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飛び出せ、フライング王子
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「今のって、王子様でしたわよね」
ルーちゃんがぽんっと手を叩いて教えてくれました。ええ、よく知ってます。
ドSかドMかはわからなかったが(すでに倒れていたから)でも私がフラグをへし折ってるからどちらもSMには目覚めておらず普通の王子になっているはずだと思い直す。が、
「思わずドアを閉めちゃったけど、放置したらダメかな?」
やっぱり関わりたくない気持ちの方が大きかった。
「ごめんなさい、アイリちゃん。たぶんわたくしの婚約者の方だと思いますの」
ルーちゃんが申し訳なさそうに言う。そうだった。ルーちゃんは王子たちの婚約者候補で、15歳になったらどちらかの婚約者になっているのだった。
そういえばゲームではヒロインが選んだ方の王子の婚約者になっていたけど、今の私は誰も攻略対象に選んでいない。この場合はどちらの婚約者になっているのだろうか?
「ルーちゃんの婚約者って、どっちの王子?」
ルーちゃんがこの国の王子の婚約者候補であることは有名だ。
「実は……」
ルーちゃんが何かを言おうとした瞬間、ドアが勢いよく開き金髪碧眼の王子が飛び出してきた。
そして私を見つけた途端、私に向かって手を伸ばしてきたのだ。
「やっと見つけた!ほぐぁっっ」
しかしその手が私に触れる寸前。セバスチャンの回し蹴りが王子をとらえて吹っ飛ばした。
狭い入り口付近で器用に王子だけを蹴り飛ばしたのは拍手ものである。
「汚い手でアイリ様に触るな」
セバスチャンが低い声でそう言うと、蹴り飛ばされた王子はすぐに復活してわめき出した。
「なんだお前は?!この俺を誰だと」
「知るか愚か者め」
掴みかかってこようとした王子の腕を後ろに捻り上げ床に倒し、足で踏みつけた。流れるような動きに惚れ惚れしてしまう。(セバスチャン格好いい!)
「こ、この国の王子に対して不敬な……」
セバスチャンに踏みつけられながら王子がなにか言い出すと、ピシッ!と空気を裂くような音が響いた。
「……無様なお姿ですわね、王子様?」
そこにはにっこり笑顔の(だが目が笑ってない)ルーちゃんが、鞭を持って立っていたのだ。
「ル、ルチア?!なんでここに」
「うふふ、そんなことどうでもいいですわ」
ピシッ!と鞭が王子のすぐ横を打つ。
「ひぃっ」
「アイリちゃんを襲ったことを後悔するがいいですわ」
※この後自主規制。
なんとルーちゃんはツンデレから女王様に進化していたのだった。
ルーちゃんにお仕置きされて目を回した王子をロープでぐるぐる巻きにして、王子を探しに来た護衛の人に渡した。ルーちゃんが「うふふ」と微笑みながら説明すると護衛の人は何も言わず王子を引きずって帰っていった。
どうやら無断で女子寮に侵入したらしい。
「アイリちゃん、申し訳ございませんでしたわ。今の変態はこの国の第1王子ですの」
ルーちゃんはため息をつきながら王家の事情を説明してくれた。(王家の問題をそんな簡単に他人に教えていいのか聞いたけど「アイリちゃんなら問題ありませんわ」と言われた)
実はルーちゃんの婚約はまだ確定していなかったのだ。
本当なら15歳になった時にどちらかの王子に第1王位継承権が与えられ、その与えられた方の王子の婚約者にルーちゃんがなるはずだった。が、なんと両方の王子が「自分には運命の相手がいる!その子じゃないと結婚しない!王位も継がない!」と言い出したそうなのだ。
そのせいで王位継承権の決定は保留とされ、ルーちゃんは二人の婚約者候補のまま宙ぶらりんの状態なのだそうだ。それならいっそ婚約破棄してくれて構わないと訴えたそうなのだが、王位を継ぐ方の王子と結婚してくれないと困る。と大人たちに泣き落としされてしょうがなくいまだに双子王子の婚約者候補のままなので、ルーちゃんも困っているのだとか。
そして、王子たちの想い人は名前もわからない謎の美少女として王族で噂になっていたそうなのだが……。
「まさか第1王子の想い人が、アイリちゃんだったなんて……」
ルーちゃんが困った顔で小さくため息をついた。第1王子とはドS王子。まさかフラグが折れていなかったなんて!
あんなことされたのになぜ想い人になったのか謎しか残らない。しかも私のせいでルーちゃんに迷惑をかけているようだ。
まさかこの事が発端で悪役令嬢に敵視されるのだろうか。親友だと思ってた友達が自分の婚約者候補の心をさらってしまっていて、それが憎しみの始まり……。
そんな心配をしていると、ルーちゃんはまだ手に持っていた鞭をぎゅうぅっとちぎれんばかりに引っ張った。
ビン!と鞭が突っ張り、ルーちゃんが低い声で呟く。
「わたくしの親友に手を出そうなんて、生まれてきたことを後悔させてやろうかしら……」
なんだがルーちゃんと第1王子の間に確執を感じた。
あとでボディーガードさんが教えてくれたのだが、第1王子(やはりドSに開花していた)はルーちゃんに散々いじわるをした挙げ句に「お前の泣き顔はつまらないな」と言い捨て、ルーちゃんがブチ切れたそうなのだ。そして王妃様(王子たちの母親)から鞭の使い方を教え込まれ、ドS王子と対決しては鞭でお仕置きする。を繰り返した結果、ドS王子にはとことん嫌われているのだとか。
だが周りの大人たちからは口の達者(生意気)な第1王子を押さえ込める貴重な淑女としてルーちゃんは尊重されているらしい。
メラメラと静かな怒りに燃えるルーちゃんを宥めてボディーガードさんが鞭を受け取る。(いつでも渡せるように持ってるらしい)やっと落ち着いたルーちゃんはまずセバスチャンを褒め称えた。
「先程の回し蹴りといい、押さえ込みといい、素晴らしかったですわ。さすがはアイリちゃんの執事ですわね」
「ありがとうございます。穢らわしい害虫がいましたのでつい駆除してしまいました」
「あの害虫はしつこいと思いますからこれからも注意して下さいませ」
二人とも「ふふふ」と微笑んでいるが目が笑っていない。
「すぐにでもアイリちゃんを諦めるように全殺しにしてやろうかしら……」
「証拠など残さずに完璧にやれば問題ないでしょう」
なぜかここに謎の害虫駆除同盟ができてしまったのだった。
ルーちゃんがぽんっと手を叩いて教えてくれました。ええ、よく知ってます。
ドSかドMかはわからなかったが(すでに倒れていたから)でも私がフラグをへし折ってるからどちらもSMには目覚めておらず普通の王子になっているはずだと思い直す。が、
「思わずドアを閉めちゃったけど、放置したらダメかな?」
やっぱり関わりたくない気持ちの方が大きかった。
「ごめんなさい、アイリちゃん。たぶんわたくしの婚約者の方だと思いますの」
ルーちゃんが申し訳なさそうに言う。そうだった。ルーちゃんは王子たちの婚約者候補で、15歳になったらどちらかの婚約者になっているのだった。
そういえばゲームではヒロインが選んだ方の王子の婚約者になっていたけど、今の私は誰も攻略対象に選んでいない。この場合はどちらの婚約者になっているのだろうか?
「ルーちゃんの婚約者って、どっちの王子?」
ルーちゃんがこの国の王子の婚約者候補であることは有名だ。
「実は……」
ルーちゃんが何かを言おうとした瞬間、ドアが勢いよく開き金髪碧眼の王子が飛び出してきた。
そして私を見つけた途端、私に向かって手を伸ばしてきたのだ。
「やっと見つけた!ほぐぁっっ」
しかしその手が私に触れる寸前。セバスチャンの回し蹴りが王子をとらえて吹っ飛ばした。
狭い入り口付近で器用に王子だけを蹴り飛ばしたのは拍手ものである。
「汚い手でアイリ様に触るな」
セバスチャンが低い声でそう言うと、蹴り飛ばされた王子はすぐに復活してわめき出した。
「なんだお前は?!この俺を誰だと」
「知るか愚か者め」
掴みかかってこようとした王子の腕を後ろに捻り上げ床に倒し、足で踏みつけた。流れるような動きに惚れ惚れしてしまう。(セバスチャン格好いい!)
「こ、この国の王子に対して不敬な……」
セバスチャンに踏みつけられながら王子がなにか言い出すと、ピシッ!と空気を裂くような音が響いた。
「……無様なお姿ですわね、王子様?」
そこにはにっこり笑顔の(だが目が笑ってない)ルーちゃんが、鞭を持って立っていたのだ。
「ル、ルチア?!なんでここに」
「うふふ、そんなことどうでもいいですわ」
ピシッ!と鞭が王子のすぐ横を打つ。
「ひぃっ」
「アイリちゃんを襲ったことを後悔するがいいですわ」
※この後自主規制。
なんとルーちゃんはツンデレから女王様に進化していたのだった。
ルーちゃんにお仕置きされて目を回した王子をロープでぐるぐる巻きにして、王子を探しに来た護衛の人に渡した。ルーちゃんが「うふふ」と微笑みながら説明すると護衛の人は何も言わず王子を引きずって帰っていった。
どうやら無断で女子寮に侵入したらしい。
「アイリちゃん、申し訳ございませんでしたわ。今の変態はこの国の第1王子ですの」
ルーちゃんはため息をつきながら王家の事情を説明してくれた。(王家の問題をそんな簡単に他人に教えていいのか聞いたけど「アイリちゃんなら問題ありませんわ」と言われた)
実はルーちゃんの婚約はまだ確定していなかったのだ。
本当なら15歳になった時にどちらかの王子に第1王位継承権が与えられ、その与えられた方の王子の婚約者にルーちゃんがなるはずだった。が、なんと両方の王子が「自分には運命の相手がいる!その子じゃないと結婚しない!王位も継がない!」と言い出したそうなのだ。
そのせいで王位継承権の決定は保留とされ、ルーちゃんは二人の婚約者候補のまま宙ぶらりんの状態なのだそうだ。それならいっそ婚約破棄してくれて構わないと訴えたそうなのだが、王位を継ぐ方の王子と結婚してくれないと困る。と大人たちに泣き落としされてしょうがなくいまだに双子王子の婚約者候補のままなので、ルーちゃんも困っているのだとか。
そして、王子たちの想い人は名前もわからない謎の美少女として王族で噂になっていたそうなのだが……。
「まさか第1王子の想い人が、アイリちゃんだったなんて……」
ルーちゃんが困った顔で小さくため息をついた。第1王子とはドS王子。まさかフラグが折れていなかったなんて!
あんなことされたのになぜ想い人になったのか謎しか残らない。しかも私のせいでルーちゃんに迷惑をかけているようだ。
まさかこの事が発端で悪役令嬢に敵視されるのだろうか。親友だと思ってた友達が自分の婚約者候補の心をさらってしまっていて、それが憎しみの始まり……。
そんな心配をしていると、ルーちゃんはまだ手に持っていた鞭をぎゅうぅっとちぎれんばかりに引っ張った。
ビン!と鞭が突っ張り、ルーちゃんが低い声で呟く。
「わたくしの親友に手を出そうなんて、生まれてきたことを後悔させてやろうかしら……」
なんだがルーちゃんと第1王子の間に確執を感じた。
あとでボディーガードさんが教えてくれたのだが、第1王子(やはりドSに開花していた)はルーちゃんに散々いじわるをした挙げ句に「お前の泣き顔はつまらないな」と言い捨て、ルーちゃんがブチ切れたそうなのだ。そして王妃様(王子たちの母親)から鞭の使い方を教え込まれ、ドS王子と対決しては鞭でお仕置きする。を繰り返した結果、ドS王子にはとことん嫌われているのだとか。
だが周りの大人たちからは口の達者(生意気)な第1王子を押さえ込める貴重な淑女としてルーちゃんは尊重されているらしい。
メラメラと静かな怒りに燃えるルーちゃんを宥めてボディーガードさんが鞭を受け取る。(いつでも渡せるように持ってるらしい)やっと落ち着いたルーちゃんはまずセバスチャンを褒め称えた。
「先程の回し蹴りといい、押さえ込みといい、素晴らしかったですわ。さすがはアイリちゃんの執事ですわね」
「ありがとうございます。穢らわしい害虫がいましたのでつい駆除してしまいました」
「あの害虫はしつこいと思いますからこれからも注意して下さいませ」
二人とも「ふふふ」と微笑んでいるが目が笑っていない。
「すぐにでもアイリちゃんを諦めるように全殺しにしてやろうかしら……」
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なぜかここに謎の害虫駆除同盟ができてしまったのだった。
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