52 / 137
第七章
真っ直ぐな想い⑨
しおりを挟む
「楽しそうだね」
「そうだな。こうして俺も凛花を手に入れたことだし、いい機会だな。金城に言っておくよ」
「昔、優香が金ちゃん先輩に憧れていたので喜ぶと思う」
当時、クールなイケメン部長の蒼空さんと、可愛い系イケメン副部長の金ちゃん先輩の人気が凄まじかった。私は蒼空さん、優香は金ちゃん先輩が好みで、二人で初恋の恋バナに花を咲かせたものだ。お互いに告白することも、初恋を実らせることも、恐れ多くてできなくて見ているだけだった。
私は、ずっと初恋を拗らせて彼氏もできなかったが、優香は大学の時に知り合った先輩とつき合っていた。そういえば、最近聞いていないが、優香と彼氏はどうなっているのだろう?
優香に蒼空さんの話をするときに聞いてみよう。高校時代を共にしたみんなが、今どうしているのかも気になる。
蒼空さんとは、共通の話題に話が尽きない。何年経っても、何年会っていなくても、あの頃のことは鮮明に覚えている。厳しい練習も、勝利した喜びも、分かち合った仲間の絆は永遠なのだ。
話が弾んでいつの間にか、かなりの量のシャンパンを飲んでしまった。身体が火照ってふわふわしているように感じる。
「ソファに移動しようか」
「ふぁ~い。ご馳走様でした」
「プッ、酔った凛花が可愛すぎる」
長身の私は、大人っぽいとは言われるが、今まで可愛いと言われた経験がない。私を可愛いと言うのは、蒼空さんくらいだ。腰を支えられて歩くけれど、私はバスローブ一枚で下着もつけていないことを思い出した。
「蒼空さんシャワーは?」
「ああ、今から浴びてくる」
「いってらっしゃーい」
バスルームに向かう蒼空さんを見送り、ソファに座って窓の外の夜景を眺める。贅沢なホテルの一室で、贅沢な時間だ。こんなに幸せでいいのだろうか。後々、怖ろしいことが待っているのではないかと思うほど、幸せ過ぎて怖い。
ボーッとしていると、酔いもあってか眠たくなってくる。
『カチャ』と音がして、首からバスタオルをかけた蒼空さんが、バスローブを羽織った格好で出てきた。水も滴るいい男とは、蒼空さんのための言葉に思えるくらいに色気がだだ洩れだ。
「そうだな。こうして俺も凛花を手に入れたことだし、いい機会だな。金城に言っておくよ」
「昔、優香が金ちゃん先輩に憧れていたので喜ぶと思う」
当時、クールなイケメン部長の蒼空さんと、可愛い系イケメン副部長の金ちゃん先輩の人気が凄まじかった。私は蒼空さん、優香は金ちゃん先輩が好みで、二人で初恋の恋バナに花を咲かせたものだ。お互いに告白することも、初恋を実らせることも、恐れ多くてできなくて見ているだけだった。
私は、ずっと初恋を拗らせて彼氏もできなかったが、優香は大学の時に知り合った先輩とつき合っていた。そういえば、最近聞いていないが、優香と彼氏はどうなっているのだろう?
優香に蒼空さんの話をするときに聞いてみよう。高校時代を共にしたみんなが、今どうしているのかも気になる。
蒼空さんとは、共通の話題に話が尽きない。何年経っても、何年会っていなくても、あの頃のことは鮮明に覚えている。厳しい練習も、勝利した喜びも、分かち合った仲間の絆は永遠なのだ。
話が弾んでいつの間にか、かなりの量のシャンパンを飲んでしまった。身体が火照ってふわふわしているように感じる。
「ソファに移動しようか」
「ふぁ~い。ご馳走様でした」
「プッ、酔った凛花が可愛すぎる」
長身の私は、大人っぽいとは言われるが、今まで可愛いと言われた経験がない。私を可愛いと言うのは、蒼空さんくらいだ。腰を支えられて歩くけれど、私はバスローブ一枚で下着もつけていないことを思い出した。
「蒼空さんシャワーは?」
「ああ、今から浴びてくる」
「いってらっしゃーい」
バスルームに向かう蒼空さんを見送り、ソファに座って窓の外の夜景を眺める。贅沢なホテルの一室で、贅沢な時間だ。こんなに幸せでいいのだろうか。後々、怖ろしいことが待っているのではないかと思うほど、幸せ過ぎて怖い。
ボーッとしていると、酔いもあってか眠たくなってくる。
『カチャ』と音がして、首からバスタオルをかけた蒼空さんが、バスローブを羽織った格好で出てきた。水も滴るいい男とは、蒼空さんのための言葉に思えるくらいに色気がだだ洩れだ。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
384
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる