小学生女児ですがスキル『極上の女たらし』しかもらえなかったので全ヒロイン&女神をメロメロにして安泰生活目指すぜオラ

コウノトリ

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 公女殿下は結局なんの進展もなく帰って行った。


 ランロー奥様の治めるエーデルワイズ伯爵領からマオン公女殿下のご実家、アクアノーツ公爵領までは距離がある。


もちろん森狩りに共に出るほどのことだから、隣り合っているのだけど、公爵領は三つの伯爵領を下に置いていて、公爵家そのものがあるのは位置的に離れているのだ。



 あまり会いに行くのは奥様に放蕩娘の金食い虫と思われかねない。



 されど、いい案も、小学生だったワタクシには思いつかない。



 ワタクシは翌日、やってきた使用人のアヤンと、騎士のソレイユを迎え、新しく与えられた本邸の個室で身支度を整える。
 もちろん服装は騎士の軽装。


 小学生ながら考えたけど……――



「女の子は格好いい騎士に助けられるのが好きよね!」
 ということだ。


 強くなるしかない。
 誰よりも。



 残念ながら、この世界にレベル制はない。そういう世界じゃない。
 強くなるためには……もちろん修練も大事だけど、領地の経営も大事だ。
 なぜなら、強い領地があれば兵も増える! 鍛えられる!
 だ、が! 忘れるな私は小学生。


 武術やスポーツ、礼式、演劇など。
 私が知っていることは貴族としてはあまり領地経営に向かないし、そもそもそう育てられていても十二歳じゃまだ分からないことだらけだよ。



 あまりでしゃばった考え方をしても無駄だよ、気をつけよう。



 私の得意分野で勝負しよう。
 小学生に考えられることは限られているけど。



 私の得意なこと……まあ、順当に考えれば、演劇よね。



 この世界の演劇がどれほどのものか分からないけれど、まずそれを調べよう。



 私は使用人のアヤンと騎士のソレイユを呼ぶ。
 二人は姉妹だそう。
 そういえば顔がちょっと似てる。鼻筋とか。
 あと私に夢中なところとか、かな……。




「はい、メユ様」
「何か御用でしょうかメユ様」


 アヤンとソレイユは並んで側に来る。



「近くに劇団ってある?」
 二人が顔を見合わせる。
「サーカスなら一年に一度参ります」
 アヤンがお淑やかでおっぱいの大きな美人さんらしく、非常識なことを聞いている私にも優しく言ってくれた。



「……歌舞伎、って聞いたことある?」
「株木ですか?」
 うーん、それ多分逆にあまり使わない方のカブキだわ。


「歌って、舞って、な、歌舞伎」
「はい?」「はい?」



 ……日本じゃ小学生でも子役は歌舞伎の何十キロっていう衣装を着る機会があるけど……そりゃこの洋風の世界じゃないし、再現しようとしても私じゃ中途半端な知識しかないけど――



「義経千本桜はもちろん知らないわよね」
「は、ヨシツネ千本桜?」
 ソレイユがいきなり意味の分からないことを次々と言い出すワタクシに戸惑う。



「分かった……。脚本書くから。それ見て。紙と跳ね遍を用意して」



 それから私は義経千本桜という定番の題目と、歌舞伎についてのことを、あくまで私の発案として二人に教えた。



「面白いことは分かりますが……それをどうすると?」
 ソレイユが首をかしげる。
「作るのよ。歌舞伎座」
 と、いうことで、私の小学生から始める無謀無策カネ稼ぎがこうして始まった。


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