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第一章 ~第三ウェーブ~

26話 協力

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「まずはこの星のことを説明させてもらいます」

「うん、私達も色々知りたいし」

 ちゃんと説明してくれるのは助かるな、何も知らないとやっぱり困るしね。
 ところで今、私の目の前でとんでもないことが起きてるんだけど……。
 膝の上にプヤプヤちゃんが座ってるの!
 やっばい、超絶カワイイ、もう大好き。

「惑星ラハルはヴェーゼによって管理されている星です。資源採掘のため、惑星のほぼ全域で居住が禁止されていて、居住が許可されているのは地上の首都だけです」

 お姉ちゃんと同じでサラサラ銀色の髪なんだね、ずっと撫でていられる。

「ヴェーゼの司令官はゲスーチという男なのですが、ゲスーチは首都全域を支配下に置いており、その横暴に住民は苦しんでいます」

 ん? ゴミクズが何?
 今はゴミクズよりも膝の上の妖精さんの方が大事なんだけど。

「ゲスーチは強力な軍隊を手に入れるため、定期的に子供を攫ってはダークマターの適性検査を行っています。適性があれば洗脳、訓練を施して無理やり兵隊にします。適性がなければ様々な実験の実験台にしています」

 ……は?
 子供を実験台に?

「私は元ヴェーゼの職員でゲスーチの部下でした、そこでゲスーチの所業を何度も目の当たりにしました」

 いやいや、それよりも子供達のことを聞かせてよ。
 実験をされた子供達はどうなるの?

「ある日、妹のプヤプヤがヴェーゼに捕えられました。ダークマターに適正のなかったプヤプヤは実験台として扱われることになったのです」

 プヤプヤちゃんも実験台に?
 私のカワイイ妖精さんに何をしたって?

「私はプヤプヤと子供達を連れてヴェーゼを脱出しました、そして職員時代の知識を活用して子供達の解放活動を行っています。ここにいる子供達は皆、一度ヴェーゼに捕らえられた子供達、あるいは捕らえられそうになった子供達です」

「あんなに沢山の子供達が……知りませんでした……」

「酷い話だニャ」

「本当は親元に帰してあげたいのですが、地上はヴェーゼの監視が厳しいため子供達を帰してあげることが出来ません。未だ解放されていない子供達も沢山います。私達はそんな状況を打破するべく、ヴェーゼへの抵抗勢力として地下でひっそりと活動しているのです」

 ……なるほどね。

「私達の目的はゲスーチの打倒と子供達の解放です。そしてヴェーゼの横暴からこの星を解放することです」

「お姉ちゃん達、悪いやつをやっつけてくれたでしょ? だから味方なのかと思って……」

「相談というのは、お互いに協力出来ないかということです。地上での出来事はプヤプヤに聞きました、あなた達もヴェーゼに敵対しているのならば目的は一致するのではと思いまして」

「まあ確かに目的は一緒かもだけど」

「やはり! どうでしょうか? あなた達も目的があるのだと思います、私達はそれに協力します。ですから、私達にも力を貸してくれませんか?」

「どうするソーラ? ソーラが決めたことならボクは反対しないヨ」

「私も、ソーラが決めたことであればついていきます」

 二人とも私を信頼してくれてるんだね、ホントに素敵な仲間達だ。
 だからこそ判断にはしっかり責任を持たなくちゃ。

「マヤマヤ、質問してもいい?」

「はい、何なりと」

「マヤマヤはヴェーゼの職員でゲスーチの部下だったんだよね。マヤマヤ自身は子供達に酷いことはしなかったの?」

「……いいえ、沢山の酷いことをしました」

「それは、マヤマヤが子供達を攫って実験をしてたってこと?」

「そうではありません、私は子供達が酷い目にあっていると知っていながら見てみぬふりをしていました。私には関係ないとたかをくくっていました。そしてプヤプヤが捕らえられたことで、ようやく自らの過ちに気づきました」

「……」

「私がもっと早くに行動していれば、より多くの子供達を助けられたかもしれません。ですから私も同罪です、どんな裁きを受けることになっても構いません」

「……」

「ですがそれは子供達を助けてからです! お願いします、子供達を助けるために、どうか力を貸してください!!」

「もちろんだよ」

「……え? もちろんって……」

「マヤマヤが子供達に直接酷いことをしてたなら話は別だけど、そうじゃないなら協力するよ。子供達を助けたいのは私も同じだからね」

「あぁ……本当に……ありがとうございます……っ」

 悪い行いを見てみぬふりをした、それは確かによくないと思う。
 でも今は見てみぬふりはしていない、出来ることを一生懸命やってる。
 そして、マヤマヤ自身は子供達に直接酷いことはしなかった、それで充分。
 今子供達を助けたいと思っているのなら、その気持ちが本物ならそれでいいの!

「敵は同じ、一緒にヴェーゼを倒そう!」
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