6 / 6
6
場面6
しおりを挟む
――ロイコは失敗作じゃ。
「へ、へぇぇ、……そうかなぁ」
給食の時間、スズ子はつくえでボーっと、博士の言葉をおもいだしていた。
「なんか、しずかだよね」
すると、となりで給食を食べおえた赤井さんが、ヒソヒソ声ではなしかけてきた。
「みんな、つくえでボーっとしてる」
「へ、あ、だよねぇ、空気、おもいよねぇ」
あのじけんのあと、スズ子のクラスからは、アンドーシュウサイもすがたを消してしまっていた。
「井上さん、いざシュウサイもいなくなると、さみしいものね」
「な、なるよねぇ、わたしたちのそばには、ずっとロボットがいたもんねぇ」
シーン。
もうだれも、教室でボールをなげようとはしなかった。
「おこる人がいないと、はんたいに、はしゃがないのよね」
「あるよねぇ、言われるから、ていこうする、みたいなぁ」
――ロイコは失敗作じゃ。
また、博士の言葉がスズ子の頭をよぎっていった。
「はぁー。でもぉ、いやぁ、はぁー」
ロイちゃんは、たしかにめいわくをかけたかもしれない。
ロイちゃんは、たしかにベラベラしゃべるかもしれない。
ロイちゃんは、たしかにわがままかもしれない。
「へー、でもぉ、はぁー」
スズ子は、つくえでぎゅっと空気をつかんだ。
けれどもう、スズ子の手は、ロイちゃんをにぎってはいなかった。
「はー、なんかダメだぁ、わたし、ダメだぁ……」
キーンコーンカーンコーン。
スズ子がつくえでぐったりしていると、
「なんだーここは? しゃべっちゃいけない図書室か? いやちがうぞ、ここは教室じゃないか。みんな、もっとはしゃいでいいんだぞー、わっはっは!」
ときん肉ムキムキの先生がやってきた。
「アンドーシュウサイは、もうだいじょうぶじゃ」
と、シュウサイをしゅう理していた博士もいっしょだった。
「ところで、みんな元気がないようじゃなあ」
シーン。
「ロイコは失敗じゃったが、またシュウサイがもどってくる」
そのとき、スズ子の頭のなかで、なにかがピンとはりつめた。
「これだけ教室が静かになる。きっとシュウサイは、クラスのにんきものだったのじゃろう。それにたいして、ロイコは大失敗じゃった」
ピンとはりつめたものが、さらにピーンとはっていった。
「あんなロボットは、めいわくになるだけじゃ」
プッツーン、ガタッ!
「ろ、ロイちゃんの悪口はっ」
気がつくと、はりつめていたなにかが頭のなかできれ、スズ子は席を立ちあがっていた。
「ロイちゃんの悪口は、もう言わないでっ!」
スズ子のいきおいに、みんながキョトンとした。
「え! い、いまのって」
「……い、井上だよな?」
ざわざわ。
「あぁ、はぁぁ!」
ドキドキドキ。
席をたち、大声をだし、だれよりもビックリしたのは、スズ子じしんだった。
「へ、へえぇぇ! や、やって……もうたぁ」
「あの井上が、さけんだ!」
ざわざわざわ。
まるでうちゅう人でも見るかのように、みんながスズ子を見つめている。スズ子はもう、どうしていいのかわからなかった。
ドキドキドキ。
「そ、そのぉ……す、すみましぇーん」
いてもたってもいられなくなって、イスにすわろうとすると、
「どうしたのじゃ? なにか、言いたいことがあるんじゃろう」
と黒板のまえから、博士がじっとスズ子を見つめてきた。
「そ、そのぉ……あ、あー、そのぉ」
「なんじゃ?」
「そ、そのぉ、ロボットはぁ、友だちなもんでぇ……ひ、ひぃ、そ、そのぉ、わたしの、友だちでぇ」
「だから、井上スズ子さんは、どうしたいのじゃ?」
ドキドキドキ。
「ロイちゃんは、たしかに人なつっこいけどぉ……だ、だから自分がちゃんとしなきゃってぇ。たしかに山でまいごになったけどぉ、だから自分でちゃんと地図をひらいてぇ。たしかにリーダーはいやだけどぉ、だからみんなをたいせつにおもえてぇ」
だからみんなで、ぶじに帰ることができたのだ。
ドキドキドキ。
「ロイちゃんは、おしえてくれてぇ。ロボットに助けられてばかりじゃダメだってぇ。それをぉ、教えてくれてぇ」
みんなのまえで、ひっしでしゃべるスズ子の目から、なみだがこぼれおちていった。
「井上さん、がんばって!」
するとだれかの声が聞こえた。
「そ、そのぉ、自分もしっかりしてぇ、ロボットとも仲良くなれたらぁ、もっと楽しくなるってぇ。もうそうなんはしたくないけどぉ、ロボットもぉ……」
「そうなんしないように、おれもしっかりする!」
またクラスのだれかの声がした。
「だからロボットもぉ、めいわくをぉ……たまにはめいわくをぉ、かけてもいいんでぇ。だからぁ、だからぁ、ロイちゃんはそのままでいいんでぇ」
パチパチ。
こんどは、どこかで小さなはくしゅがおこった。
「わたしにロイちゃんを、ロイちゃんをかえしてぇ。かえしてぇ、かえしてぇっ!」
シーン。
気がつくと、スズ子はむねのなかにあった思いを、外へぜんぶぶちまけていた。
ドキドキドキ。
「あ、あぁ……やってぇ、もうたぁ……言ってぇ、もうたぁ……す、すみましぇーん」
ふたたびすわろうとするスズ子に、
「よくぞ言ってくれた!」
と博士がりょう目をほころばせ、大きく手をたたいた。
「井上さん、すてき」
「おまえ、やるじゃないか!」
そしてつぎつぎに、クラスのみんながスズ子に声えんをおくった。
パチパチパチパチパチパチっ、ワアーッ!
しばらくぼーぜんとしたまま、スズ子はみんなのはくしゅかっさいに、じっと耳をすませていた。
「へ、へえぇぇ、へー」
「えらいぞ、井上。はじめてみんなのまえで、ベラベラしゃべったなー、わっはっは!」
もうわけもわからず、スズ子は先生に頭をさげていた。
「やっぱり、ロイコは大成功じゃった」
そこで博士は、ポケットのなかから、スマホをとりだした。
「みんなをためしてわるかった。わしは、ほんとうの気もちをしりたかったのじゃ。ロイコはこれからの未来にかかせない、心をもったロボットだからじゃ」
パッ、ジャジャジャーン!
「みんなロイちゃんよ、ごきげんよう! あれれ、どーかした? しんみりするには、まだわかいんじゃない?」
博士はスズ子の席までやってくると、
「これからのロボットに大切なのは、心じゃ。わしはこれからも、人がやさしくなれて、いっしょに協力しあえる、そんなロボットをつくっていきたい。どうか、ロイコをよろしく」
と言って、ロイちゃんを手わたしてくれたのだ。
「ろ、ロイちゃんだぁ」
グスグス、グス、チーン。
「ヤッホー、スズちゃん。あれれ、泣くのはあたしの仕事よ。ほら、鼻水ふいて」
ガタッ、バタバタバタッ!
「ロイちゃんだ!」
「クラスにロイちゃんが帰ってきたぞ!」
気がつくと、スズ子のまわりには、クラスのみんなが集まっていた。
「みんなも泣いて、どーしたの? あいかわらず、変なクラスね」
ぎゃははは!
スズ子が鼻水をふくと、
「ちょっと見ないうちに、スズちゃんはにんきものね」
とロイちゃんが目をパチリとしてくれた。
「ほらみんな、泣くひまがあったら、こしをふって! たららら~ん、ふらふら~、さあ歌って、おどって! もっと今を、楽しみましょう!」
(了)
「へ、へぇぇ、……そうかなぁ」
給食の時間、スズ子はつくえでボーっと、博士の言葉をおもいだしていた。
「なんか、しずかだよね」
すると、となりで給食を食べおえた赤井さんが、ヒソヒソ声ではなしかけてきた。
「みんな、つくえでボーっとしてる」
「へ、あ、だよねぇ、空気、おもいよねぇ」
あのじけんのあと、スズ子のクラスからは、アンドーシュウサイもすがたを消してしまっていた。
「井上さん、いざシュウサイもいなくなると、さみしいものね」
「な、なるよねぇ、わたしたちのそばには、ずっとロボットがいたもんねぇ」
シーン。
もうだれも、教室でボールをなげようとはしなかった。
「おこる人がいないと、はんたいに、はしゃがないのよね」
「あるよねぇ、言われるから、ていこうする、みたいなぁ」
――ロイコは失敗作じゃ。
また、博士の言葉がスズ子の頭をよぎっていった。
「はぁー。でもぉ、いやぁ、はぁー」
ロイちゃんは、たしかにめいわくをかけたかもしれない。
ロイちゃんは、たしかにベラベラしゃべるかもしれない。
ロイちゃんは、たしかにわがままかもしれない。
「へー、でもぉ、はぁー」
スズ子は、つくえでぎゅっと空気をつかんだ。
けれどもう、スズ子の手は、ロイちゃんをにぎってはいなかった。
「はー、なんかダメだぁ、わたし、ダメだぁ……」
キーンコーンカーンコーン。
スズ子がつくえでぐったりしていると、
「なんだーここは? しゃべっちゃいけない図書室か? いやちがうぞ、ここは教室じゃないか。みんな、もっとはしゃいでいいんだぞー、わっはっは!」
ときん肉ムキムキの先生がやってきた。
「アンドーシュウサイは、もうだいじょうぶじゃ」
と、シュウサイをしゅう理していた博士もいっしょだった。
「ところで、みんな元気がないようじゃなあ」
シーン。
「ロイコは失敗じゃったが、またシュウサイがもどってくる」
そのとき、スズ子の頭のなかで、なにかがピンとはりつめた。
「これだけ教室が静かになる。きっとシュウサイは、クラスのにんきものだったのじゃろう。それにたいして、ロイコは大失敗じゃった」
ピンとはりつめたものが、さらにピーンとはっていった。
「あんなロボットは、めいわくになるだけじゃ」
プッツーン、ガタッ!
「ろ、ロイちゃんの悪口はっ」
気がつくと、はりつめていたなにかが頭のなかできれ、スズ子は席を立ちあがっていた。
「ロイちゃんの悪口は、もう言わないでっ!」
スズ子のいきおいに、みんながキョトンとした。
「え! い、いまのって」
「……い、井上だよな?」
ざわざわ。
「あぁ、はぁぁ!」
ドキドキドキ。
席をたち、大声をだし、だれよりもビックリしたのは、スズ子じしんだった。
「へ、へえぇぇ! や、やって……もうたぁ」
「あの井上が、さけんだ!」
ざわざわざわ。
まるでうちゅう人でも見るかのように、みんながスズ子を見つめている。スズ子はもう、どうしていいのかわからなかった。
ドキドキドキ。
「そ、そのぉ……す、すみましぇーん」
いてもたってもいられなくなって、イスにすわろうとすると、
「どうしたのじゃ? なにか、言いたいことがあるんじゃろう」
と黒板のまえから、博士がじっとスズ子を見つめてきた。
「そ、そのぉ……あ、あー、そのぉ」
「なんじゃ?」
「そ、そのぉ、ロボットはぁ、友だちなもんでぇ……ひ、ひぃ、そ、そのぉ、わたしの、友だちでぇ」
「だから、井上スズ子さんは、どうしたいのじゃ?」
ドキドキドキ。
「ロイちゃんは、たしかに人なつっこいけどぉ……だ、だから自分がちゃんとしなきゃってぇ。たしかに山でまいごになったけどぉ、だから自分でちゃんと地図をひらいてぇ。たしかにリーダーはいやだけどぉ、だからみんなをたいせつにおもえてぇ」
だからみんなで、ぶじに帰ることができたのだ。
ドキドキドキ。
「ロイちゃんは、おしえてくれてぇ。ロボットに助けられてばかりじゃダメだってぇ。それをぉ、教えてくれてぇ」
みんなのまえで、ひっしでしゃべるスズ子の目から、なみだがこぼれおちていった。
「井上さん、がんばって!」
するとだれかの声が聞こえた。
「そ、そのぉ、自分もしっかりしてぇ、ロボットとも仲良くなれたらぁ、もっと楽しくなるってぇ。もうそうなんはしたくないけどぉ、ロボットもぉ……」
「そうなんしないように、おれもしっかりする!」
またクラスのだれかの声がした。
「だからロボットもぉ、めいわくをぉ……たまにはめいわくをぉ、かけてもいいんでぇ。だからぁ、だからぁ、ロイちゃんはそのままでいいんでぇ」
パチパチ。
こんどは、どこかで小さなはくしゅがおこった。
「わたしにロイちゃんを、ロイちゃんをかえしてぇ。かえしてぇ、かえしてぇっ!」
シーン。
気がつくと、スズ子はむねのなかにあった思いを、外へぜんぶぶちまけていた。
ドキドキドキ。
「あ、あぁ……やってぇ、もうたぁ……言ってぇ、もうたぁ……す、すみましぇーん」
ふたたびすわろうとするスズ子に、
「よくぞ言ってくれた!」
と博士がりょう目をほころばせ、大きく手をたたいた。
「井上さん、すてき」
「おまえ、やるじゃないか!」
そしてつぎつぎに、クラスのみんながスズ子に声えんをおくった。
パチパチパチパチパチパチっ、ワアーッ!
しばらくぼーぜんとしたまま、スズ子はみんなのはくしゅかっさいに、じっと耳をすませていた。
「へ、へえぇぇ、へー」
「えらいぞ、井上。はじめてみんなのまえで、ベラベラしゃべったなー、わっはっは!」
もうわけもわからず、スズ子は先生に頭をさげていた。
「やっぱり、ロイコは大成功じゃった」
そこで博士は、ポケットのなかから、スマホをとりだした。
「みんなをためしてわるかった。わしは、ほんとうの気もちをしりたかったのじゃ。ロイコはこれからの未来にかかせない、心をもったロボットだからじゃ」
パッ、ジャジャジャーン!
「みんなロイちゃんよ、ごきげんよう! あれれ、どーかした? しんみりするには、まだわかいんじゃない?」
博士はスズ子の席までやってくると、
「これからのロボットに大切なのは、心じゃ。わしはこれからも、人がやさしくなれて、いっしょに協力しあえる、そんなロボットをつくっていきたい。どうか、ロイコをよろしく」
と言って、ロイちゃんを手わたしてくれたのだ。
「ろ、ロイちゃんだぁ」
グスグス、グス、チーン。
「ヤッホー、スズちゃん。あれれ、泣くのはあたしの仕事よ。ほら、鼻水ふいて」
ガタッ、バタバタバタッ!
「ロイちゃんだ!」
「クラスにロイちゃんが帰ってきたぞ!」
気がつくと、スズ子のまわりには、クラスのみんなが集まっていた。
「みんなも泣いて、どーしたの? あいかわらず、変なクラスね」
ぎゃははは!
スズ子が鼻水をふくと、
「ちょっと見ないうちに、スズちゃんはにんきものね」
とロイちゃんが目をパチリとしてくれた。
「ほらみんな、泣くひまがあったら、こしをふって! たららら~ん、ふらふら~、さあ歌って、おどって! もっと今を、楽しみましょう!」
(了)
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。
takemot
児童書・童話
薬草を採りに入った森で、魔獣に襲われた僕。そんな僕を助けてくれたのは、一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは、真っ黒なローブ。彼女は、僕にいきなりこう尋ねました。
「シチュー作れる?」
…………へ?
彼女の正体は、『森の魔女』。
誰もが崇拝したくなるような魔女。とんでもない力を持っている魔女。魔獣がわんさか生息する森を牛耳っている魔女。
そんな噂を聞いて、目を輝かせていた時代が僕にもありました。
どういうわけか、僕は彼女の弟子になったのですが……。
「うう。早くして。お腹がすいて死にそうなんだよ」
「あ、さっきよりミルク多めで!」
「今日はダラダラするって決めてたから!」
はあ……。師匠、もっとしっかりしてくださいよ。
子供っぽい師匠。そんな師匠に、今日も僕は振り回されっぱなし。
でも時折、大人っぽい師匠がそこにいて……。
師匠と弟子がおりなす不思議な物語。師匠が子供っぽい理由とは。そして、大人っぽい師匠の壮絶な過去とは。
表紙のイラストは大崎あむさん(https://twitter.com/oosakiamu)からいただきました。
ぼくのだいじなヒーラー
もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。
遊んでほしくて駄々をこねただけなのに
怖い顔で怒っていたお母さん。
そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。
癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。
お子様向けの作品です
ひらがな表記です。
ぜひ読んでみてください。
イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成
おっとりドンの童歌
花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。
意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。
「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。
なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。
「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。
その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。
道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。
その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。
みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。
ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。
ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。
ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
