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第三章
完璧な上司で先輩との関係①
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蒼空先輩、改め蒼空さんと見つめ合ったまま、私の頭の中はまだパニック状態だ。
信じられない思いと驚きと嬉しさと……。
そう、ずっと憧れてきた先輩であり初恋相手なのだから、嬉しいに決まっている。ただ、夢ではないかと疑うほど、この状況が現実だとは思えない。
一旦頭を冷やしたい。冷静になりたい。
とにかく今はこの場から解放されたいと口を開こうと思った瞬間に、先輩が先手を打つ。
「凛花、仕事は?」
「あっ、はい。終わって帰ろうと思っていたところです」
「敬語はいらない」
「そんなこと言われても……」
「それに、一人での残業も危ないから止めろよ」
「社内で何かはないでしょう?今までもなんともなかったし……」
「そんな度々残業しているのか?」
「い、いえ」
「さっき俺からキスされたのは誰だ?」
「はい⁇それは先輩が!」
「先輩じゃないだろう?」
「蒼空さんが」
「俺以外の男から同じことをされたらどうするんだ?」
「断るに決まってます」
即答した私は自分の失言に気づいていなかった……。
「それは俺だから断らなかった、受け入れたってことだな?」
「えっ?」
無意識に答えた私は、確認された意味を理解できていなかったが、蒼空さんだから断らなかったと断言したようなものだ。
「まあいい。これからが楽しみだな」
「へ⁈」
話をしながらも、いつの間にか私のパソコンの電源は落とされ、なぜか蒼空さんが私の荷物まで持っている。
「遅いからとにかくオフィスを出よう。警備員さんにも迷惑だ」
「は、はい」
遅くまで残っていることで、誰かに迷惑を掛けるなんて想像もしたことがなかった。
蒼空さんがあまりにも自然に、私の腰に手を添わせてエスコートしてエレベーターへ向かっている。エスコートというよりは、私の逃げ道を塞いでいると言った方が適切かもしれないが……。
オフィスビルの28階に入居する『クラウドフラップ』は、スマホアプリを開発する会社で、ビジネスからゲームまで幅広い。スマホが出始めた頃に、社長が若くして立ち上げた会社は、今では支社も合わせると社員数が500名を超える企業に事業拡大している。
信じられない思いと驚きと嬉しさと……。
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「凛花、仕事は?」
「あっ、はい。終わって帰ろうと思っていたところです」
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「社内で何かはないでしょう?今までもなんともなかったし……」
「そんな度々残業しているのか?」
「い、いえ」
「さっき俺からキスされたのは誰だ?」
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即答した私は自分の失言に気づいていなかった……。
「それは俺だから断らなかった、受け入れたってことだな?」
「えっ?」
無意識に答えた私は、確認された意味を理解できていなかったが、蒼空さんだから断らなかったと断言したようなものだ。
「まあいい。これからが楽しみだな」
「へ⁈」
話をしながらも、いつの間にか私のパソコンの電源は落とされ、なぜか蒼空さんが私の荷物まで持っている。
「遅いからとにかくオフィスを出よう。警備員さんにも迷惑だ」
「は、はい」
遅くまで残っていることで、誰かに迷惑を掛けるなんて想像もしたことがなかった。
蒼空さんがあまりにも自然に、私の腰に手を添わせてエスコートしてエレベーターへ向かっている。エスコートというよりは、私の逃げ道を塞いでいると言った方が適切かもしれないが……。
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