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第十一章

懐かしのメンバー①

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 私達の交際は順調で、オフィスでも公認の仲。けれど、仕事中は上司と部下としてケジメをつけて接している。周りの方が、私達が会話している姿を見てニヤニヤするので勘弁してほしいくらいだ。

 蒼空さんの仕事は忙しいけれど、私達がつき合い始めた時よりは落ち着いている。

 一人での帰宅を反対されていたけれど、時間と共に大丈夫だと認識できたのか、今では送ってもらうことなく先に帰っている。それでも、マンションに着いたらメッセージを入れることは絶対条件だ。蒼空さんが安心できるならと入れている。

 先に帰宅して夕食の準備をして、蒼空さんと一緒に食べる日常が幸せだ。

 ずっと続けばいいなぁと願う。

「ただいま」
「おかえりなさい。お風呂? ご飯?」
「先に風呂へ入って来ようかな」
「はーい」

 基本、シャワーですませる蒼空さんに合わせて、すぐに食べられるように用意する。

「いい匂い」
「座って」

 今日のメニューは、蒼空さんの好きなハンバーグだ。ポテトサラダと味噌汁にごはんを用意する。

「「いただきます」」

 平日は、アルコールは飲まない。蒼空さんも、元々自宅では休前日くらいしか飲まないらしく、ゆっくりと食事と会話を楽しみ過ごすのだ。

「そうだ。やっと大介に凛花とのことを話した」
「先輩何か言ってた?」
「驚いていたけど、すごく喜んでくれてた」
「良かった」
「そういえば、凛花は優香に言ったのか?」
「うん。優香も自分のことのように喜んでくれて嬉しかったよ」
「それは良かった! 大介が早速集まる計画を立てるって盛り上がってた」
「楽しみ。優香も喜ぶよ。今は彼氏いないって言ってたし、金ちゃん先輩に会いたいって言ってたから」
「凛花の学年の奴らの連絡先は今でも知ってるのか?」
「多分、優香が知ってると思う。私よりマメでいつも優香が連絡してくれていたから」
「そうか……」

 私の答えになぜか蒼空さんがホッとした様子だ。優香が連絡先を知っているとわかって安心したのかもしれない。それにしても、蒼空さんの学年から私の学年までのメンバーが集まるなんて、弟が知ったら大騒ぎしそうだ。



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