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第十章
夏休み明けの騒動①
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夏休みの最後に瑞希と最高の思い出ができた。帰ってすぐに母にお願いして写真をプリントしてもらった。そしてプリントしてもらうために母へ送った写真を、『みーくんママに送る!』と嬉しそうに送信していたのだ。
もちろん交換ノートの最後のページに貼り付けた。
楽しい思い出の二日後には、学校が始まった。始業式の翌日は課題テストが行われる。
始業式の日、久しぶりに見た絵理香達のグルーブ。夏休みの最初に見た時は茶髪だった髪がなんと金髪になっていて、新学期早々先生に呼び出されていた。更に驚くことに、美雪まで金髪になっていたのだ。
あまりの派手な一行に、同級生達は驚きを越して呆れている。
美雪を心配するよりも、関わらない方がいいと判断した。
「なんか更にヤバくなってるね」
朱里の言葉に頷きで返したが、この一ヶ月で何があったというのだろうか。
始業式が終わり、明日の課題テストに向け部活は休みだ。
「図書室使っていいみたいだけど、少し勉強して帰らない?」
「うん」
朱里に誘われ図書室へ向かっていると、金髪の派手な女性が目に入った。
「誰だろう?」
「すっごく目立つね」
こそこそ会話をしながら、前から来る派手な女性とすれ違う瞬間、しっかり顔を見た。
女性が職員室の方に曲がるまでの間、お互い口を閉ざす。そして、姿が見えなくなった瞬間、同時に言葉が出た。
「絵理香に似てた」「絵理香のお母さんだよね」
思ったことは一緒で、絵理香とそっくりで妙に納得した。きっと、学校からの呼び出しで来たのだろう……。
二人が一時間ほど図書室で勉強をして、帰ろうと廊下を歩いていると、真面目そうな母親に連れられた金髪の美雪が前方に見える。美雪は背中を丸めてしゅんとしているようだ。
玄関で靴を履き替えていると、靴箱で姿は見えないが美雪親子の言い合う声が聞こえてきた。
「いい加減にしなさい。恥晒しもいいところだわ。親の言うことも聞けないなら、出ていきなさい」
「……。どうしようもないの!」
「何言ってるのか全く理解できないわ。何度も言ったわよね。せめて夏休みが終わったら元に戻しなさいって」
もちろん交換ノートの最後のページに貼り付けた。
楽しい思い出の二日後には、学校が始まった。始業式の翌日は課題テストが行われる。
始業式の日、久しぶりに見た絵理香達のグルーブ。夏休みの最初に見た時は茶髪だった髪がなんと金髪になっていて、新学期早々先生に呼び出されていた。更に驚くことに、美雪まで金髪になっていたのだ。
あまりの派手な一行に、同級生達は驚きを越して呆れている。
美雪を心配するよりも、関わらない方がいいと判断した。
「なんか更にヤバくなってるね」
朱里の言葉に頷きで返したが、この一ヶ月で何があったというのだろうか。
始業式が終わり、明日の課題テストに向け部活は休みだ。
「図書室使っていいみたいだけど、少し勉強して帰らない?」
「うん」
朱里に誘われ図書室へ向かっていると、金髪の派手な女性が目に入った。
「誰だろう?」
「すっごく目立つね」
こそこそ会話をしながら、前から来る派手な女性とすれ違う瞬間、しっかり顔を見た。
女性が職員室の方に曲がるまでの間、お互い口を閉ざす。そして、姿が見えなくなった瞬間、同時に言葉が出た。
「絵理香に似てた」「絵理香のお母さんだよね」
思ったことは一緒で、絵理香とそっくりで妙に納得した。きっと、学校からの呼び出しで来たのだろう……。
二人が一時間ほど図書室で勉強をして、帰ろうと廊下を歩いていると、真面目そうな母親に連れられた金髪の美雪が前方に見える。美雪は背中を丸めてしゅんとしているようだ。
玄関で靴を履き替えていると、靴箱で姿は見えないが美雪親子の言い合う声が聞こえてきた。
「いい加減にしなさい。恥晒しもいいところだわ。親の言うことも聞けないなら、出ていきなさい」
「……。どうしようもないの!」
「何言ってるのか全く理解できないわ。何度も言ったわよね。せめて夏休みが終わったら元に戻しなさいって」
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