるように準備する。が、アリスが足を滑らせて倒れたのは予想外の方向だった。慌てて腕を掴んで引き寄せ、2人とも倒れないように踏ん張る。すると、勢いで抱きかかえるような形になってしまう。顔が近い。
「…ありがとう。」
聞き取れるかどうかギリギリの声量で言ったかと思ったら、アリスはそこからマフラーにもぐり込んで黙ってしまった。なんとなく2人ともそのまま口を開くことなく、手袋の温かさを感じつつ静かに降る雪を眺めながら帰ったのだった。
食べ終わった途端に飛び出していったアリスは、降ってくる雪を両手で受け止めながら呟く。
「綺麗だね。」
「うん。まさか今日降るとはね。」
「今日?あっ、ホワイトクリスマスだ!只男もロマンチックだね。」
「別にそんな意味で言ったわけじゃないけど。」
「いいじゃん、ロマンチストで。うーん、今日は良い日だったなぁ。」
「うん。今までで1番楽しいクリスマスだった。」
「そうかねそうかね。私に感謝しなさい。」
大袈裟に胸を張りながらアリスが偉そうにしている。
「そうだね。ありがとう。アリスのおかげで楽しいことばっかりだ。」
今日だけでなく、今年一年ずっとアリスのおかげで楽しかった気がする。
「そうだ。これ、良い1日にしてくれたアリスに。」
さっきカトラリーを買う時に目について買っておいたプレゼントを渡す。
「えっ、ありがとう…いつの間に?只男がこんな素敵なことをできるなんて…だから雪が降ったのか…」
「いらないなら返してもらうけど。」
「うそよ。嬉しくて冗談言っただけ。もう貰ったんだから返してなんかあげないんだから。」
アリスは言い終わる前に包みを開けて中身を取り出してしまった。
「マフラーだ…しかもチェックの…」
「まぁ、さっき寒そうだったし。趣味じゃなかったなら捨ててもいいし。」
「捨てたりなんかしないよ!絶対捨てない。だけど…」
「だけど?」
「実は私もクリスマスプレゼント用意してたんだけど。」
アリスが持っていた紙袋の中からおずおずと包みを差し出してきた。なぜか気恥ずかしそうにしている。
「開けてみて。」
早速手渡された包みを開けてみると、中身は手袋だった。
「おぉ、めっちゃ嬉しい。なるほど、同じようなデザインだね。」
偶然にも手袋とマフラーが似たデザインのチェック柄だった。だから、アリスも渡しにくそうにしていたのか。手袋を大切に鞄に仕舞おうとするとアリスが止める。
「ちょっとちょっと!着けないの!?」
「いや…なんかマフラーとお揃いみたいだし…なんか周りから変に見られても…」
「それはそうだけど…まぁ、いいじゃん!着けちゃおうよ!」
アリスに手を取られ、半ば強引に手袋をはめられる。そして、アリスがプレゼントしたマフラーを首に巻いてみると、本当にお揃いみたいでまるで…カップルだ。アリスも同じことを考えているのか、少し赤くなりながら黙ってしまった。
「…寒いし、そろそろ帰ろうか!」
アリスは誤魔化すように、笑いながら走り出した。足元はうっすらと雪が積もっている。
――これは、アリスが足を滑らせて転んでしまうやつだ。
降ってくる雪を眺めながらくるくる回っているアリスの元に駆け寄って、いつでも受け止められるように準備する。が、アリスが足を滑らせて倒れたのは予想外の方向だった。慌てて腕を掴んで引き寄せ、2人とも倒れないように踏ん張る。すると、勢いで抱きかかえるような形になってしまう。顔が近い。
「…ありがとう。」
聞き取れるかどうかギリギリの声量で言ったかと思ったら、アリスはそこからマフラーにもぐり込んで黙ってしまった。なんとなく2人ともそのまま口を開くことなく、手袋の温かさを感じつつ静かに降る雪を眺めながら帰ったのだった。
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