魔樹の子

クラゲEX

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ハリブ編

ヘイコウノユメ

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家に着く頃には、
日はすっかり落ちて周りは暗くなっていた。
「よし、風呂屋に行くのも面倒だし、このまま寝ちゃうか。」

飯も食べた、日は暮れ、特段やる事もない。
明日に備えるという意味でも、確かに早く寝るのが賢明だろう。

「そうですね。早く寝てしまいましょう。」

その後、ハリスは来客用の布団を持ってきた。

「なんかごめんね、僕だけベットで。」

申し訳なさそうにこちらを見る。
自分から誘ったとはいえ、こちらは伺った身だ。
そんな目で見る必要は無いと思うが…

「いえいえ、全然。大丈夫ですよ。」 

「そ、そうかい?じゃあ、良い夢を。」

おやすみなさいとかじゃ無いのか。
どこか独特の寝文句?なのだろうか。

「はい。おやすみなさい。」

こうして床に就いたわけだが、あ、これすごい寝やすい。ああ、これはこれは………






「あれ、横腹痛い。」
 起きて早々あまりいい調子では無い。

 ジンジンと筋肉痛のようだ。ベットから身を起こす…ん?ベットから?
 おかしい、俺は来客用の布団で寝ていた筈だ。

どうして…あれ?声も出ない。それに、俺が俺を見ている。

 けど、俺じゃない。顔や体つきは俺そのものだが、
俺ではない。

まず服装が違う。それに身につけていた筈の枝もない。それにどこか、別人の様に感じる、雰囲気があった。

つまり、本で見た幽体離脱とか、突然幽霊になったという訳でも無さそうだ。

そして…ここはどこだ。さっきまでいたキレスの家とはまるで違う。旅行雑誌の端に載っていた、王都ミトウの一風変わった、家の内装にとても似ているが…


「亜蓮、ご飯。」

俺の名前。だが発音が違うし、俺じゃない俺が動くのを見るに、コイツの名の様だ。

「餅何個?」 

「んー二個。」 

餅。聞いたことは無いが、何故か食べ物ってことは分かる。
白い伸された塊を、これも何故か分かる。焼く機械に入れる。

亜蓮は手に持った光る金属板で何かを調べている。

字が分からず、何が書いて有るのか、何をしているのか要領を得ない癖に、何かについて調べていることは分かる。それも、かなりどうでもいいことを。

次の瞬間。 

亜蓮は手を滑らせて、板を落とす。それが足にぶつかって…痛った!俺にも痛みがあああ!………


「あああ…ってあれ、元の家だ。」

夢?にしては何とも記憶が鮮明に残っている。
でも、それ以外の可能性が浮かばない。

「なんだったんだ…」

良く分からないが、朝の準備をしなくては。外は夜が明け、赤みがかっている。

ガタンッドン。


 ベットの方から音がする。
 キレスも起きたのかな?と思い振り向くと、身体を震わせ、怪訝な目つきでこちらを見ているハリスがいた。

「おはようございます。どうしたんですか?そんな目でこっち見て。」

「いや…えっと、、ねえ君何者?」

……へ?何者といっても、ただのアレン、
アレン・クリークなのだが。

「君は何処から来たの?」

「ええと、シヨテ村のアレンで、」

「あんな夢が出てきた時点でただの村育ちな訳ないじゃないか!」

夢?ちょっと待て、じゃあ…

「あの変な夢を見させたのは、ハリスさんなんですか?」

「そうだよ。夢を見させたのは僕。夢見の魔者だよ。」

夢見の魔者…あれか。昨日の遠くで聞いた話はハリスについてだったのか。

…魔者ってなに?
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