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13 一緒に行こう
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翌朝、アレンたちはケイを連れてドゥーベの街に戻ってきていた。宿屋の部屋で4人が椅子やベッドに腰かけ話している。
「事情はわかったけど、これからどうするつもりだ」
ブラッドがクレイグに言った。クレイグは皆に向かって言う。
「それを一緒に考えてほしいんだよ。ほっとけねえだろ?」
ブラッドは腕を組み、ため息をつく。沈黙を破ったのはティムだった。
「逃げたらもう追ってこないのかな」
「そうだね。もし追ってくるならこの街に置いていくわけにはいかない。隣街だとすぐに捕まってしまうかもしれないし……」
アレンが言った。クレイグが腕を組み考え込んでいる。その様子を見たティムが話しだす。
「クレイグがお嫁さんにしたら?」
「はあ⁉ バカ言ってんじゃねえよ!」
クレイグが呆れたように言った。
「他の街のお嫁さんになったら関係なくなるかと思ったのに……」
ティムが残念そうに言う。それを聞いたブラッドが口をはさむ。
「それは認めないとか言われて終わりじゃないか?」
「そっか。やっぱり逃げ続けるしかないんだ。ケイさん、一緒に来てくれるかな」
アレンがつぶやいたのを聞いて、クレイグが驚いて言う。
「おい、あいつ連れて行く気か?」
そのとき、突然部屋のドアが開き、ケイが入ってくる。
「いいよ。一緒に行ってやるよ」
4人はケイを見る。ティムが驚いてケイに聞く。
「いつから聞いてたの?」
「今」
クレイグがほっとした表情を浮かべ、ケイに言う。
「危険だぞ。わかってんのか?」
「あと2つ探すんだろ。探し物は人手があった方がいいと思うけど」
「簡単に言いやがって……」
クレイグがつぶやく。ブラッドがクレイグに言う。
「逃亡者の身だし一人でいるよりはいいかもな。だいたいおまえが連れて来たんだろ。最後まで面倒みろよ」
それを聞いたケイがすかさず言う。
「面倒見てもらう気はないよ。あんたらについてったら知らないとこに行けそうだからさ。私、森と村以外のとこ行ったことないんだよね」
「そうなんだ。僕らもこの辺りは初めてなんだ」
ティムが言った。
「適当に住みたいとこ見つけたら抜けるから気にしないで」
アレンがケイに手を差し出す。
「それじゃあ、これからよろしく」
ケイがアレンの手を取り、互いに微笑み合って握手する。それを見たティムがクレイグに小声で話しかける。
「ケイさんが住みたい街を見つけるまでに惚れさせないとね」
クレイグが小声で言い返す。
「そんなんじゃねえって言ってんだろ。おまえが好きって言ってたじゃねえか。おまえが告れよ」
ティムはアレンたちの方を見ながら言う。
「アレンみたいに素直になった方がいいよ。ほら、アレンはもう仲良さそう」
アレンが思い出したようにケイに話しかける。
「あ、そうだ。ケイさん――」
「ケイでいい。私もアレンって呼ぶからさ」
「わかった。じゃあ……ケイ」
「何?」
「次に目指す方向を地図で説明するね」
アレンはそう言って、テーブルに地図を広げる。ケイは地図を見ながらアレンの話を聞いている。その様子をクレイグはベッドに腰かけ静かに見つめていた。
その日の昼頃、5人は噴水がある公園に来ていた。アレンはワンダとの約束のため、一人で噴水前に行こうとするがケイがついて行くと言い二人で待つことになる。ティムたち3人は噴水から少し離れたところでその様子を見ている。ケイがアレンに話しかける。
「ここで待ち合わせ?」
「うん。日時は決めてないから、会えるとは限らないんだけどね」
「ふーん。急ぐ旅でも律儀なんだね」
「あの石を見つけられたのもワンダのおかげだからね。約束もだけどお礼も言いたいんだ」
「そっか」
離れたところで二人を見ていたクレイグがつぶやく。
「何でアレンなんだよ」
ブラッドがクレイグを横目で見て言う。
「妬いてるのか? 俺が助けたのにって」
「そ、そんなんじゃねえよ。何であんなについて歩いてんだって思っただけだよ」
クレイグが慌てて言った。
「まあ、たしかにそれは思うよね」
ティムも不思議そうに二人を見つめる。そこへワンダがうつむきながら歩いてきた。アレンはワンダに向かって手を上げて呼びかける。
「ワンダ!」
その声にワンダは顔を上げ、アレンの姿を見つけ笑顔になる。
「アレン!」
ワンダは笑顔でアレンの元へ駆けていく。そして勢いよくアレンに抱きついた。アレンは笑顔で受け止める。
「ちゃんと戻ってきたよ」
ワンダはアレンを見上げる。
「やるじゃん!」
「ワンダのおかげで見つけることができたよ。ありがとう」
「そっか、よかった。これで友達助けられるね」
アレンはポケットから人魚姫の涙を取り出し、ワンダの手にのせる。
「これ、ワンダに受け取ってほしい」
「これ……もらっていいの?」
ワンダはアレンを見つめて聞く。
「うん。俺のはちゃんとあるから、それはワンダに。きっとワンダのお父さんたちもこうしたかったと思うから」
ワンダは石を両手で抱きしめて涙を流す。
「ありがとう……大切にする」
アレンはワンダを見て微笑む。
「それじゃあ、もう行くね。会えてよかったよ」
ワンダは涙をぬぐい笑顔でアレンを見る。
「うん、元気で。またいつでも来てよ」
アレンとワンダは手を振り離れていく。
「事情はわかったけど、これからどうするつもりだ」
ブラッドがクレイグに言った。クレイグは皆に向かって言う。
「それを一緒に考えてほしいんだよ。ほっとけねえだろ?」
ブラッドは腕を組み、ため息をつく。沈黙を破ったのはティムだった。
「逃げたらもう追ってこないのかな」
「そうだね。もし追ってくるならこの街に置いていくわけにはいかない。隣街だとすぐに捕まってしまうかもしれないし……」
アレンが言った。クレイグが腕を組み考え込んでいる。その様子を見たティムが話しだす。
「クレイグがお嫁さんにしたら?」
「はあ⁉ バカ言ってんじゃねえよ!」
クレイグが呆れたように言った。
「他の街のお嫁さんになったら関係なくなるかと思ったのに……」
ティムが残念そうに言う。それを聞いたブラッドが口をはさむ。
「それは認めないとか言われて終わりじゃないか?」
「そっか。やっぱり逃げ続けるしかないんだ。ケイさん、一緒に来てくれるかな」
アレンがつぶやいたのを聞いて、クレイグが驚いて言う。
「おい、あいつ連れて行く気か?」
そのとき、突然部屋のドアが開き、ケイが入ってくる。
「いいよ。一緒に行ってやるよ」
4人はケイを見る。ティムが驚いてケイに聞く。
「いつから聞いてたの?」
「今」
クレイグがほっとした表情を浮かべ、ケイに言う。
「危険だぞ。わかってんのか?」
「あと2つ探すんだろ。探し物は人手があった方がいいと思うけど」
「簡単に言いやがって……」
クレイグがつぶやく。ブラッドがクレイグに言う。
「逃亡者の身だし一人でいるよりはいいかもな。だいたいおまえが連れて来たんだろ。最後まで面倒みろよ」
それを聞いたケイがすかさず言う。
「面倒見てもらう気はないよ。あんたらについてったら知らないとこに行けそうだからさ。私、森と村以外のとこ行ったことないんだよね」
「そうなんだ。僕らもこの辺りは初めてなんだ」
ティムが言った。
「適当に住みたいとこ見つけたら抜けるから気にしないで」
アレンがケイに手を差し出す。
「それじゃあ、これからよろしく」
ケイがアレンの手を取り、互いに微笑み合って握手する。それを見たティムがクレイグに小声で話しかける。
「ケイさんが住みたい街を見つけるまでに惚れさせないとね」
クレイグが小声で言い返す。
「そんなんじゃねえって言ってんだろ。おまえが好きって言ってたじゃねえか。おまえが告れよ」
ティムはアレンたちの方を見ながら言う。
「アレンみたいに素直になった方がいいよ。ほら、アレンはもう仲良さそう」
アレンが思い出したようにケイに話しかける。
「あ、そうだ。ケイさん――」
「ケイでいい。私もアレンって呼ぶからさ」
「わかった。じゃあ……ケイ」
「何?」
「次に目指す方向を地図で説明するね」
アレンはそう言って、テーブルに地図を広げる。ケイは地図を見ながらアレンの話を聞いている。その様子をクレイグはベッドに腰かけ静かに見つめていた。
その日の昼頃、5人は噴水がある公園に来ていた。アレンはワンダとの約束のため、一人で噴水前に行こうとするがケイがついて行くと言い二人で待つことになる。ティムたち3人は噴水から少し離れたところでその様子を見ている。ケイがアレンに話しかける。
「ここで待ち合わせ?」
「うん。日時は決めてないから、会えるとは限らないんだけどね」
「ふーん。急ぐ旅でも律儀なんだね」
「あの石を見つけられたのもワンダのおかげだからね。約束もだけどお礼も言いたいんだ」
「そっか」
離れたところで二人を見ていたクレイグがつぶやく。
「何でアレンなんだよ」
ブラッドがクレイグを横目で見て言う。
「妬いてるのか? 俺が助けたのにって」
「そ、そんなんじゃねえよ。何であんなについて歩いてんだって思っただけだよ」
クレイグが慌てて言った。
「まあ、たしかにそれは思うよね」
ティムも不思議そうに二人を見つめる。そこへワンダがうつむきながら歩いてきた。アレンはワンダに向かって手を上げて呼びかける。
「ワンダ!」
その声にワンダは顔を上げ、アレンの姿を見つけ笑顔になる。
「アレン!」
ワンダは笑顔でアレンの元へ駆けていく。そして勢いよくアレンに抱きついた。アレンは笑顔で受け止める。
「ちゃんと戻ってきたよ」
ワンダはアレンを見上げる。
「やるじゃん!」
「ワンダのおかげで見つけることができたよ。ありがとう」
「そっか、よかった。これで友達助けられるね」
アレンはポケットから人魚姫の涙を取り出し、ワンダの手にのせる。
「これ、ワンダに受け取ってほしい」
「これ……もらっていいの?」
ワンダはアレンを見つめて聞く。
「うん。俺のはちゃんとあるから、それはワンダに。きっとワンダのお父さんたちもこうしたかったと思うから」
ワンダは石を両手で抱きしめて涙を流す。
「ありがとう……大切にする」
アレンはワンダを見て微笑む。
「それじゃあ、もう行くね。会えてよかったよ」
ワンダは涙をぬぐい笑顔でアレンを見る。
「うん、元気で。またいつでも来てよ」
アレンとワンダは手を振り離れていく。
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