11 / 36
11
しおりを挟む
初冬の朝、侯爵邸に一人の来客があった。
「王立薬学院のエドウィン・グレイ様がお見えです」
セバスチャンの案内で応接室に通されたのは、夏至祭の夜会で会った研究者だった。
「お久しぶりです、セラフィーナ様」
エドウィンは丁寧にお辞儀をした。三十代半ばらしい落ち着いた雰囲気と、知的な眼差しが印象的だった。
「エドウィン様、ようこそいらっしゃいました」
セラフィーナは微笑んで迎えた。
「あの夜会以来ですね。お元気でしたか?」
「はい。実は今日は、お願いがあって参りました」
エドウィンは真剣な表情で続けた。
「令嬢の薬草茶の調合技術について、是非詳しく教えていただきたいのです。学院の研究にも大きく貢献するはずです」
「私の技術が、学院の役に立つのでしょうか?」
「立つどころではありません」
エドウィンの目が輝いた。
「令嬢の『月光茶』と『晨露茶』を分析させていただいたのですが、その配合は理論的に完璧なのです。なぜこの組み合わせが最適なのか、科学的に説明できます」
セラフィーナは興味深そうに身を乗り出した。
「科学的に?」
「はい。各薬草の有効成分が相乗効果を生み出し、副作用を最小限に抑えつつ、効能を最大化している。これは偶然ではなく、深い理解に基づいた調合です」
エドウィンは資料を取り出した。
「もしよろしければ、薬草園を見学させていただき、調合の理論についてお話を伺えませんか?」
セラフィーナは少し考えてから、微笑んだ。
「もちろんです。むしろ私の方こそ、専門家のご意見を伺いたいと思っていました」
二人は薬草園へと向かった。
初冬の薬草園は、多くの薬草が休眠期に入っているが、温室では一年中栽培できる種類が青々と育っている。
「これがカモミール、こちらがバレリアン」
セラフィーナが説明すると、エドウィンは熱心にメモを取った。
「栽培方法も独特ですね。この土の配合は?」
「有機質を多く含ませて、水はけを良くしています。薬草は土の質で効能が大きく変わるので」
「なるほど。理にかなっています」
二人は温室から作業場へと移動した。そこでは、収穫された薬草が丁寧に選別され、乾燥されている。
「乾燥の温度と湿度は、薬草ごとに最適化しています」
セラフィーナが説明すると、エドウィンは驚嘆の表情を浮かべた。
「ここまで細かく管理しているとは...これでは市販の薬草茶と品質が違うはずです」
調合室では、セラフィーナが実際に月光茶を作る過程を見せた。
「カモミールとバレリアンの比率は3:2。これにパッションフラワーを少量加えます」
「その比率の根拠は?」
「カモミールは穏やかな鎮静作用、バレリアンは深い睡眠を促進します。しかしバレリアンだけでは効果が強すぎて、翌朝の倦怠感が残る。だから、カモミールで調整するんです」
エドウィンは目を輝かせた。
「完璧です!まさに私が理論的に導き出した最適比率と一致します」
「本当ですか?」
「はい。令嬢は実践的な経験から、私たちが理論で導き出すことと同じ結論に達している。これは驚異的です」
昼食は薬草園の東屋でとることにした。セラフィーナ特製の薬草茶と、軽い食事が用意されている。
「この茶は?」
エドウィンが香りを楽しみながら尋ねた。
「ローズヒップとハイビスカスのブレンドです。ビタミンCが豊富で、美容と健康に良いんです」
「なるほど。確かに爽やかで飲みやすい」
二人は薬草の話題で盛り上がった。最新の研究、古い文献、民間療法の科学的検証。共通の興味を持つ者同士、会話は尽きることがなかった。
「セラフィーナ様は、どこでこれほどの知識を得られたのですか?」
エドウィンが不思議そうに尋ねた。
「様々な文献を読みました」
セラフィーナは前世のことは伏せて答えた。
「特に古い薬草書と、最新の医学書を組み合わせることで、新しい発見があるんです」
「素晴らしい。まさに研究者の姿勢です」
エドウィンは真剣な表情で言った。
「セラフィーナ様、お願いがあります。共同研究をさせていただけませんか?」
「共同研究?」
「はい。令嬢の実践的な知識と、私の理論的な研究を組み合わせれば、きっと素晴らしい成果が得られます」
セラフィーナは少し考えてから、微笑んだ。
「喜んで。むしろ、こちらからお願いしたいくらいです」
二人は握手を交わした。
その日から、エドウィンは定期的に侯爵邸を訪れるようになった。二人は薬草の研究に没頭し、新しい調合を次々と開発していった。
「この配合なら、関節痛により効果的です」
「では、臨床試験をしてみましょう」
セラフィーナとエドウィンの研究は、次第に学院でも注目されるようになった。
ある日、エドウィンが興奮した様子で訪れた。
「セラフィーナ様、朗報です!」
「何があったのですか?」
「学院から、令嬢に講演の依頼が来ました。『薬草の実践的応用』というテーマで」
「私が、学院で?」
「はい。令嬢の研究成果は、もはや学術界でも認められているのです」
セラフィーナは驚きと喜びで胸がいっぱいになった。
かつて病弱で何もできなかった自分が、今や学術界から認められている。これは夢ではないかと思うほどだった。
「お引き受けします。いつですか?」
「来月の学術会議です。多くの研究者が集まります」
エドウィンは嬉しそうに微笑んだ。
「きっと、令嬢の知識に皆驚くでしょう」
夕暮れ時、薬草園を二人で歩きながら、エドウィンが静かに言った。
「セラフィーナ様、あなたと研究できることを、私は本当に幸運に思います」
「私もです、エドウィン様」
セラフィーナは微笑んだ。
「あなたのおかげで、私の知識がより深まりました」
「いえ、それは互いにです」
エドウィンは少し照れたように笑った。
冬の空に最初の星が輝き始めた。薬草園からは、ハーブの優しい香りが漂ってくる。
セラフィーナは心から満たされた気持ちで、新しい未来を見つめた。
「王立薬学院のエドウィン・グレイ様がお見えです」
セバスチャンの案内で応接室に通されたのは、夏至祭の夜会で会った研究者だった。
「お久しぶりです、セラフィーナ様」
エドウィンは丁寧にお辞儀をした。三十代半ばらしい落ち着いた雰囲気と、知的な眼差しが印象的だった。
「エドウィン様、ようこそいらっしゃいました」
セラフィーナは微笑んで迎えた。
「あの夜会以来ですね。お元気でしたか?」
「はい。実は今日は、お願いがあって参りました」
エドウィンは真剣な表情で続けた。
「令嬢の薬草茶の調合技術について、是非詳しく教えていただきたいのです。学院の研究にも大きく貢献するはずです」
「私の技術が、学院の役に立つのでしょうか?」
「立つどころではありません」
エドウィンの目が輝いた。
「令嬢の『月光茶』と『晨露茶』を分析させていただいたのですが、その配合は理論的に完璧なのです。なぜこの組み合わせが最適なのか、科学的に説明できます」
セラフィーナは興味深そうに身を乗り出した。
「科学的に?」
「はい。各薬草の有効成分が相乗効果を生み出し、副作用を最小限に抑えつつ、効能を最大化している。これは偶然ではなく、深い理解に基づいた調合です」
エドウィンは資料を取り出した。
「もしよろしければ、薬草園を見学させていただき、調合の理論についてお話を伺えませんか?」
セラフィーナは少し考えてから、微笑んだ。
「もちろんです。むしろ私の方こそ、専門家のご意見を伺いたいと思っていました」
二人は薬草園へと向かった。
初冬の薬草園は、多くの薬草が休眠期に入っているが、温室では一年中栽培できる種類が青々と育っている。
「これがカモミール、こちらがバレリアン」
セラフィーナが説明すると、エドウィンは熱心にメモを取った。
「栽培方法も独特ですね。この土の配合は?」
「有機質を多く含ませて、水はけを良くしています。薬草は土の質で効能が大きく変わるので」
「なるほど。理にかなっています」
二人は温室から作業場へと移動した。そこでは、収穫された薬草が丁寧に選別され、乾燥されている。
「乾燥の温度と湿度は、薬草ごとに最適化しています」
セラフィーナが説明すると、エドウィンは驚嘆の表情を浮かべた。
「ここまで細かく管理しているとは...これでは市販の薬草茶と品質が違うはずです」
調合室では、セラフィーナが実際に月光茶を作る過程を見せた。
「カモミールとバレリアンの比率は3:2。これにパッションフラワーを少量加えます」
「その比率の根拠は?」
「カモミールは穏やかな鎮静作用、バレリアンは深い睡眠を促進します。しかしバレリアンだけでは効果が強すぎて、翌朝の倦怠感が残る。だから、カモミールで調整するんです」
エドウィンは目を輝かせた。
「完璧です!まさに私が理論的に導き出した最適比率と一致します」
「本当ですか?」
「はい。令嬢は実践的な経験から、私たちが理論で導き出すことと同じ結論に達している。これは驚異的です」
昼食は薬草園の東屋でとることにした。セラフィーナ特製の薬草茶と、軽い食事が用意されている。
「この茶は?」
エドウィンが香りを楽しみながら尋ねた。
「ローズヒップとハイビスカスのブレンドです。ビタミンCが豊富で、美容と健康に良いんです」
「なるほど。確かに爽やかで飲みやすい」
二人は薬草の話題で盛り上がった。最新の研究、古い文献、民間療法の科学的検証。共通の興味を持つ者同士、会話は尽きることがなかった。
「セラフィーナ様は、どこでこれほどの知識を得られたのですか?」
エドウィンが不思議そうに尋ねた。
「様々な文献を読みました」
セラフィーナは前世のことは伏せて答えた。
「特に古い薬草書と、最新の医学書を組み合わせることで、新しい発見があるんです」
「素晴らしい。まさに研究者の姿勢です」
エドウィンは真剣な表情で言った。
「セラフィーナ様、お願いがあります。共同研究をさせていただけませんか?」
「共同研究?」
「はい。令嬢の実践的な知識と、私の理論的な研究を組み合わせれば、きっと素晴らしい成果が得られます」
セラフィーナは少し考えてから、微笑んだ。
「喜んで。むしろ、こちらからお願いしたいくらいです」
二人は握手を交わした。
その日から、エドウィンは定期的に侯爵邸を訪れるようになった。二人は薬草の研究に没頭し、新しい調合を次々と開発していった。
「この配合なら、関節痛により効果的です」
「では、臨床試験をしてみましょう」
セラフィーナとエドウィンの研究は、次第に学院でも注目されるようになった。
ある日、エドウィンが興奮した様子で訪れた。
「セラフィーナ様、朗報です!」
「何があったのですか?」
「学院から、令嬢に講演の依頼が来ました。『薬草の実践的応用』というテーマで」
「私が、学院で?」
「はい。令嬢の研究成果は、もはや学術界でも認められているのです」
セラフィーナは驚きと喜びで胸がいっぱいになった。
かつて病弱で何もできなかった自分が、今や学術界から認められている。これは夢ではないかと思うほどだった。
「お引き受けします。いつですか?」
「来月の学術会議です。多くの研究者が集まります」
エドウィンは嬉しそうに微笑んだ。
「きっと、令嬢の知識に皆驚くでしょう」
夕暮れ時、薬草園を二人で歩きながら、エドウィンが静かに言った。
「セラフィーナ様、あなたと研究できることを、私は本当に幸運に思います」
「私もです、エドウィン様」
セラフィーナは微笑んだ。
「あなたのおかげで、私の知識がより深まりました」
「いえ、それは互いにです」
エドウィンは少し照れたように笑った。
冬の空に最初の星が輝き始めた。薬草園からは、ハーブの優しい香りが漂ってくる。
セラフィーナは心から満たされた気持ちで、新しい未来を見つめた。
667
あなたにおすすめの小説
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
グランディア様、読まないでくださいっ!〜仮死状態となった令嬢、婚約者の王子にすぐ隣で声に出して日記を読まれる〜
月
恋愛
第三王子、グランディアの婚約者であるティナ。
婚約式が終わってから、殿下との溝は深まるばかり。
そんな時、突然聖女が宮殿に住み始める。
不安になったティナは王妃様に相談するも、「私に任せなさい」とだけ言われなぜかお茶をすすめられる。
お茶を飲んだその日の夜、意識が戻ると仮死状態!?
死んだと思われたティナの日記を、横で読み始めたグランディア。
しかもわざわざ声に出して。
恥ずかしさのあまり、本当に死にそうなティナ。
けれど、グランディアの気持ちが少しずつ分かり……?
※この小説は他サイトでも公開しております。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
氷の騎士と契約結婚したのですが、愛することはないと言われたので契約通り離縁します!
柚屋志宇
恋愛
「お前を愛することはない」
『氷の騎士』侯爵令息ライナスは、伯爵令嬢セルマに白い結婚を宣言した。
セルマは家同士の政略による契約結婚と割り切ってライナスの妻となり、二年後の離縁の日を待つ。
しかし結婚すると、最初は冷たかったライナスだが次第にセルマに好意的になる。
だがセルマは離縁の日が待ち遠しい。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
【完結】この運命を受け入れましょうか
なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」
自らの夫であるルーク陛下の言葉。
それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
「承知しました。受け入れましょう」
ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。
だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。
これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。
◇◇◇◇◇
設定は甘め。
不安のない、さっくり読める物語を目指してます。
良ければ読んでくだされば、嬉しいです。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる