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ハクチ編
ワガママナユメ
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晴れない気持ちはそのままに、
帰路に着いた。
目をさする。
「あ、大きさ、違うのか。」
ちょっと大きい気がする。何でフィットしているのかは謎。
骨も溶かされてたかな。
それで拡がったとか。
一週間もこんな思いが続くとは、このまま一ヶ月、二ヶ月と続くのか?
旅について考えていた筈なのに、いつの間にかハリスのことを考えている。
「旅なんて…どうでもよかったのかもしれない。」
意固地になって、これしかないと決めつけて、
「ただ、こうしていれば立派な何かに、魔法使いにでもなって、みんなに認められて」
自分が満足出来ると、そんな軽い感覚で進んでいた。
「確証なんてない癖に、別の道も調べず最初に目に入ったものに飛びついて。」
つまらなくなって、旅の理由を訊かれても答えられずに黙り。
立派に慣れるわけない。子供のわがままと大差ない。
「薄々気づいてたよ、そんなこと。」
それでも、やっぱり捨てられないのは
_じゃあ、僕もついていこうかな。
どこか忘れられない。
いないのに夢が続けと叫んで来る。
「______。」
朝が来る。足は痛み、旅を拒む。
目的はそれ続け、核を見失ったまま。
軽快で豪快な足が近付く。
「外に出なきゃな。」
迷惑をかけるわけにはいかない。
最低限を背負って宿を出る。
案の定、あの男。
心にナイフを突き付けた嫌な男。
「君の嘘。そう、偽名。僕の右目は分かっちゃうんだ。君と同じ、魔者だからね。」
「名前の他にもその足の怪我、最近殺された樹官が火を上手く使う者だった。
よく似ているんだ、彼に歯向かった収容者の怪我と_
「一つ、いいか。」
嫌な奴だし、勘が鋭いし、
バレるし、捕まりそうだし、
それこそ何も出来なくなるだろから腹が立つけど_気付かせてくれて、感謝している。
「数時間程度の付き合いで、
葉っぱよりも薄い関係のお前だけど、言ってやりたいことがある。」
「早く言いなよ。私も暇じゃないんだ。」
簡潔に、引き延ばすな。
嫌な目つきで枝を構えている。
会ってから嫌な印象しか持ててないな。
「夢は今のままだ。揺らがない。
俺はこの目と一緒に、全てを見てくる。」
「変わってない?それ。」
「魔法使いは片手間で片付けてやるよ。俺なら出来る。
気付いたよ、わざわざ夢にするほどでも無いってな。」
これが私と俺が旅を続ける免罪符だ。
犯罪者で、人殺しで、
力足らずで、夢足らずな、
化け物のわがままだ。
「だからと言ってね、その夢を叶えさせる訳にはいかないんだよ。」
「原語者、アレン・クラーク。二名の命を奪った罪をここで償え。」
全てバレている。一日でここまで…驚いた。
コイツには顔が割れている。
そして嘘を見抜く厄介な目もある。
生かしてはおけない、俺達の夢のために。
帰路に着いた。
目をさする。
「あ、大きさ、違うのか。」
ちょっと大きい気がする。何でフィットしているのかは謎。
骨も溶かされてたかな。
それで拡がったとか。
一週間もこんな思いが続くとは、このまま一ヶ月、二ヶ月と続くのか?
旅について考えていた筈なのに、いつの間にかハリスのことを考えている。
「旅なんて…どうでもよかったのかもしれない。」
意固地になって、これしかないと決めつけて、
「ただ、こうしていれば立派な何かに、魔法使いにでもなって、みんなに認められて」
自分が満足出来ると、そんな軽い感覚で進んでいた。
「確証なんてない癖に、別の道も調べず最初に目に入ったものに飛びついて。」
つまらなくなって、旅の理由を訊かれても答えられずに黙り。
立派に慣れるわけない。子供のわがままと大差ない。
「薄々気づいてたよ、そんなこと。」
それでも、やっぱり捨てられないのは
_じゃあ、僕もついていこうかな。
どこか忘れられない。
いないのに夢が続けと叫んで来る。
「______。」
朝が来る。足は痛み、旅を拒む。
目的はそれ続け、核を見失ったまま。
軽快で豪快な足が近付く。
「外に出なきゃな。」
迷惑をかけるわけにはいかない。
最低限を背負って宿を出る。
案の定、あの男。
心にナイフを突き付けた嫌な男。
「君の嘘。そう、偽名。僕の右目は分かっちゃうんだ。君と同じ、魔者だからね。」
「名前の他にもその足の怪我、最近殺された樹官が火を上手く使う者だった。
よく似ているんだ、彼に歯向かった収容者の怪我と_
「一つ、いいか。」
嫌な奴だし、勘が鋭いし、
バレるし、捕まりそうだし、
それこそ何も出来なくなるだろから腹が立つけど_気付かせてくれて、感謝している。
「数時間程度の付き合いで、
葉っぱよりも薄い関係のお前だけど、言ってやりたいことがある。」
「早く言いなよ。私も暇じゃないんだ。」
簡潔に、引き延ばすな。
嫌な目つきで枝を構えている。
会ってから嫌な印象しか持ててないな。
「夢は今のままだ。揺らがない。
俺はこの目と一緒に、全てを見てくる。」
「変わってない?それ。」
「魔法使いは片手間で片付けてやるよ。俺なら出来る。
気付いたよ、わざわざ夢にするほどでも無いってな。」
これが私と俺が旅を続ける免罪符だ。
犯罪者で、人殺しで、
力足らずで、夢足らずな、
化け物のわがままだ。
「だからと言ってね、その夢を叶えさせる訳にはいかないんだよ。」
「原語者、アレン・クラーク。二名の命を奪った罪をここで償え。」
全てバレている。一日でここまで…驚いた。
コイツには顔が割れている。
そして嘘を見抜く厄介な目もある。
生かしてはおけない、俺達の夢のために。
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