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光流のひとりごと
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一人暮らしも2年も経てばすっかり慣れて、むしろ実家に帰ると窮屈に感じるくらいだ。
出身を京都、と言うと、勝手にお洒落なイメージを持たれるのは実に好都合で特に訂正もしないけど、ウチの故郷は隣家まで数百メートル、周りは山に次ぐ山、電車の駅は無人駅で1時間に2本だけという大田舎である。
大学は絶対東京!なんとしても東京!断固として東京!と決めていた。
都会モンには負けへんで!
気合を入れて上京してきて、気負いすぎてなかなか友達を作れず、4月の終わりにはちょっとウツ気味になったりしたけど、そんな時に出会ったのが真澄だった。
寝坊して遅刻しそうになってめちゃ走って、大教室に飛び込むともう1番前の席しか空いてなくて。
辛うじてまだ授業は始まってないけどざわめきは収まりつつある教室の通路を、大急ぎで歩いたらマンガみたいに躓いて、派手に転んだ。
別に助け起こして欲しかった訳じゃない。
でも床に這いつくばったウチの目に、傍に座ってた子の足が少しも動いてないのが映ったときは、なんだかすごく辛くなった。
それが──
「大丈夫ですか?」
そう声を掛けて、カバンから飛び出た荷物を拾ってくれた子がいた。白いブラウスに紺のフレアスカートを履いた、髪の長い女の子。いわゆる ”ダサい” 一歩手前の垢抜けない子、それが真澄だった。
お礼を言って一番前へ行ったら空いていたのは彼女の隣で、わざわざここから助けに来てくれたのかと、それをきっかけに仲良くなった。
話してみるとどことなく田舎訛りがあって親近感がわき、一緒にいる時間が長くなるほど、こんな心の綺麗な人がいるのかと、洗われるような気持ちになった。
ウチは真澄にどんどん惹かれていった。
そんな大好きな真澄に、彼氏が出来た。暫定だけど。
海堂先輩はこの間キャンプで、真澄がいない時にウチを手招きして、
「俺のことで真澄ちゃんが悩んでたら、こっそり教えて?」
と茶目っ気たっぷりだけど、そこそこマジ目に言ってきた。真澄ちゃんは俺には言いそうにないからって。
なんとなく、ね。海堂先輩にとって真澄は特別な気がする。ウチにとって智君が特別なように。
他人の幸せを心から願えることがこんなに幸せだって、真澄が教えてくれた。
だからウチは全力で応援する!
暫定が、確定になるまで。
END
出身を京都、と言うと、勝手にお洒落なイメージを持たれるのは実に好都合で特に訂正もしないけど、ウチの故郷は隣家まで数百メートル、周りは山に次ぐ山、電車の駅は無人駅で1時間に2本だけという大田舎である。
大学は絶対東京!なんとしても東京!断固として東京!と決めていた。
都会モンには負けへんで!
気合を入れて上京してきて、気負いすぎてなかなか友達を作れず、4月の終わりにはちょっとウツ気味になったりしたけど、そんな時に出会ったのが真澄だった。
寝坊して遅刻しそうになってめちゃ走って、大教室に飛び込むともう1番前の席しか空いてなくて。
辛うじてまだ授業は始まってないけどざわめきは収まりつつある教室の通路を、大急ぎで歩いたらマンガみたいに躓いて、派手に転んだ。
別に助け起こして欲しかった訳じゃない。
でも床に這いつくばったウチの目に、傍に座ってた子の足が少しも動いてないのが映ったときは、なんだかすごく辛くなった。
それが──
「大丈夫ですか?」
そう声を掛けて、カバンから飛び出た荷物を拾ってくれた子がいた。白いブラウスに紺のフレアスカートを履いた、髪の長い女の子。いわゆる ”ダサい” 一歩手前の垢抜けない子、それが真澄だった。
お礼を言って一番前へ行ったら空いていたのは彼女の隣で、わざわざここから助けに来てくれたのかと、それをきっかけに仲良くなった。
話してみるとどことなく田舎訛りがあって親近感がわき、一緒にいる時間が長くなるほど、こんな心の綺麗な人がいるのかと、洗われるような気持ちになった。
ウチは真澄にどんどん惹かれていった。
そんな大好きな真澄に、彼氏が出来た。暫定だけど。
海堂先輩はこの間キャンプで、真澄がいない時にウチを手招きして、
「俺のことで真澄ちゃんが悩んでたら、こっそり教えて?」
と茶目っ気たっぷりだけど、そこそこマジ目に言ってきた。真澄ちゃんは俺には言いそうにないからって。
なんとなく、ね。海堂先輩にとって真澄は特別な気がする。ウチにとって智君が特別なように。
他人の幸せを心から願えることがこんなに幸せだって、真澄が教えてくれた。
だからウチは全力で応援する!
暫定が、確定になるまで。
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