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[2-1]Lesson*2 Kiss
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***
翌朝、とてもスッキリと目覚めたアデリーゼは、同じベッドにレオナルドが寝なかった事を知る。さすがに一緒には寝ないのかぁ、と、ちょっとだけ残念な気持ちになったことは秘密にしておく。そうだよね、授業だもんね。
それにしても、昨夜はとても恥ずかしい思いをしたけれど、それよりも。気持ちがよかった……。お兄様の指が私の胸をこう、と思い出すと、下腹が疼く感覚がした。足も見られちゃった。あ、やっぱり恥ずかしい!とバタバタしていたら。
「お嬢様、お目覚めですか?」
ドアの外から侍女さんに声をかけられ「はぁい」と間抜けな返事をする。ガチャリとドアが開いた。
「お支度をして、朝食になさいますか?」
「そうね。お兄様はどうしてらっしゃるの?」
「閣下も先程お目覚めになりました。ダイニングでご一緒されますか?」
「そうしてもらおうかしら。ご挨拶したいわ。」
「かしこまりました。」
扉の影に控えていた侍女が知らせに行くらしい。さすが公爵別邸、何かと行き届いてるなぁ。と思いながら、先に声をかけてくれた年配の侍女さんに支度を手伝ってもらう。
「今日はどちらのお召し物になさいますか?」
と、部屋のクロゼットを開けられた瞬間、驚きに目と口をぽかんと開けてしまった。
「……なんですの、これ?!」
そこにはぎっしりと、女性服が詰められていたのである。自分の持ってきた数枚のデイドレスも端っこにちょこんと吊るされているが、これは一体?!まさかお兄様が前にお付き合いのあった方の、とか……?という想像を侍女さんが遮る。
「全て、こちらのお部屋と一緒に閣下がお仕立てになられました」
「部屋と?仕立て?!えっ、意味がわかりません……」
混乱のあまり、口調がぞんざいになる。侍女さんも苦笑いだ。
「お嬢様がこちらにいらっしゃるのを、閣下はとても楽しみにしておられたのです。お嬢様の懇意にしてるメゾンから人を呼び、あれこれ悩んでおられましたよ。」
「お兄様……何してるのかしら……」
「さぁ、どちらになさいますか?」
柔らかく笑う侍女さんと一緒に、ドレスを選ぶ。そのどれもが素敵なもので、これは毎朝楽しみができた、とリゼはとても嬉しい気持ちになった。
***
「お兄様、おはようございます」
新しいドレスで意気揚々とダイニングに向かうと、お兄様は襟元を寛げたシャツにシンプルなトラウザーズという、ラフなのにどこか上質な雰囲気の格好で本を読んでいた。
「おはようリゼ。そのドレス、とても似合っているよ」
「ありがとうございます。でもお兄様、あのクロゼットは、やり過ぎではありません?」
くすくすと笑いながら席につくと、レオナルドは本を閉じて首を傾げた。
「あれ、気に入らなかったかい?」
「びっくりしたんです。とても嬉しかったわ!ありがとうございます。でも、ご散財では?」
「喜んでくれたら、それでいいんだよ。君が可愛くしててくれたら私も嬉しいんだ。」
優しげに甘く笑うレオナルドの笑顔に心臓を鷲掴みにされる。
「うっ」
「リゼ?大丈夫?」
「だ、大丈夫です、なんというか……」
騎士様に感じる「きゅん」の最上級みたいなのに襲われたわっ!
しばらく会ってなかったせいか、その笑顔の破壊力が半端ない。これはどちらの貴婦人でも、ひとたまりもないだろうな……と、アデリーゼは心の防波堤を少し上げねばと自戒する。
「ごちそうさまです……」
「食事はこれからだよ?」
お先に心の栄養をいただきましたわ。お兄様は少し首を傾げながら笑っている。朝からいいもの見たなぁ、とアデリーゼもにこにこしながら朝食をとった。
***
その日は一緒に庭を散歩したり、レオナルドが家の仕事をする間は昼寝をしたりとまったりした1日を過ごし、あっという間に夜になっていた。
昨夜のようにベッドの上で、レオナルドをクッションにするように二人はくっついて座っていた。
「お兄様、始める前に聞いてもいい?」
「名前」
「……レオ」
「うん、何かな」
とても嬉しそうに答えるので、お名前を呼ぶのはすっかり許された、と思おう。
「あの、私とこういう事をしていて、今レオとお付き合いされてる方は大丈夫なのかしら、と……」
それはこの話が来た時から気になっていた事だった。
「心配してくれたんだ?ありがとう、優しいね。でも今は誰とも付き合ってないよ。最初に少し言ったけど、魔力が高まっている時期は、相手を疲れさせてしまうしね」
「そうなんですね。それなら良かった。私なら、魔力の影響ありませんしね」
さらりと言った言葉に、レオナルドがはっとしたようにアデリーゼを見た。
「レオ?」
「ああ、うん。そうだね。リゼなら大丈夫だ。」
「今日はどんなことをするの?」
「そうだな、昨日と同じようなことだけど……ちょっと趣向を変えてみようかな。」
「趣向?」
「ああ。お姫様が、飽きないように、ね。」
見上げた笑顔が少しだけ朝のものより欲に侵されているように見え、アデリーゼはまた顔を赤らめた。
***
「や、ダメっ!レオ、何を」
「大丈夫だよ、これも作法。」
「こんな作法があるんですかっ?!」
「あるから、しているの。ほら、観念して足を広げなさい。」
ほんとに?!と羞恥で真っ赤になった顔をつい、両手で覆う。レオナルドはその隙をついてアデリーゼの膝を掴み、そっと押し開きながら、そこへ身体を割り込ませた。また足も下着もすっかり見られてしまう。
「この閨教育は純潔を奪わないことを約束してるけど……少し、深いところまでは進めるつもりだ。」
「深い……?」
「うん。普通は触れるにしても、こうして下着の上から触れて教えるんだけど」
「ひゃ」
下着の上からそっと襞をなぞられ、期待するように腰が揺れる。
「全部脱がせないけど、今日は直接触ろうと思う」
「え……。それ、そんなキリッと言うところじゃないです……」
「キリっとしてた?」
「してる……レオ、えっち」
「男はみんな、そんなものなんだよ。そういう事も、意識してみて欲しくてね。」
これ本当に、作法教育なの?という言葉を紡ぐ前に、レオナルドの顔が間近に来て、口を噤む。
「もうひとつ。これは、リゼが決めていいんだけど……キスは、どうする?」
「ええと……」
「リゼが嫌なら、しない。女性にとって、純潔とキスは守りたいものらしいからね。」
「しても、しなくても……いいの?」
「うん。どうしたい?」
額をこつん、とつけて甘い瞳が笑う。目の前には薄く形のいいレオナルドの唇が、誘うように開いている。
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翌朝、とてもスッキリと目覚めたアデリーゼは、同じベッドにレオナルドが寝なかった事を知る。さすがに一緒には寝ないのかぁ、と、ちょっとだけ残念な気持ちになったことは秘密にしておく。そうだよね、授業だもんね。
それにしても、昨夜はとても恥ずかしい思いをしたけれど、それよりも。気持ちがよかった……。お兄様の指が私の胸をこう、と思い出すと、下腹が疼く感覚がした。足も見られちゃった。あ、やっぱり恥ずかしい!とバタバタしていたら。
「お嬢様、お目覚めですか?」
ドアの外から侍女さんに声をかけられ「はぁい」と間抜けな返事をする。ガチャリとドアが開いた。
「お支度をして、朝食になさいますか?」
「そうね。お兄様はどうしてらっしゃるの?」
「閣下も先程お目覚めになりました。ダイニングでご一緒されますか?」
「そうしてもらおうかしら。ご挨拶したいわ。」
「かしこまりました。」
扉の影に控えていた侍女が知らせに行くらしい。さすが公爵別邸、何かと行き届いてるなぁ。と思いながら、先に声をかけてくれた年配の侍女さんに支度を手伝ってもらう。
「今日はどちらのお召し物になさいますか?」
と、部屋のクロゼットを開けられた瞬間、驚きに目と口をぽかんと開けてしまった。
「……なんですの、これ?!」
そこにはぎっしりと、女性服が詰められていたのである。自分の持ってきた数枚のデイドレスも端っこにちょこんと吊るされているが、これは一体?!まさかお兄様が前にお付き合いのあった方の、とか……?という想像を侍女さんが遮る。
「全て、こちらのお部屋と一緒に閣下がお仕立てになられました」
「部屋と?仕立て?!えっ、意味がわかりません……」
混乱のあまり、口調がぞんざいになる。侍女さんも苦笑いだ。
「お嬢様がこちらにいらっしゃるのを、閣下はとても楽しみにしておられたのです。お嬢様の懇意にしてるメゾンから人を呼び、あれこれ悩んでおられましたよ。」
「お兄様……何してるのかしら……」
「さぁ、どちらになさいますか?」
柔らかく笑う侍女さんと一緒に、ドレスを選ぶ。そのどれもが素敵なもので、これは毎朝楽しみができた、とリゼはとても嬉しい気持ちになった。
***
「お兄様、おはようございます」
新しいドレスで意気揚々とダイニングに向かうと、お兄様は襟元を寛げたシャツにシンプルなトラウザーズという、ラフなのにどこか上質な雰囲気の格好で本を読んでいた。
「おはようリゼ。そのドレス、とても似合っているよ」
「ありがとうございます。でもお兄様、あのクロゼットは、やり過ぎではありません?」
くすくすと笑いながら席につくと、レオナルドは本を閉じて首を傾げた。
「あれ、気に入らなかったかい?」
「びっくりしたんです。とても嬉しかったわ!ありがとうございます。でも、ご散財では?」
「喜んでくれたら、それでいいんだよ。君が可愛くしててくれたら私も嬉しいんだ。」
優しげに甘く笑うレオナルドの笑顔に心臓を鷲掴みにされる。
「うっ」
「リゼ?大丈夫?」
「だ、大丈夫です、なんというか……」
騎士様に感じる「きゅん」の最上級みたいなのに襲われたわっ!
しばらく会ってなかったせいか、その笑顔の破壊力が半端ない。これはどちらの貴婦人でも、ひとたまりもないだろうな……と、アデリーゼは心の防波堤を少し上げねばと自戒する。
「ごちそうさまです……」
「食事はこれからだよ?」
お先に心の栄養をいただきましたわ。お兄様は少し首を傾げながら笑っている。朝からいいもの見たなぁ、とアデリーゼもにこにこしながら朝食をとった。
***
その日は一緒に庭を散歩したり、レオナルドが家の仕事をする間は昼寝をしたりとまったりした1日を過ごし、あっという間に夜になっていた。
昨夜のようにベッドの上で、レオナルドをクッションにするように二人はくっついて座っていた。
「お兄様、始める前に聞いてもいい?」
「名前」
「……レオ」
「うん、何かな」
とても嬉しそうに答えるので、お名前を呼ぶのはすっかり許された、と思おう。
「あの、私とこういう事をしていて、今レオとお付き合いされてる方は大丈夫なのかしら、と……」
それはこの話が来た時から気になっていた事だった。
「心配してくれたんだ?ありがとう、優しいね。でも今は誰とも付き合ってないよ。最初に少し言ったけど、魔力が高まっている時期は、相手を疲れさせてしまうしね」
「そうなんですね。それなら良かった。私なら、魔力の影響ありませんしね」
さらりと言った言葉に、レオナルドがはっとしたようにアデリーゼを見た。
「レオ?」
「ああ、うん。そうだね。リゼなら大丈夫だ。」
「今日はどんなことをするの?」
「そうだな、昨日と同じようなことだけど……ちょっと趣向を変えてみようかな。」
「趣向?」
「ああ。お姫様が、飽きないように、ね。」
見上げた笑顔が少しだけ朝のものより欲に侵されているように見え、アデリーゼはまた顔を赤らめた。
***
「や、ダメっ!レオ、何を」
「大丈夫だよ、これも作法。」
「こんな作法があるんですかっ?!」
「あるから、しているの。ほら、観念して足を広げなさい。」
ほんとに?!と羞恥で真っ赤になった顔をつい、両手で覆う。レオナルドはその隙をついてアデリーゼの膝を掴み、そっと押し開きながら、そこへ身体を割り込ませた。また足も下着もすっかり見られてしまう。
「この閨教育は純潔を奪わないことを約束してるけど……少し、深いところまでは進めるつもりだ。」
「深い……?」
「うん。普通は触れるにしても、こうして下着の上から触れて教えるんだけど」
「ひゃ」
下着の上からそっと襞をなぞられ、期待するように腰が揺れる。
「全部脱がせないけど、今日は直接触ろうと思う」
「え……。それ、そんなキリッと言うところじゃないです……」
「キリっとしてた?」
「してる……レオ、えっち」
「男はみんな、そんなものなんだよ。そういう事も、意識してみて欲しくてね。」
これ本当に、作法教育なの?という言葉を紡ぐ前に、レオナルドの顔が間近に来て、口を噤む。
「もうひとつ。これは、リゼが決めていいんだけど……キスは、どうする?」
「ええと……」
「リゼが嫌なら、しない。女性にとって、純潔とキスは守りたいものらしいからね。」
「しても、しなくても……いいの?」
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