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ハリブ編
ヘイコウノユメ
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家に着く頃には、
日はすっかり落ちて周りは暗くなっていた。
「よし、風呂屋に行くのも面倒だし、このまま寝ちゃうか。」
飯も食べた、日は暮れ、特段やる事もない。
明日に備えるという意味でも、確かに早く寝るのが賢明だろう。
「そうですね。早く寝てしまいましょう。」
その後、ハリスは来客用の布団を持ってきた。
「なんかごめんね、僕だけベットで。」
申し訳なさそうにこちらを見る。
自分から誘ったとはいえ、こちらは伺った身だ。
そんな目で見る必要は無いと思うが…
「いえいえ、全然。大丈夫ですよ。」
「そ、そうかい?じゃあ、良い夢を。」
おやすみなさいとかじゃ無いのか。
どこか独特の寝文句?なのだろうか。
「はい。おやすみなさい。」
こうして床に就いたわけだが、あ、これすごい寝やすい。ああ、これはこれは………
◇
「あれ、横腹痛い。」
起きて早々あまりいい調子では無い。
ジンジンと筋肉痛のようだ。ベットから身を起こす…ん?ベットから?
おかしい、俺は来客用の布団で寝ていた筈だ。
どうして…あれ?声も出ない。それに、俺が俺を見ている。
けど、俺じゃない。顔や体つきは俺そのものだが、
俺ではない。
まず服装が違う。それに身につけていた筈の枝もない。それにどこか、別人の様に感じる、雰囲気があった。
つまり、本で見た幽体離脱とか、突然幽霊になったという訳でも無さそうだ。
そして…ここはどこだ。さっきまでいたキレスの家とはまるで違う。旅行雑誌の端に載っていた、王都ミトウの一風変わった、家の内装にとても似ているが…
「亜蓮、ご飯。」
俺の名前。だが発音が違うし、俺じゃない俺が動くのを見るに、コイツの名の様だ。
「餅何個?」
「んー二個。」
餅。聞いたことは無いが、何故か食べ物ってことは分かる。
白い伸された塊を、これも何故か分かる。焼く機械に入れる。
亜蓮は手に持った光る金属板で何かを調べている。
字が分からず、何が書いて有るのか、何をしているのか要領を得ない癖に、何かについて調べていることは分かる。それも、かなりどうでもいいことを。
次の瞬間。
亜蓮は手を滑らせて、板を落とす。それが足にぶつかって…痛った!俺にも痛みがあああ!………
「あああ…ってあれ、元の家だ。」
夢?にしては何とも記憶が鮮明に残っている。
でも、それ以外の可能性が浮かばない。
「なんだったんだ…」
良く分からないが、朝の準備をしなくては。外は夜が明け、赤みがかっている。
ガタンッドン。
ベットの方から音がする。
キレスも起きたのかな?と思い振り向くと、身体を震わせ、怪訝な目つきでこちらを見ているハリスがいた。
「おはようございます。どうしたんですか?そんな目でこっち見て。」
「いや…えっと、、ねえ君何者?」
……へ?何者といっても、ただのアレン、
アレン・クリークなのだが。
「君は何処から来たの?」
「ええと、シヨテ村のアレンで、」
「あんな夢が出てきた時点でただの村育ちな訳ないじゃないか!」
夢?ちょっと待て、じゃあ…
「あの変な夢を見させたのは、ハリスさんなんですか?」
「そうだよ。夢を見させたのは僕。夢見の魔者だよ。」
夢見の魔者…あれか。昨日の遠くで聞いた話はハリスについてだったのか。
…魔者ってなに?
日はすっかり落ちて周りは暗くなっていた。
「よし、風呂屋に行くのも面倒だし、このまま寝ちゃうか。」
飯も食べた、日は暮れ、特段やる事もない。
明日に備えるという意味でも、確かに早く寝るのが賢明だろう。
「そうですね。早く寝てしまいましょう。」
その後、ハリスは来客用の布団を持ってきた。
「なんかごめんね、僕だけベットで。」
申し訳なさそうにこちらを見る。
自分から誘ったとはいえ、こちらは伺った身だ。
そんな目で見る必要は無いと思うが…
「いえいえ、全然。大丈夫ですよ。」
「そ、そうかい?じゃあ、良い夢を。」
おやすみなさいとかじゃ無いのか。
どこか独特の寝文句?なのだろうか。
「はい。おやすみなさい。」
こうして床に就いたわけだが、あ、これすごい寝やすい。ああ、これはこれは………
◇
「あれ、横腹痛い。」
起きて早々あまりいい調子では無い。
ジンジンと筋肉痛のようだ。ベットから身を起こす…ん?ベットから?
おかしい、俺は来客用の布団で寝ていた筈だ。
どうして…あれ?声も出ない。それに、俺が俺を見ている。
けど、俺じゃない。顔や体つきは俺そのものだが、
俺ではない。
まず服装が違う。それに身につけていた筈の枝もない。それにどこか、別人の様に感じる、雰囲気があった。
つまり、本で見た幽体離脱とか、突然幽霊になったという訳でも無さそうだ。
そして…ここはどこだ。さっきまでいたキレスの家とはまるで違う。旅行雑誌の端に載っていた、王都ミトウの一風変わった、家の内装にとても似ているが…
「亜蓮、ご飯。」
俺の名前。だが発音が違うし、俺じゃない俺が動くのを見るに、コイツの名の様だ。
「餅何個?」
「んー二個。」
餅。聞いたことは無いが、何故か食べ物ってことは分かる。
白い伸された塊を、これも何故か分かる。焼く機械に入れる。
亜蓮は手に持った光る金属板で何かを調べている。
字が分からず、何が書いて有るのか、何をしているのか要領を得ない癖に、何かについて調べていることは分かる。それも、かなりどうでもいいことを。
次の瞬間。
亜蓮は手を滑らせて、板を落とす。それが足にぶつかって…痛った!俺にも痛みがあああ!………
「あああ…ってあれ、元の家だ。」
夢?にしては何とも記憶が鮮明に残っている。
でも、それ以外の可能性が浮かばない。
「なんだったんだ…」
良く分からないが、朝の準備をしなくては。外は夜が明け、赤みがかっている。
ガタンッドン。
ベットの方から音がする。
キレスも起きたのかな?と思い振り向くと、身体を震わせ、怪訝な目つきでこちらを見ているハリスがいた。
「おはようございます。どうしたんですか?そんな目でこっち見て。」
「いや…えっと、、ねえ君何者?」
……へ?何者といっても、ただのアレン、
アレン・クリークなのだが。
「君は何処から来たの?」
「ええと、シヨテ村のアレンで、」
「あんな夢が出てきた時点でただの村育ちな訳ないじゃないか!」
夢?ちょっと待て、じゃあ…
「あの変な夢を見させたのは、ハリスさんなんですか?」
「そうだよ。夢を見させたのは僕。夢見の魔者だよ。」
夢見の魔者…あれか。昨日の遠くで聞いた話はハリスについてだったのか。
…魔者ってなに?
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