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筋肉の塊って恐怖しかない
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入学式から1週間が過ぎた。
残念なことにルーちゃんとはクラスが離れてしまった。しかしルーちゃんのクラスにはなんと双子王子がいたので、ルーちゃんが鞭をビシバシやって牽制してくれているらしく今のところ私の回りは平和だ。(合間にセバスチャンに色仕掛けをしかけるも失敗したのだけが残念だが)
時々セバスチャンが見当たらないなーと思ったらどこからともなく現れて「ちょっと害虫駆除をしてきました」と、執事スマイルを見せるときがあったので、たぶん王子たちがうろちょろしていたのだと思われる。
そんなある日、生徒達の間である噂が流れた。
それは「隣国の王子が交換留学で学園にやってくる」というもので、嫌な予感しかしない。隣国の色黒王子のフラグもへし折ったはずだが、双子王子の事を考えるともしかして……と思ってしまったのだ。でも色黒王子は1学年上のはずだし、授業などで会うことはないだろう。……と思っていた頃が私にもありました。(遠い目)
「本日これより、交換留学生として隣国の王子がお越しになられる!決して失礼の無いように!そして王子からの要望を伝える!
この学園にピンクゴールドの髪にエメラルドグリーンの瞳を持つ女生徒がいるならば王子のお出迎えをするように!
もし隠したり逃げたりした場合はこの国との平和条例は無くなるものとする!」
朝から講堂に集められたと思ったら、なんだかふっさふさの髭をはやして頭がつるりな偉そうなおじさんが偉そうな態度で偉そうにそう叫んでいた。
ピンクゴールドの髪にエメラルドグリーンの瞳……。
講堂にいる全生徒が一斉に私を見た。そんなドンピシャな容姿の女生徒は私しかいないじゃないか。逃げる気満々だったのに、平和条例を持ち出すとか王子の職権乱用だ!っていうかそんな理由で王様同士の決めた条例が破られていいのか?!
しかし隣国の王様は「筋肉こそ全て!力こそが正義!あの国のやつらはヒョロヒョロでいつでも潰せる!」とか言っちゃってる脳筋馬鹿だった。無茶苦茶な理由だが、ゲームの強制力の強さを考えるとなんでもアリなのかもしれない。
頭を抱える私の他にも不穏なオーラを出している人が数人いた。双子王子とルーちゃん。そして講堂の隅で待機していたセバスチャンだった。
「俺の女を指名するだと……」
「僕の女神が……」
「隣国にまで狙われるなんて……!」
「……どうやって排除しましょうか」
この時だけは4人の心はひとつになったとかなんとか。
******
そして逃げる事もできず、私は隣国の王子のお迎えをするはめになってしまった。
双子王子やルーちゃんが先生たちに抗議をしてくれたが下手に断って隣国と戦争になどなってしまったらという恐怖でダメだったようだ。ルーちゃんがそれならば!と、私の専属執事だからセバスチャンだけは一緒にいていいことにして欲しい!と頼み込んでくれたおかげで私の後ろにはセバスチャンがいてくれる。ルーちゃんにはまたもや感謝しかない。
「王子様のおなーりー」
髭ふさハゲおやじが仰々しくドアを開ける。そして隣国の色黒王子が姿を現した。
「…………!」
私は色黒王子を見た瞬間、悲鳴をあげそうになるのを必死にこらえた。思わず一歩下がってしまいセバスチャンにぶつかってしまうが、セバスチャンが肩に優しく手を添えてくれたのでなんとか平静を保てた。
なんとそこには、
「おぉ!君こそあのときのレディ!やはりオレと君は運命の相手だったか!」
こんがりと焼けた黒い肌にやたらと白い歯をキラリと輝かせ、ふたまわりは大きいだろう体はムッキムキの筋肉がはち切れんばかりの制服の中に押し込まれていた。筋肉の山はテッカテカにオイルが塗られていて、ずっとなぜか変なポージングをしている。
時折胸の筋肉をピクピクとこれ見よがしに動かし、自信満々で私に筋肉を見せつけると、キラーンとまた歯を輝かせて笑顔でこう言った。
「君を迎えにきたよ!さぁ、オレの胸に飛び込んでおいで!」
その瞬間、私はあまりの気持ち悪さに真っ青になって気絶してしまった。吐かなかっただけマシだと思って欲しい。
はっきりいってゴキ○リの次に筋肉マッチョが嫌いなのだった…………。
*******
ふらりとアイリが倒れ、それをセバスチャンが抱き止める。顔は真っ青になって気絶しているようだった。
「レディ?!そんな、オレに再び会えて感激のあまりに気を失ったのか!」
「それは仕方ありませんな。王子は国1番の筋肉をお持ちの素晴らしい殿方ですから」
筋肉とハゲがニヤニヤしながらそんな会話をしている。
「おい、そこのお前。レディの執事だったか?その子はオレが介抱するからこちらに――――」
筋肉がアイリに触れようと手を伸ばしたが、その手をセバスチャンがアイリを抱き上げたまますっと避けた。
「おい、そこの執事」
「申し訳ありませんが、勝手に触れないでいただけますか」
セバスチャンがにっこり執事スマイルでそう言うと、筋肉とハゲはあからさまにセバスチャンを見下した。
「きさま、たかが執事の分際でオレに逆らうなど……」
「このお方は隣国の王子だぞ!その娘を渡さねば平和条例を破棄するとおっ」
「黙れ」
セバスチャンが無表情になり低い声でひと言呟くと、とたんに筋肉とハゲは顔色を悪くしその場に崩れた。
「ひっ…………!」
「そのたかが執事に気圧される程度の分際で、アイリ様に触れるな」
隣国の王子にとって、力こそ正義。こんなヒョロヒョロの執事に気圧され膝をついたなど恥でしかなかった。ちなみにハゲは泡を吹いて気絶している。
「では、失礼させていただきます」
セバスチャンは再び執事スマイルになり、軽く一礼すると部屋を後にする。しばらくしてやっと動けるようになった筋肉王子はメラメラと闘志を燃やし、打倒セバスチャンを誓ったとかなんとか……。
残念なことにルーちゃんとはクラスが離れてしまった。しかしルーちゃんのクラスにはなんと双子王子がいたので、ルーちゃんが鞭をビシバシやって牽制してくれているらしく今のところ私の回りは平和だ。(合間にセバスチャンに色仕掛けをしかけるも失敗したのだけが残念だが)
時々セバスチャンが見当たらないなーと思ったらどこからともなく現れて「ちょっと害虫駆除をしてきました」と、執事スマイルを見せるときがあったので、たぶん王子たちがうろちょろしていたのだと思われる。
そんなある日、生徒達の間である噂が流れた。
それは「隣国の王子が交換留学で学園にやってくる」というもので、嫌な予感しかしない。隣国の色黒王子のフラグもへし折ったはずだが、双子王子の事を考えるともしかして……と思ってしまったのだ。でも色黒王子は1学年上のはずだし、授業などで会うことはないだろう。……と思っていた頃が私にもありました。(遠い目)
「本日これより、交換留学生として隣国の王子がお越しになられる!決して失礼の無いように!そして王子からの要望を伝える!
この学園にピンクゴールドの髪にエメラルドグリーンの瞳を持つ女生徒がいるならば王子のお出迎えをするように!
もし隠したり逃げたりした場合はこの国との平和条例は無くなるものとする!」
朝から講堂に集められたと思ったら、なんだかふっさふさの髭をはやして頭がつるりな偉そうなおじさんが偉そうな態度で偉そうにそう叫んでいた。
ピンクゴールドの髪にエメラルドグリーンの瞳……。
講堂にいる全生徒が一斉に私を見た。そんなドンピシャな容姿の女生徒は私しかいないじゃないか。逃げる気満々だったのに、平和条例を持ち出すとか王子の職権乱用だ!っていうかそんな理由で王様同士の決めた条例が破られていいのか?!
しかし隣国の王様は「筋肉こそ全て!力こそが正義!あの国のやつらはヒョロヒョロでいつでも潰せる!」とか言っちゃってる脳筋馬鹿だった。無茶苦茶な理由だが、ゲームの強制力の強さを考えるとなんでもアリなのかもしれない。
頭を抱える私の他にも不穏なオーラを出している人が数人いた。双子王子とルーちゃん。そして講堂の隅で待機していたセバスチャンだった。
「俺の女を指名するだと……」
「僕の女神が……」
「隣国にまで狙われるなんて……!」
「……どうやって排除しましょうか」
この時だけは4人の心はひとつになったとかなんとか。
******
そして逃げる事もできず、私は隣国の王子のお迎えをするはめになってしまった。
双子王子やルーちゃんが先生たちに抗議をしてくれたが下手に断って隣国と戦争になどなってしまったらという恐怖でダメだったようだ。ルーちゃんがそれならば!と、私の専属執事だからセバスチャンだけは一緒にいていいことにして欲しい!と頼み込んでくれたおかげで私の後ろにはセバスチャンがいてくれる。ルーちゃんにはまたもや感謝しかない。
「王子様のおなーりー」
髭ふさハゲおやじが仰々しくドアを開ける。そして隣国の色黒王子が姿を現した。
「…………!」
私は色黒王子を見た瞬間、悲鳴をあげそうになるのを必死にこらえた。思わず一歩下がってしまいセバスチャンにぶつかってしまうが、セバスチャンが肩に優しく手を添えてくれたのでなんとか平静を保てた。
なんとそこには、
「おぉ!君こそあのときのレディ!やはりオレと君は運命の相手だったか!」
こんがりと焼けた黒い肌にやたらと白い歯をキラリと輝かせ、ふたまわりは大きいだろう体はムッキムキの筋肉がはち切れんばかりの制服の中に押し込まれていた。筋肉の山はテッカテカにオイルが塗られていて、ずっとなぜか変なポージングをしている。
時折胸の筋肉をピクピクとこれ見よがしに動かし、自信満々で私に筋肉を見せつけると、キラーンとまた歯を輝かせて笑顔でこう言った。
「君を迎えにきたよ!さぁ、オレの胸に飛び込んでおいで!」
その瞬間、私はあまりの気持ち悪さに真っ青になって気絶してしまった。吐かなかっただけマシだと思って欲しい。
はっきりいってゴキ○リの次に筋肉マッチョが嫌いなのだった…………。
*******
ふらりとアイリが倒れ、それをセバスチャンが抱き止める。顔は真っ青になって気絶しているようだった。
「レディ?!そんな、オレに再び会えて感激のあまりに気を失ったのか!」
「それは仕方ありませんな。王子は国1番の筋肉をお持ちの素晴らしい殿方ですから」
筋肉とハゲがニヤニヤしながらそんな会話をしている。
「おい、そこのお前。レディの執事だったか?その子はオレが介抱するからこちらに――――」
筋肉がアイリに触れようと手を伸ばしたが、その手をセバスチャンがアイリを抱き上げたまますっと避けた。
「おい、そこの執事」
「申し訳ありませんが、勝手に触れないでいただけますか」
セバスチャンがにっこり執事スマイルでそう言うと、筋肉とハゲはあからさまにセバスチャンを見下した。
「きさま、たかが執事の分際でオレに逆らうなど……」
「このお方は隣国の王子だぞ!その娘を渡さねば平和条例を破棄するとおっ」
「黙れ」
セバスチャンが無表情になり低い声でひと言呟くと、とたんに筋肉とハゲは顔色を悪くしその場に崩れた。
「ひっ…………!」
「そのたかが執事に気圧される程度の分際で、アイリ様に触れるな」
隣国の王子にとって、力こそ正義。こんなヒョロヒョロの執事に気圧され膝をついたなど恥でしかなかった。ちなみにハゲは泡を吹いて気絶している。
「では、失礼させていただきます」
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