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執事は真実を明かされます
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アイリ様が元に戻ったようです。
「じっくりコトコト話し合いをしてわかってもらったよ!」
もうひとつの魂と話し合いをした・・・とおっしゃってますが、じっくりコトコトでは煮込んでしまっていますよ?
「それくらい耳元で話し合いしたってことだよ!」
アイリ様は素晴らしく良い笑顔でした。
相手の耳元で気が遠くなるほどの時間をかけてじっくりコトコト話し合い・・・。
それはもう拷問です。
「それでヒロインは結局どうなったの?」
ルチア様の質問にアイリ様は首をかしげました。
「うーんとね、なんか呆れた顔して奥に引っ込んじゃった。もうめんどくさいから融合してあげるって言ってたよ」
「じゃあ今は融合してひとつの魂になったってことかぁ。だから性格がちょっと過激になったのかな?
転生前の記憶も全部思い出したんでしょ?」
「思い出したよー。まさかルーちゃんがるーちゃんだったなんて驚いちゃった!会えて嬉しいけどるーちゃんも交通事故なんて世知辛いねぇ」
「まぁわたしもルチアと魂を同居することになったし、今の生活気に入ってるから事故ったのはいいんだけどぉ・・・これどうするの?」
ルチア様が冷たい視線を足元に向けられます。
「どうしよっかなぁ」
アイリ様は笑顔のまま視線すら向けませんでした。
「・・・」
お二人の足元には白目をむいて気絶しているニコラスが転がっておりました。邪魔ですね。
どうしてこんなことになったかと言えば、前世の記憶を思い出したアイリ様が「颯人くん?あぁ、そういえばそんな人いたね。え?なんでお見舞いに行ったか?ゲーム仲間を増やして吸血鬼様の素晴しさを広めようと思っただけで・・・えぇ?!好きなわけないじゃん!私が愛してるのは永遠に吸血鬼様だよ!」とニコラスに告げた途端に気絶しました。
なんでもアイリ様とルチア様、それにニコラスは前世で関わりがあったそうです。ルチア様がおっしゃるには前世のアイリ様が死んだのはニコラスのせいなのだそうです。一瞬抹殺しようかと思ったのですがアイリ様が「死んじゃったからセバスチャンに会えたんだし、ニコラスなんかどうでもいい」とのことなので踏みつけるだけにしました。アイリ様は優しいです。
それどころか瞳を潤ませて「色々と黙っててごめんなさい。前世の詳しい記憶は全然思い出せなかったし・・・吸血鬼様の、セバスチャンの事しか覚えてなかったの。ゲームだとか転生とか信じてもらえるか自信無かったし・・・許してくれる?」と私を見上げたアイリ様。
可愛かったので、許します。
実際、乙女ゲームだとかラスボスだとか・・・いまだによくわかりませんが、私の問題はアイリ様がアイリ様のまま私の側にいるかどうかなので、あまり気にしてません。
ちなみに乙女ゲームとやらについてはルチア様が嬉々として詳しく教えて下さいました。ニコラスの説明よりはわかりやすかったですよ?
私は紅茶を入れ直してアイリ様とルチア様の前に置きました。
え?豚皇子ですか?
話の内容に頭がついていかないらしくて部屋の隅で三角座りをしていますが?なにやら小声で「今までの魂の定義が・・・」とかブツブツ呟いています。邪魔ですね。
「さて、ではこれからどうなさいますか?まだまだ問題が山積みのままですが」
「そうよねぇ、ニコラスとの婚約解消と竜人の問題もあるし・・・。あ、ねぇ愛莉、あんた人魚飼ってたでしょ?ちゃんと名前つけた?」
「あー・・・そういえばつけてない」
人魚は、人魚と呼んでいましたからね。
「人魚が海の魔物の女王だって知ってるわよね?
海の加護も貰ってるみたいだし・・・あとは名前をつけてあげれば面白いことが起こるわよ」
ルチア様がまたニヤリと笑います。
「愛莉、公式にも出てこないヒロインの秘密を教えてあげる。これはハーレムルートをある条件でクリアして続編に行きさらにパラレルストーリーへ行かないとわからないって鬼畜設定でさ、わたしも死ぬ前にやっとクリアして辿り着いた真実よ?もう、プレイしてる本人すらもややこしくてワケわからなくなるんだから」
「パラレルストーリー?」
「そ、パラレルストーリーのヒロインは森で出会った黒髪の男をいつの間にか執事にしてて、その執事と恋人になるんだけど婚約者のニコラスやその執事の身分がはっきりしないとかで結婚できないわけ。面白いわよ~?ニコラスがまるで悪役令嬢みたいなことするし。でも元悪役令嬢であるルチアの協力もあり大どんでん返しがあるんだけど・・・」
ルチア様の視線が私に向けられました。
「セバスチャン、一応聞くよ?愛莉とハッピーエンドになるためになんでもする覚悟ある?
ちなみに愛莉の運命はそれで決まっちゃうけどね」
「るーちゃん、それって・・・」
アイリ様が何かを言いかけましたが、それを手で制止し私はルチア様の前に一歩でます。
「もちろん、なんでもいたします」
その時自分がどんな表情をしていたかわかりませんが、ルチア様が満足気に頷かれました。
「よし、その顔なら胡散臭くないかな。
じゃあまずニコラスがとち狂って邪魔してこないように縛っといて!あ、念のため豚皇子もね?ニコラスに協力されたら厄介だし」
「この犬は何をしでかすんですか?」
「んー、今のニコラスなら大丈夫かな?とは思うんだけど、ゲームのニコラスはかなりヤバいことしてくるのよ。こんなんでも異国の王子だし念のため」
「畏まりました」
念のため。と、言うことでふたり仲良くしっかりと縛ります。豚皇子も何か諦めた顔でおとなしくしていますね。
それを見ていたルチア様がまたニヤリとしました。
「なんて完璧な亀甲縛り・・・なかなかやるわね」
「お褒めにあずかり光栄です」
ふたりを部屋の隅に転がすと、アイリ様が花瓶の水を床に撒きにっこりと微笑みました。
「人魚、出ておいでー」
その呼び掛けに反応し、水溜まりの中から人魚が現れましたが、なにやら泣きそうな顔をしています。
「アイリ・・・あたしのこと見て、気絶・・・」
いまだにあの時アイリ様に拒絶されたショックが消えないようです。おや鱗に赤い汚れが・・・食事はしっかりとっているようなので安心しました。
「ごめんね、もう大丈夫だから。
ねぇ、あなたに名前をつけたいんだけどいい?」
アイリ様の言葉にピクリと反応し、人魚の瞳に光がさしました。
「・・・アイリ、本当にぃ・・・?」
「うん、あなたは今日から“リン”だよ!」
“リン”。アイリ様がそう言葉にした途端、人魚の体が光りはじめ、下半身を包む鱗がパラパラと剥がれだしたのです。
そしてその鱗の下からは人間の足が現れ、人魚は2本足でその場に立ち上がりました。
もし鱗の下が素っ裸だったらアイリ様の教育に悪そうなので蹴り飛ばそうかと思いましたがちゃんと水着のようなものを着ていて安心しました。ルチア様いわく「ご都合主義なのよ」だそうです。
「“リン”。あたしの名前は“リン”・・・」
人魚改めてリンはアイリ様にかしずき頭を下げました。
「アイリ様、ありがとうございます。
これよりあたし・・・いいえわたくしと海の魔物は全てあなた様のしもべでございます」
「え?そうなの?でもそのしゃべり方だとセバスチャンとかぶるからいつも通りがいいな」
「あーん、アイリぃっ!大好きなあたしのご主人様ぁ~~~っ」
リンが瞬時にいつもの調子に戻ってアイリ様に抱きつこうとしたので頭を力いっぱい押さえつけました。
「ちょっ、なにすんのよでかコウモ・・・おのれセバスチャン様っ!」
「なんですかその呼び方?」
人魚に様付けで呼ばれるなんて気持ち悪いですね。
「名前をつけられた人魚はヒロインに絶対服従のしもべになるんだけど、ヒロインが伴侶だと決めている相手にも逆らえなくなる呪いなのよ!人間に化ける事も出来るようになるし便利なの!
それにこれで海の魔物は全部従うし、計画は順調ね!」
ルチア様の楽しそうな声が響きます。
「ヒロインはね、魔物を惹き付けるフェロモンを出してるんだけどその魔物がヒロインに好意を持ってると味方になったときの加護の効果が3倍よ!
でも海の魔物にはフェロモンの効果が無いんだけど女王の人魚に名前をつけてしもべにすれば海の魔物を全部従わらせれるの!
これでヒロインは海の女王!」
「フェロモンとか知らなかった・・・そんな設定あったっけ?」
「ヒロインの能力は魔物を操れることだし、あんたは好きなことを好きと貫く・・・つまり元々吸血鬼、魔物に対して好意的な愛莉は無意識に匂いを出して“みんな仲良くしよー”ってなってたんじゃない?それがあんたに好意を持つ魔物をひきよせるのさ。
さらに言えば魂が融合した今は能力がかけあわさってとんでもないことになってるのよ」
「これがご都合主義か・・・!」
「もちろん!乙女ゲームなんてご都合主義の固まりでしょうが!」
なにやらおふたりにしかわからない意思の疎通があったようでアイリ様は納得したようです。
さっぱりわかりませんが、アイリ様から特別な匂いがするのは確かですし、どうやらそれがフェロモン・・・魔物を惹き付ける匂いということなのでしょう。
「さぁて、セバスチャン?ここからはあなたの出番よ!」
「るーちゃん、セバスチャンに何をさせる気なの?」
ルチア様は「ふっふっふっ」と肩を震わせるとそれはそれは楽しそうに高らかに声をあげました。
「王家を乗っ取るのよ!」
そう言えばアイリ様になぜ人魚の名前を“リン”にしたのか聞いたのですが「プリンが食べたかったから?」と謎の返答がありました。アイリ様は確かに変わった性格でしたがここまで酷かったでしょうか?とりあえずプリンは後程作ります。
ルチア様の説明によれば「元々のヒロインは天然ボケの設定だったから魂が融合したせいで色々混ざっちゃったんじゃない?(あとキレたら過激派だったはずだし)」らしいです。・・・副音声がやや気になりますが。
話がそれました、申し訳ありません。王家?あんなもの乗っ取ってどうするんです?
「じっくりコトコト話し合いをしてわかってもらったよ!」
もうひとつの魂と話し合いをした・・・とおっしゃってますが、じっくりコトコトでは煮込んでしまっていますよ?
「それくらい耳元で話し合いしたってことだよ!」
アイリ様は素晴らしく良い笑顔でした。
相手の耳元で気が遠くなるほどの時間をかけてじっくりコトコト話し合い・・・。
それはもう拷問です。
「それでヒロインは結局どうなったの?」
ルチア様の質問にアイリ様は首をかしげました。
「うーんとね、なんか呆れた顔して奥に引っ込んじゃった。もうめんどくさいから融合してあげるって言ってたよ」
「じゃあ今は融合してひとつの魂になったってことかぁ。だから性格がちょっと過激になったのかな?
転生前の記憶も全部思い出したんでしょ?」
「思い出したよー。まさかルーちゃんがるーちゃんだったなんて驚いちゃった!会えて嬉しいけどるーちゃんも交通事故なんて世知辛いねぇ」
「まぁわたしもルチアと魂を同居することになったし、今の生活気に入ってるから事故ったのはいいんだけどぉ・・・これどうするの?」
ルチア様が冷たい視線を足元に向けられます。
「どうしよっかなぁ」
アイリ様は笑顔のまま視線すら向けませんでした。
「・・・」
お二人の足元には白目をむいて気絶しているニコラスが転がっておりました。邪魔ですね。
どうしてこんなことになったかと言えば、前世の記憶を思い出したアイリ様が「颯人くん?あぁ、そういえばそんな人いたね。え?なんでお見舞いに行ったか?ゲーム仲間を増やして吸血鬼様の素晴しさを広めようと思っただけで・・・えぇ?!好きなわけないじゃん!私が愛してるのは永遠に吸血鬼様だよ!」とニコラスに告げた途端に気絶しました。
なんでもアイリ様とルチア様、それにニコラスは前世で関わりがあったそうです。ルチア様がおっしゃるには前世のアイリ様が死んだのはニコラスのせいなのだそうです。一瞬抹殺しようかと思ったのですがアイリ様が「死んじゃったからセバスチャンに会えたんだし、ニコラスなんかどうでもいい」とのことなので踏みつけるだけにしました。アイリ様は優しいです。
それどころか瞳を潤ませて「色々と黙っててごめんなさい。前世の詳しい記憶は全然思い出せなかったし・・・吸血鬼様の、セバスチャンの事しか覚えてなかったの。ゲームだとか転生とか信じてもらえるか自信無かったし・・・許してくれる?」と私を見上げたアイリ様。
可愛かったので、許します。
実際、乙女ゲームだとかラスボスだとか・・・いまだによくわかりませんが、私の問題はアイリ様がアイリ様のまま私の側にいるかどうかなので、あまり気にしてません。
ちなみに乙女ゲームとやらについてはルチア様が嬉々として詳しく教えて下さいました。ニコラスの説明よりはわかりやすかったですよ?
私は紅茶を入れ直してアイリ様とルチア様の前に置きました。
え?豚皇子ですか?
話の内容に頭がついていかないらしくて部屋の隅で三角座りをしていますが?なにやら小声で「今までの魂の定義が・・・」とかブツブツ呟いています。邪魔ですね。
「さて、ではこれからどうなさいますか?まだまだ問題が山積みのままですが」
「そうよねぇ、ニコラスとの婚約解消と竜人の問題もあるし・・・。あ、ねぇ愛莉、あんた人魚飼ってたでしょ?ちゃんと名前つけた?」
「あー・・・そういえばつけてない」
人魚は、人魚と呼んでいましたからね。
「人魚が海の魔物の女王だって知ってるわよね?
海の加護も貰ってるみたいだし・・・あとは名前をつけてあげれば面白いことが起こるわよ」
ルチア様がまたニヤリと笑います。
「愛莉、公式にも出てこないヒロインの秘密を教えてあげる。これはハーレムルートをある条件でクリアして続編に行きさらにパラレルストーリーへ行かないとわからないって鬼畜設定でさ、わたしも死ぬ前にやっとクリアして辿り着いた真実よ?もう、プレイしてる本人すらもややこしくてワケわからなくなるんだから」
「パラレルストーリー?」
「そ、パラレルストーリーのヒロインは森で出会った黒髪の男をいつの間にか執事にしてて、その執事と恋人になるんだけど婚約者のニコラスやその執事の身分がはっきりしないとかで結婚できないわけ。面白いわよ~?ニコラスがまるで悪役令嬢みたいなことするし。でも元悪役令嬢であるルチアの協力もあり大どんでん返しがあるんだけど・・・」
ルチア様の視線が私に向けられました。
「セバスチャン、一応聞くよ?愛莉とハッピーエンドになるためになんでもする覚悟ある?
ちなみに愛莉の運命はそれで決まっちゃうけどね」
「るーちゃん、それって・・・」
アイリ様が何かを言いかけましたが、それを手で制止し私はルチア様の前に一歩でます。
「もちろん、なんでもいたします」
その時自分がどんな表情をしていたかわかりませんが、ルチア様が満足気に頷かれました。
「よし、その顔なら胡散臭くないかな。
じゃあまずニコラスがとち狂って邪魔してこないように縛っといて!あ、念のため豚皇子もね?ニコラスに協力されたら厄介だし」
「この犬は何をしでかすんですか?」
「んー、今のニコラスなら大丈夫かな?とは思うんだけど、ゲームのニコラスはかなりヤバいことしてくるのよ。こんなんでも異国の王子だし念のため」
「畏まりました」
念のため。と、言うことでふたり仲良くしっかりと縛ります。豚皇子も何か諦めた顔でおとなしくしていますね。
それを見ていたルチア様がまたニヤリとしました。
「なんて完璧な亀甲縛り・・・なかなかやるわね」
「お褒めにあずかり光栄です」
ふたりを部屋の隅に転がすと、アイリ様が花瓶の水を床に撒きにっこりと微笑みました。
「人魚、出ておいでー」
その呼び掛けに反応し、水溜まりの中から人魚が現れましたが、なにやら泣きそうな顔をしています。
「アイリ・・・あたしのこと見て、気絶・・・」
いまだにあの時アイリ様に拒絶されたショックが消えないようです。おや鱗に赤い汚れが・・・食事はしっかりとっているようなので安心しました。
「ごめんね、もう大丈夫だから。
ねぇ、あなたに名前をつけたいんだけどいい?」
アイリ様の言葉にピクリと反応し、人魚の瞳に光がさしました。
「・・・アイリ、本当にぃ・・・?」
「うん、あなたは今日から“リン”だよ!」
“リン”。アイリ様がそう言葉にした途端、人魚の体が光りはじめ、下半身を包む鱗がパラパラと剥がれだしたのです。
そしてその鱗の下からは人間の足が現れ、人魚は2本足でその場に立ち上がりました。
もし鱗の下が素っ裸だったらアイリ様の教育に悪そうなので蹴り飛ばそうかと思いましたがちゃんと水着のようなものを着ていて安心しました。ルチア様いわく「ご都合主義なのよ」だそうです。
「“リン”。あたしの名前は“リン”・・・」
人魚改めてリンはアイリ様にかしずき頭を下げました。
「アイリ様、ありがとうございます。
これよりあたし・・・いいえわたくしと海の魔物は全てあなた様のしもべでございます」
「え?そうなの?でもそのしゃべり方だとセバスチャンとかぶるからいつも通りがいいな」
「あーん、アイリぃっ!大好きなあたしのご主人様ぁ~~~っ」
リンが瞬時にいつもの調子に戻ってアイリ様に抱きつこうとしたので頭を力いっぱい押さえつけました。
「ちょっ、なにすんのよでかコウモ・・・おのれセバスチャン様っ!」
「なんですかその呼び方?」
人魚に様付けで呼ばれるなんて気持ち悪いですね。
「名前をつけられた人魚はヒロインに絶対服従のしもべになるんだけど、ヒロインが伴侶だと決めている相手にも逆らえなくなる呪いなのよ!人間に化ける事も出来るようになるし便利なの!
それにこれで海の魔物は全部従うし、計画は順調ね!」
ルチア様の楽しそうな声が響きます。
「ヒロインはね、魔物を惹き付けるフェロモンを出してるんだけどその魔物がヒロインに好意を持ってると味方になったときの加護の効果が3倍よ!
でも海の魔物にはフェロモンの効果が無いんだけど女王の人魚に名前をつけてしもべにすれば海の魔物を全部従わらせれるの!
これでヒロインは海の女王!」
「フェロモンとか知らなかった・・・そんな設定あったっけ?」
「ヒロインの能力は魔物を操れることだし、あんたは好きなことを好きと貫く・・・つまり元々吸血鬼、魔物に対して好意的な愛莉は無意識に匂いを出して“みんな仲良くしよー”ってなってたんじゃない?それがあんたに好意を持つ魔物をひきよせるのさ。
さらに言えば魂が融合した今は能力がかけあわさってとんでもないことになってるのよ」
「これがご都合主義か・・・!」
「もちろん!乙女ゲームなんてご都合主義の固まりでしょうが!」
なにやらおふたりにしかわからない意思の疎通があったようでアイリ様は納得したようです。
さっぱりわかりませんが、アイリ様から特別な匂いがするのは確かですし、どうやらそれがフェロモン・・・魔物を惹き付ける匂いということなのでしょう。
「さぁて、セバスチャン?ここからはあなたの出番よ!」
「るーちゃん、セバスチャンに何をさせる気なの?」
ルチア様は「ふっふっふっ」と肩を震わせるとそれはそれは楽しそうに高らかに声をあげました。
「王家を乗っ取るのよ!」
そう言えばアイリ様になぜ人魚の名前を“リン”にしたのか聞いたのですが「プリンが食べたかったから?」と謎の返答がありました。アイリ様は確かに変わった性格でしたがここまで酷かったでしょうか?とりあえずプリンは後程作ります。
ルチア様の説明によれば「元々のヒロインは天然ボケの設定だったから魂が融合したせいで色々混ざっちゃったんじゃない?(あとキレたら過激派だったはずだし)」らしいです。・・・副音声がやや気になりますが。
話がそれました、申し訳ありません。王家?あんなもの乗っ取ってどうするんです?
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