いろはにほへと ちりになれ!

藤丸セブン

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七十一限目 関西人の血が騒ぐ。 関西人やあらへんけど

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 エセ関西弁とは、イントネーションや語尾の使い方が不自然な、ネイティブではない関西弁風の話し方である。
「みんなぁー!待たせたなぁ!ウチやで!!!」
「誰です!?!?」
 
 <七十一限目 関西人の血が騒ぐ 関西人やあらへんけど>
 
「転校生を紹介します」
 単刀直入。いろは達のクラスの担任はホームルームを始めるなり速攻で転校生の紹介に移った。時期?知らん。だってこの世界線は最終回まで卒業しないし、最終回まで四季をループするので。いつ転校生が来たっておかしく無いよ。
「どうもどうもどうもどうもーーーー!!」
 そんな事を言っていたら転校生が入ってきましたよ。温かい目でお迎え下さい。
「はいーご紹介に預かりましたー!ウチの名前はみなさんご存知だと思いますけどねー?」
「いや知る訳ないやろ!?今転校生言うて入ってきたとこやで!?」
 元気よく転校生が入ってきたと思ったらぺこぺこと頭を下げながら口を開き、かと思えば隣に飛ぶと先程まで自分がいた場所にツッコミを入れる。
「はい!ちゅーわけでウチの名前!分かるよーって人挙手お願いしまーす!!」
「だから分かる訳ないやろ!?ほな答え合わせと行こか!」
「ちょお待てぇ!まだウチが名乗っとらへんやろ!?」
「どういうこっちゃねん!?名乗りたいんか名乗りたく無いんかはっきりしてや!?」
「ほなここで名乗らせて貰いますわ!耳の穴かっぽじってよーーーく聞きや!?」
「ほほーう。ほな聞かせて貰いましょか!?」
「はいな!ウチの名前は!そう!そのまさかや!びっくりしたらあかんで!?期待して待っとってな!?でも期待しすぎたらあかんで!?そこそこ!程々に期待して待っててや!?」
「はいはい分かった!分かったから早く良いや!先生の冷ややかな目が冷たいやん!」
「おけおけや!ほないくで!!?ウチの名前は!!?」
「あんたの名前は?」
「そう!!!!ウチや!!!!!」
「いーーーーーーや言わへんのかーーーーーい!!!」
「「どうもありがとうございましたー!!!」」
 沈黙。転校生の長い自己紹介が終わった後クラスを包んだのは静寂そのもの。あまりにも長すぎる、静かすぎる静寂だった。静寂は、暴力だ。はっきりわかんだね。
「プッ」
 そんな静寂に、大きすぎる声が現れた。
「だっはははははははははははは!!!!!!」
 誰が笑ったか。まあ言うまでも無いだろうが一応教えよう。我らが主人公である。
「ぎゃははははははははははは!!!ひっ、腹痛っっ!がははははははははははは!!!ぶははははははははは!!!めっちゃスベってる!!!だぎゃがぶはははははははははは!!!!」
 爆笑。たった一人の爆笑がクラスを包んだ。
  ◇
「さっきはありがとな!!!めっちゃ笑ってくれてホンマに嬉しかったわ!!!」
「おん?おお、さっき盛大にスベってた奴じゃねえか」
 ホームルームが終わり、転校生の少女がいろはに話しかけてくる。こういうのは大体転校生が在校生に質問攻めにされたりするものなのだが、今回はそうじゃなかった。まあ自己紹介であんな事をしでかした奴に自分から話しかけにいける勇者は少ないだろう。
「ちゃうねん。最初は絶対笑い必須の爆笑ネタ思いついとったねん。でも新キャラ出したばっかりのタイミングでウチの構想が降りてきてな!?ちょっと間置いてから新キャラ出そう思ってようやくそのタイミングが来たら、ネタ忘れてまっとったねん!!これがホンマの笑い話!ってやかましいわ!」
「おお、元気な奴だな」
 いろはにだけはされたく無い評価とは裏腹に転校生は妙に楽しそうだ。後登場回でメタ発言はやめて?真実なんだけどさ?
「名乗るのが遅れたな!ウチは与田楊花(よだようか)!これからよろしゅうな!!」
「おう。工⚪︎新一。探偵さ」
「なんや工藤だったんかいなジブン!俺は服⚪︎平次!西の服部東の工藤って聞いた事あらへんか!?」
「・・・そろそろツッコんで良いですか?」
 転校生、与田楊花と楽しそうに(?)話していたいろはに六花が声をかける。関わらない様にしようかと一瞬思ったが、そうしたとしても次の回くらいにはサラッといそうなのでこちらから声をかけることにしたのだ。だって一話目からメタ発言をしてくる女だ。面構えが違う。
「む、私も滑る。ソリ滑り」
「急に何ですか!?どこからソリ滑りが!?」
「まーたキャラの濃い人と関わり合いを持っちゃってー。私の影が薄くなるからやめてよ」
「にーさん!?急にトーンを落として真顔でいーさんの襟を掴むのやめて下さい!!ホラーですって!!」
 六花が話しかけると急にいつものメンバーが集まってきた。同じクラスでは無い舳螺や違う学年の和佳羽。教師の智奈とぬらはいないが、同じクラスの補習部が集まったのだ。
「みなさんよろしゅう!ウチは与田楊花や!!」
「む、橋本波留。そんでこっちがろーでこっちがにー」
「挨拶適当過ぎませんか!?」
 名前すら言わない紹介に六花がツッコミ楊花が笑う。
「なんや工藤の友達はおもろい人ばっかりやな!」
「工藤?」
「せや!な!工藤!」
「おうよ。その通りだぜ服部」
 楊花といろはのやりとりを見ていつもの悪ふざけであると解釈。そのまま話を続ける。
「しかしこんな時期に転校とは大変でしたね。大阪からここまで大変だったでしょう?」
「ん?ウチは大阪から来てへんで?」
 その言葉で六花が固まる。これ程コテコテの大阪弁を話しておいて大阪から来ていないとは。
「ああ。出身が大阪で今回は他の所から来たと?」
「いんや?大阪出身やないで?」
 笑顔で冷や汗を流す。いや、冷や汗を流す必要はない。楊花が変人である事は最初から分かっていた。ならば今確認すべきなのはどこまで変人なのかという事。
「両親が大阪出身?」
「いや?どっちもちゃう」
「祖父母が?」
「ちゃうなぁ」
「親戚!?」
「ちゃうちゃう」
「一年だけ住んでたとか?」
「三回しか行った事ないなぁ」
 確信した。いろはレベルの変人だ。間違いない。
「なんか失礼な事確信しやがったな」
「あはは!おもろいなぁ六花ちゃん!ちなみに工藤はウチが何で関西弁話しとるか分かるか?」
 涙を流しながら笑う楊花はいろはに話を振った。そんなもの幾ら変人のいろはでも分かるわけが。
「分かるぞ」
「分かるんですか!?」
 分かるらしい。では自称名探偵、実際は迷探偵の推理とやらを見せてもらおうか。
「大阪弁が好きなんだろ?」
 迷探偵はばっさりと答えを口にした。果たして、その答えは。
「花丸や!!!大阪が好きやなくて大阪弁が好きって答えた所が百点やな!!ウチ大阪自体はそこまで大好きって程じゃないねん!いや、好きなんやけどな?大好き超好き愛してる訳やないっちゅーか。まあそんな愛してる大阪弁もわざわざ勉強した訳やないからエセ関西弁やけどな?大阪人には内緒やで?ごっつ怒られるさかい」
「む、流石いー」
 波留が後方腕組みをして誇らしそうに鼻を鳴らすが、何故こんなものが分かるのか。
「推理だよ」
「直感でしょ?」
「直感だよ」
 頭を指でトントンと突いて腹が立つドヤ顔を披露したが日華に嘘を見破られたので素直に白状する。いろはに推理などヤ⚪︎チャが天下一武⚪︎会で優勝するくらいあり得ない。
「決めた!!お前!俺の仲間になれ!!!」
「ええで!!!」
 有名探偵の後は海賊の王を目指す少年の真似で楊花を誘ういろはに楊花は考える様子すらなく即答。こうして、補習部にエセ関西人、与田楊花が入部した!!!
「また濃い人来た。私の出番が。私の影が・・・」
「む。にーも濃いキャラに味変したらいい」
「今から変わったら誰か分かんなくなるでしょ!!?」
 頑張れ日華。作者は応援するよ。
「本気で私の出番作るの忘れる人が一番の問題なんだけど!!?」
 ・・・思い出して入れたからいいじゃん。
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