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86話 休戦協定会議 その3
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「ここが我らが主、魔神様の館になります」
「……ここは……」
智司の住んでいる館だ。何十年と人が出入りしていないであろう状況になっており、それをハズキが綺麗に手入れして、今の荘厳さが保たれている。
ラーデュイたちに招かれ訪れたアナスタシア達5名は、それぞれ驚きの表情を見せていた。
「こんな場所に、ここまで豪華な屋敷があったなんて……意外さね。それとも、魔神が生み出した洋館かね?」
「いや、それはないぞよ」
「ライラック老師? どういうことだい?」
アナスタシアの館を見ての感想を、老師はすぐに否定してみせた。彼女も腑に落ちていない様子だ。
「ここは……50年ほど前になるか、とある科学者の館じゃったはずだからな」
「老師……ここに来たことがあるんですか?」
サラも驚きの色を隠せない。まさか、魔神の住居に訪れ、生還している者が居ようとは……。
「いや、ワシがこの館に来たのは50年も前の話じゃ。ワシとしてもまだ残っていたことには驚きじゃが……どういう経緯かは知らぬが、今回の魔神とは直接は関係なさそうじゃの」
ライラック老師が言っている話は、智司達が来るはるか以前の話になる。最初に訪れた時にあった白骨化した遺体。老師が殺したわけではないが、あの遺体と彼は知り合いだということだ。
老師も話がややこしくなることを危惧し、それ以上なにも言わなかった。
ラーデュイやケルベロス達は、館の入り口の前で止まった。中へ彼らを案内する気はないようだ。となれば、館の目の前が交渉会議の場になるということか。
「本拠点を見せなければ、あなた方は納得されないと思いここまでは案内いたしました。しかし、館内への侵入は許されません」
「大丈夫さね。本拠点の明確な位置がわかっただけでも十分だよ」
アナスタシア達も、敵の要塞内部への侵入は考えていない。どういう罠があるかわからないからだ。お互いの利害が一致したころ……館の入り口から、怒り顔の面を付け、マントで身体を覆った人物が現れた。禍々しい闘気を放ちながら、5人を見据えている。
「あれが……魔神か?」
容姿や体型などはマントに隠されわからないが……普通に考えて、人間くらいのサイズだとは理解できた。アナスタシアやメドゥシアナ達の表情は強張っている。
「遠路はるばるご苦労様でした……私が、レドンド達を統括する主。魔神と呼んでいただければ結構ですよ」
「……!」
魔神は重低音を響かせた言葉ながらも、流暢に人語を操っている。シルバードラゴンを使役していることもあっさりと認めたのだ。周囲にはシルバードラゴンなどの姿は見られず、仮面の魔神に跪いているラーデュイたちが居るだけだ。森の奥の方に見える小屋は気になったが、今は関係ないだろう。
「……休戦協定という話は本当なのかい? アルビオン王国と結び、お互いに不可侵条約を結ぶと?」
「そういうことだ。そちらが、ヨルムンガントの森に決して攻撃を仕掛けて来ないことが条件ではあるがな」
「……へえ」
驚く程にあっさりと締結してしまえる流れになっていた。交渉役を務めているアナスタシアとしても、信じられないくらいだ。隣に立つサラも同じ考えに至っていた。
アナスタシア達にとっては脅威の対象でしかないが、休戦協定が問題なく結ばれれば、当面の状況としては悪くないのか? アナスタシアは色々な試案を巡らせている。そのうえで、グウェインに合図を送った。
「グウェイン……数値は、数値はどの程度なんだい?」
「72000だと……? バカな……!」
アナスタシアの質問に答えたグウェインは、これまでの中で一番狼狽えていた。22000を誇るアナスタシアにも驚いてはいたが、それとは比較にならないほど高い戦力数値だ。評議会序列3位のアナスタシアをはるかに超える強さの持ち主……それが人間状態の智司の実力であった。
「これは不味いの……マリアナ公国のエース、メドゥシアナでも勝てぬ存在か、魔神というのは……」
戦力40000を誇るメドゥシアナですら、智司の強さには驚愕している。そんな中で、唯一冷静なのはライラック老師だった。流石に250年生きているだけのことはある。
「老師……」
「とりあえずは落ち着くのじゃ。お主らは皆、国の盛衰を左右する精鋭たちであろう? 相手が未知の化け物だからといって取り乱しては、国家を守り抜くことなど出来ぬぞ」
「……はい」
ライラック老師の言葉に他の者達は一斉に頷いた。取り乱した者達を瞬間的に我に返らせる老師の能力は一流と言えるのかもしれない。
「魔神の戦力指数がわかっただけでも、大きな躍進だ……」
グウェインは汗だくになりながらも、自らのコンバットサーチが役立っていることに喜びを感じていた。これで、今後の作戦も立てやすくなるというものだ。休戦協定など可能だとは、グウェインは思っていなかった。
-------------------------
「……72000。俺の数値のことかな」
「うん、確かにそう言ってた」
「だよね……」
智司はアナスタシア達には聞こえない声で、影に潜んでいるレジナと話しをしていた。グウェインと名乗る眼鏡の男は、強さを数値化できる能力を持っている。人間状態での闘気から算出される、智司の指数は72000。彼らの漏洩ぶりを見るに、かなり高い数値だということが予測できた。
「レジナ、数値とか気にならないか?」
「別に……」
ちょっとだけワクワクしている智司とは違い、レジナは興味がなさそうだ。勿論、智司が頼めばすぐに同意はするのだが。レジナはレドンドの仲間だと言われているので、見られても問題はない。
ラーデュイとサラが鉢合わせたのは想定外だが、どうも彼女は以前からラーデュイは魔神の配下だと考えているようだ。智司としては正体がバレずに済んで良かったといったところか。
人間状態の智司よりも確実に強い存在のレジナ。その数値はどのくらいのものか、智司は興味が出ていた。そして、敵側にこちらの戦力を知ら占める良い材料にもなりそうだ。レジナの数値を知られたところで、隠し玉はまだ存在しているのだから。
智司がそんな呑気なことを考えている傍らで、アナスタシア達は、なんとかこの場を切り抜ける作戦を練っていた。このまま話が進めば、休戦条約の締結自体は滞りなく終了する。お互い大きな殺意を出していない為に、それが一番正しい解決策と言えるだろう。
だが、人間は深読みするものであり、人外の存在を認めないものなのだ。智司たちに聞かれないよう、彼らの声はさらに小さくなった。
「グウェイン……老師の強さはどのくらいさね? あの仮面の魔神とやり合えるのかい?」
アナスタシアからの質問だ。グウェインは自信満々に眼鏡を上げて答えた。
「それは問題ない。老師の実力は75000相当だ。この中で唯一、魔神を倒せるかもしれない存在だろうね」
グウェインの出した75000という数値は、マリアナ公国内でも最大の数値である。彼もこれ以上の数値はカウントしたことがない。目の前の仮面の魔神の強さは72000……老師と上空を飛んでいる5体のワイバーンを含めれば普通に倒せるであろう相手であった。
評議会側に見いだされた希望の光と言えるだろうか……会議はその後も続いていくことになった。
「……ここは……」
智司の住んでいる館だ。何十年と人が出入りしていないであろう状況になっており、それをハズキが綺麗に手入れして、今の荘厳さが保たれている。
ラーデュイたちに招かれ訪れたアナスタシア達5名は、それぞれ驚きの表情を見せていた。
「こんな場所に、ここまで豪華な屋敷があったなんて……意外さね。それとも、魔神が生み出した洋館かね?」
「いや、それはないぞよ」
「ライラック老師? どういうことだい?」
アナスタシアの館を見ての感想を、老師はすぐに否定してみせた。彼女も腑に落ちていない様子だ。
「ここは……50年ほど前になるか、とある科学者の館じゃったはずだからな」
「老師……ここに来たことがあるんですか?」
サラも驚きの色を隠せない。まさか、魔神の住居に訪れ、生還している者が居ようとは……。
「いや、ワシがこの館に来たのは50年も前の話じゃ。ワシとしてもまだ残っていたことには驚きじゃが……どういう経緯かは知らぬが、今回の魔神とは直接は関係なさそうじゃの」
ライラック老師が言っている話は、智司達が来るはるか以前の話になる。最初に訪れた時にあった白骨化した遺体。老師が殺したわけではないが、あの遺体と彼は知り合いだということだ。
老師も話がややこしくなることを危惧し、それ以上なにも言わなかった。
ラーデュイやケルベロス達は、館の入り口の前で止まった。中へ彼らを案内する気はないようだ。となれば、館の目の前が交渉会議の場になるということか。
「本拠点を見せなければ、あなた方は納得されないと思いここまでは案内いたしました。しかし、館内への侵入は許されません」
「大丈夫さね。本拠点の明確な位置がわかっただけでも十分だよ」
アナスタシア達も、敵の要塞内部への侵入は考えていない。どういう罠があるかわからないからだ。お互いの利害が一致したころ……館の入り口から、怒り顔の面を付け、マントで身体を覆った人物が現れた。禍々しい闘気を放ちながら、5人を見据えている。
「あれが……魔神か?」
容姿や体型などはマントに隠されわからないが……普通に考えて、人間くらいのサイズだとは理解できた。アナスタシアやメドゥシアナ達の表情は強張っている。
「遠路はるばるご苦労様でした……私が、レドンド達を統括する主。魔神と呼んでいただければ結構ですよ」
「……!」
魔神は重低音を響かせた言葉ながらも、流暢に人語を操っている。シルバードラゴンを使役していることもあっさりと認めたのだ。周囲にはシルバードラゴンなどの姿は見られず、仮面の魔神に跪いているラーデュイたちが居るだけだ。森の奥の方に見える小屋は気になったが、今は関係ないだろう。
「……休戦協定という話は本当なのかい? アルビオン王国と結び、お互いに不可侵条約を結ぶと?」
「そういうことだ。そちらが、ヨルムンガントの森に決して攻撃を仕掛けて来ないことが条件ではあるがな」
「……へえ」
驚く程にあっさりと締結してしまえる流れになっていた。交渉役を務めているアナスタシアとしても、信じられないくらいだ。隣に立つサラも同じ考えに至っていた。
アナスタシア達にとっては脅威の対象でしかないが、休戦協定が問題なく結ばれれば、当面の状況としては悪くないのか? アナスタシアは色々な試案を巡らせている。そのうえで、グウェインに合図を送った。
「グウェイン……数値は、数値はどの程度なんだい?」
「72000だと……? バカな……!」
アナスタシアの質問に答えたグウェインは、これまでの中で一番狼狽えていた。22000を誇るアナスタシアにも驚いてはいたが、それとは比較にならないほど高い戦力数値だ。評議会序列3位のアナスタシアをはるかに超える強さの持ち主……それが人間状態の智司の実力であった。
「これは不味いの……マリアナ公国のエース、メドゥシアナでも勝てぬ存在か、魔神というのは……」
戦力40000を誇るメドゥシアナですら、智司の強さには驚愕している。そんな中で、唯一冷静なのはライラック老師だった。流石に250年生きているだけのことはある。
「老師……」
「とりあえずは落ち着くのじゃ。お主らは皆、国の盛衰を左右する精鋭たちであろう? 相手が未知の化け物だからといって取り乱しては、国家を守り抜くことなど出来ぬぞ」
「……はい」
ライラック老師の言葉に他の者達は一斉に頷いた。取り乱した者達を瞬間的に我に返らせる老師の能力は一流と言えるのかもしれない。
「魔神の戦力指数がわかっただけでも、大きな躍進だ……」
グウェインは汗だくになりながらも、自らのコンバットサーチが役立っていることに喜びを感じていた。これで、今後の作戦も立てやすくなるというものだ。休戦協定など可能だとは、グウェインは思っていなかった。
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「……72000。俺の数値のことかな」
「うん、確かにそう言ってた」
「だよね……」
智司はアナスタシア達には聞こえない声で、影に潜んでいるレジナと話しをしていた。グウェインと名乗る眼鏡の男は、強さを数値化できる能力を持っている。人間状態での闘気から算出される、智司の指数は72000。彼らの漏洩ぶりを見るに、かなり高い数値だということが予測できた。
「レジナ、数値とか気にならないか?」
「別に……」
ちょっとだけワクワクしている智司とは違い、レジナは興味がなさそうだ。勿論、智司が頼めばすぐに同意はするのだが。レジナはレドンドの仲間だと言われているので、見られても問題はない。
ラーデュイとサラが鉢合わせたのは想定外だが、どうも彼女は以前からラーデュイは魔神の配下だと考えているようだ。智司としては正体がバレずに済んで良かったといったところか。
人間状態の智司よりも確実に強い存在のレジナ。その数値はどのくらいのものか、智司は興味が出ていた。そして、敵側にこちらの戦力を知ら占める良い材料にもなりそうだ。レジナの数値を知られたところで、隠し玉はまだ存在しているのだから。
智司がそんな呑気なことを考えている傍らで、アナスタシア達は、なんとかこの場を切り抜ける作戦を練っていた。このまま話が進めば、休戦条約の締結自体は滞りなく終了する。お互い大きな殺意を出していない為に、それが一番正しい解決策と言えるだろう。
だが、人間は深読みするものであり、人外の存在を認めないものなのだ。智司たちに聞かれないよう、彼らの声はさらに小さくなった。
「グウェイン……老師の強さはどのくらいさね? あの仮面の魔神とやり合えるのかい?」
アナスタシアからの質問だ。グウェインは自信満々に眼鏡を上げて答えた。
「それは問題ない。老師の実力は75000相当だ。この中で唯一、魔神を倒せるかもしれない存在だろうね」
グウェインの出した75000という数値は、マリアナ公国内でも最大の数値である。彼もこれ以上の数値はカウントしたことがない。目の前の仮面の魔神の強さは72000……老師と上空を飛んでいる5体のワイバーンを含めれば普通に倒せるであろう相手であった。
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