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ハリブ編
シンセツシン
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「はい、枝の提示ありがとうございます。」
協会への登録はすんなりと終わった。
考えてみれば当然だ。
全員が枝を持っているのだから入るのはとても簡単、入れないという方が少数派だろう。
「犯罪歴のある人は、除籍、登録が不可能となっていますので、ご注意下さい。」
「あ、はい。」
するようにでも見えたのだろうか。それにしても広い。
正面の受け付け以外にも多数の扉、ここからでも上を見上げれば見える天井のステンドガラス。
修道院にもあったな…皆んな元気かな。まだ発って4日程にも関わらず、もうそんなことを考えてしまう。
「魔術協会の会員証書です。これを無くすと協会のサービスが受けられなくなるので、無くさぬよう注意して下さい。」
無くしたらまずいな。袋はダメだ。前科がある。服の内ポケットにでも入れておこう。
「それでは、協会の階級を説明しておきます。ランクとは依頼の達成数や、難易度、魔術の研究においての成果などにより、上がる制度です。階級が高い方ほど、受けられるサービスの幅が広がります。」
そんなものが存在するのか。サービスの向上、難易度の高い依頼を受けられるようになるとかか?
「上から プラチナ、ゴールド、シルバー、ブラウン、アイアン、ウッドです。アレン様はウッド最下級のウッドからです。」
プラチナ?聞き慣れない単語もあるが、貴金属等の名前が階級の高さを示しているのか。
「ウッドでも受けられる依頼は沢山ありますので、是非受けてみて下さい。」
「分かりました。ここまで説明ありがとうございます。」
取り敢えず、これで金には困らないようになるだろう。
よかった。
「じゃあ行こうか。」
酒場に行くよう手を引いてくる。
手を引かれたまま従順に歩く。
その際、話し声が聞こえて来た。
「なあ、その話本当なのか?」
「ああ、近くで夢見の魔者が出たんだと。」
受け付けの奥から聞こえる。夢見の魔者?なんだ?魔獣の一種だろうか。なんであれ、話し方からあまりいいものではないらしい。
協会を出て右手に曲がり、慣れた足つきで大通りに出る。
その足にひたすらついていく。
そうすると、いつの間にか酒場に着いていた。何処も酒場というものは変わらないらしい。どこか見覚えのある建物だった。
「じゃあ何か頼もうか。」
席に座り、木のコップに注がれた水を飲む。あ、なんか混ぜてある。レモンかな、口当たりが爽やかで美味しい。
「はい。」
◇
数分後_
色々届いたな…本当に色々。
肉料理に魚料理、パンに米に芋。サラダは勿論、スープもたっぷりと、これ結構値段張るんじゃないか?
「食べなよ。ここの料理は中々美味しい。」
モリモリ食べながら、彼は器用に喋る。
「では、頂きます。」
どれもこれも修道院で出てくる食事、俺の自炊料理に勝る味の濃さ。
とても美味しい、美味しい以外の感想が出てこない自分が恥ずかしくなる。それも料理によってコロコロと味が変わる。食べることがこんなに楽しいと思ったのは、生まれて初めてだ。
村の大人連中もこんなに美味しいものを食べていたのだろうか。ちょっと腹立つな…
「ふふ、美味しいかい?」
「はい!とっても!」
彼は微笑を浮かべながら、こちらをじっと見ていた。
彼…ハッ!そういえば名前を聞いてないし、名乗ってもいない。
「ここまで良くして頂き、本当にありがとうございます。
ところで…名前を聞いてもよろしいですか?挨拶すらしていなかったので、俺はアレン・クラークです。」
「ああ、そうだったね。僕はハリス。ハリス・バーン
よろしく、アレン。」
「はい。こちらこそ。」
こうして挨拶を済ませ、二人とも腹一杯になるまで食べた後、店を出た。
「ごちそうさまでした。」
「いやいや、そんなに畏まらなくてもいいよアレン。
こっちこそ良い食べっぷりを見せて貰った。それだけで十分だよ。」
「あ、えぇ、はい…」
なんかそう聞くと少し恥ずかしい。
「もう日が暮れ始めてるね。宿は…って僕が連れ回していたから取ってたりしないよね。よし。じゃあ僕の家、来るかい?」
突如の提案に少し震えた。ここまでお世話になって、更にお世話になったら今返せる恩も返せなくなるほど、大きくなってしまう気がする。
もしそんな気がしなくとも、代わりに申し訳ない気持ちで一杯になるだろう。
「いえ、流石にそこまでは。お邪魔になりますし…」
「大丈夫だよ。邪魔に思ったりしない。いくら十五だ。大人になったといっても、少し不安だ。今日一日でもいいから泊まって行かないかい?」
十五一人は不安。かあ…この人本当に優しいな、何でこんなに構ってくれるのだろうか。
「えっと、じゃあ。すいませんがよろしくお願いします。」
「よしきた。じゃあ早速向かおう!」
こうして初めて知り合った人(一日目)の家に行くこととなった。
協会への登録はすんなりと終わった。
考えてみれば当然だ。
全員が枝を持っているのだから入るのはとても簡単、入れないという方が少数派だろう。
「犯罪歴のある人は、除籍、登録が不可能となっていますので、ご注意下さい。」
「あ、はい。」
するようにでも見えたのだろうか。それにしても広い。
正面の受け付け以外にも多数の扉、ここからでも上を見上げれば見える天井のステンドガラス。
修道院にもあったな…皆んな元気かな。まだ発って4日程にも関わらず、もうそんなことを考えてしまう。
「魔術協会の会員証書です。これを無くすと協会のサービスが受けられなくなるので、無くさぬよう注意して下さい。」
無くしたらまずいな。袋はダメだ。前科がある。服の内ポケットにでも入れておこう。
「それでは、協会の階級を説明しておきます。ランクとは依頼の達成数や、難易度、魔術の研究においての成果などにより、上がる制度です。階級が高い方ほど、受けられるサービスの幅が広がります。」
そんなものが存在するのか。サービスの向上、難易度の高い依頼を受けられるようになるとかか?
「上から プラチナ、ゴールド、シルバー、ブラウン、アイアン、ウッドです。アレン様はウッド最下級のウッドからです。」
プラチナ?聞き慣れない単語もあるが、貴金属等の名前が階級の高さを示しているのか。
「ウッドでも受けられる依頼は沢山ありますので、是非受けてみて下さい。」
「分かりました。ここまで説明ありがとうございます。」
取り敢えず、これで金には困らないようになるだろう。
よかった。
「じゃあ行こうか。」
酒場に行くよう手を引いてくる。
手を引かれたまま従順に歩く。
その際、話し声が聞こえて来た。
「なあ、その話本当なのか?」
「ああ、近くで夢見の魔者が出たんだと。」
受け付けの奥から聞こえる。夢見の魔者?なんだ?魔獣の一種だろうか。なんであれ、話し方からあまりいいものではないらしい。
協会を出て右手に曲がり、慣れた足つきで大通りに出る。
その足にひたすらついていく。
そうすると、いつの間にか酒場に着いていた。何処も酒場というものは変わらないらしい。どこか見覚えのある建物だった。
「じゃあ何か頼もうか。」
席に座り、木のコップに注がれた水を飲む。あ、なんか混ぜてある。レモンかな、口当たりが爽やかで美味しい。
「はい。」
◇
数分後_
色々届いたな…本当に色々。
肉料理に魚料理、パンに米に芋。サラダは勿論、スープもたっぷりと、これ結構値段張るんじゃないか?
「食べなよ。ここの料理は中々美味しい。」
モリモリ食べながら、彼は器用に喋る。
「では、頂きます。」
どれもこれも修道院で出てくる食事、俺の自炊料理に勝る味の濃さ。
とても美味しい、美味しい以外の感想が出てこない自分が恥ずかしくなる。それも料理によってコロコロと味が変わる。食べることがこんなに楽しいと思ったのは、生まれて初めてだ。
村の大人連中もこんなに美味しいものを食べていたのだろうか。ちょっと腹立つな…
「ふふ、美味しいかい?」
「はい!とっても!」
彼は微笑を浮かべながら、こちらをじっと見ていた。
彼…ハッ!そういえば名前を聞いてないし、名乗ってもいない。
「ここまで良くして頂き、本当にありがとうございます。
ところで…名前を聞いてもよろしいですか?挨拶すらしていなかったので、俺はアレン・クラークです。」
「ああ、そうだったね。僕はハリス。ハリス・バーン
よろしく、アレン。」
「はい。こちらこそ。」
こうして挨拶を済ませ、二人とも腹一杯になるまで食べた後、店を出た。
「ごちそうさまでした。」
「いやいや、そんなに畏まらなくてもいいよアレン。
こっちこそ良い食べっぷりを見せて貰った。それだけで十分だよ。」
「あ、えぇ、はい…」
なんかそう聞くと少し恥ずかしい。
「もう日が暮れ始めてるね。宿は…って僕が連れ回していたから取ってたりしないよね。よし。じゃあ僕の家、来るかい?」
突如の提案に少し震えた。ここまでお世話になって、更にお世話になったら今返せる恩も返せなくなるほど、大きくなってしまう気がする。
もしそんな気がしなくとも、代わりに申し訳ない気持ちで一杯になるだろう。
「いえ、流石にそこまでは。お邪魔になりますし…」
「大丈夫だよ。邪魔に思ったりしない。いくら十五だ。大人になったといっても、少し不安だ。今日一日でもいいから泊まって行かないかい?」
十五一人は不安。かあ…この人本当に優しいな、何でこんなに構ってくれるのだろうか。
「えっと、じゃあ。すいませんがよろしくお願いします。」
「よしきた。じゃあ早速向かおう!」
こうして初めて知り合った人(一日目)の家に行くこととなった。
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