変な人だと思うのは、私だけ？

あるある？

整骨院での会話

ある整骨院での話

カーテンで仕切られたベットに電気治療をしている時、隣りから話し声が聞こえてきた。

「今日は、調子どうですか？」

常連さんなんだろうなぁ。なんて思いながら聞いていると

「今日は、足の裏が痛くて」
声の感じから60後半の女性だろうか？
ま、そんな事はどっちでもいいんだけれど……

「そうなのですね。足をみたいので靴下脱いでもらっていいですか？」

足の裏を見たいらしい……
足の裏が痛いんだから、そりゃそうだよね。

電気治療が効いて来てウトウトしてきた私は、このまま寝ちゃって良いか……と、寝かけていた。

そんな時、年配の女性が
「ダメです！」

寝かけていた私は、何？何がダメ？

「ダメですか？」
整体師の声

「絶対ダメです！」
年配の女性が、強い口調で言う。

何がダメなんだろ？
一瞬寝てしまったのかな？
何が起きたんだろ？

「靴下脱いでもらわないと、わかんないんですけど？ダメですか？」

あーさっきの続きだったわけだ。
数秒しか経ってない。

「靴下だけは、絶対脱ぎません！」
年配の女性は、言い切る。

なんで脱ぎたくないんだろ？
靴下履いてたら電気治療できないよね。

私は、ちなみに裸足で来ている。

整体師は、流石に上手く切り替えた。
「じゃ、靴下の上から触らせて下さいね」

年配の女性は、それならいいと納得したらしい。

「これ痛いですか？」
優しい声でたずねる。

「あ！そ、れ！痛いです！」

痛いなら、靴下脱いだらいいのになぁ？

「電気治療するので靴下の間から入れて良いですか？」

「それなら我慢します」
我慢？はい？我慢しないといけないレベルなのか？
私の頭の中にハテナが渦巻く。
気になるなー……
なんで脱ぎたくないんだろ？
そう思っていると、年配の女性が話しだした。

「すいませんねー靴下脱ぐのはこの上無く恥ずかしいんですよ私……」

え？恥ずかしいのが理由？
えー！ウソー！

しかし整体師は、百戦錬磨だ。

「人それぞれありますからね。大丈夫ですよ」
優しく言う。
優しく言われたからか？話しを続ける年配の女性。

「パンツを脱ぐのと、靴下脱ぐのどちらか？って言われたらパンツ脱ぎます！」

えー！言ったよ！
パンツ……下着のパンティだよね。ズボンのパンツでは無く。
ま、世の中色々考え方があるから仕方ない。

パンツより脱ぐのが恥ずかしいなんて言い切るんだから、そうなんだろうなぁ……

きっと、この人はプールにもお風呂屋さんにも、温泉にも行かないんだろう。
それが、この人には無理のない生活が成り立つに決まってる。

靴下脱ぐ、脱がない……
たったそれだけで、声だけの女性の生活を垣間見た気がした。
世の中色んな人がいるもんだ。