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第九章
初デート⁇⑪
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「選択肢はたくさんあるもんね」
「看護師になりたいと思ってるけど、勉強を頑張らないとね。瑞希くんはお医者様になりたいんでしょう?」
「ああ。高校受験がない分勉強時間はたっぷりあるし、周りも医者や弁護士を目指してるから、刺激を受けて頑張れる。中学高校は私立に行かせてもらってるから、大学は国公立を目指すつもりなんだ」
受験が終わって中学生活が始まったばかりだが、すでに将来について考えいるようだ。
「瑞希くんなら、どこにでも行けそう」
「そんなことないよ。今の学校の奴らみんな賢くて、置いていかれないようにしなきゃと思ってる」
由奈が知る中では瑞希が一番賢いが上には上がいるのかもしれない。
「いつか一緒の病院で働けたらいいのに……」
「そうだね。何年先の話かはわからないけど、目標は一つでも多い方が頑張れる」
瑞希の言葉ひとつひとつが、由奈には突き刺さる。同級生とは思えない考え方に尊敬の念を抱く。
ランチも終わりあと少し見て回ることにした。
再び手を繋ぎ、まだ見ていなかったエリアを見てから、出口手前のお土産コーナーまで来た。
「由奈ちゃんは何か買う予定ある?」
「ん?特には」
「じゃあ、お揃いで買って交換しない?」
「うん!」
お揃いのものでも嬉しいけれど、プレゼントしてもらったものという特別感に心が躍る。ただお揃いのものを買うより思い出に残ること間違いなしだ。
「僕のリクエスト聞いてくれる?」
「もちろん」
「イルカのものがいいなぁ」
「ププッ、もちろんいいよ」
「あっ、今笑った?!」
「だって~、瑞希くんが可愛いから」
「えー、可愛いって言われて喜んでいいの?」
「褒め言葉だよ!私は、いつも持てるものがいいかなぁ」
「じゃあ、キーホルダーとか文房具にする?」
「いいね」
由奈が水色のイルカのキーホルダーとシャーペンを買い、瑞希がピンクのイルカのキーホルダーとシャーペンを買った。
水族館を出たところでラッピングされたお土産を交換する。
ここで今日瑞希と会ってから初めて、由奈はスマホを取り出した。
着信やメッセージ通知は一切見ない。
「今日の思い出に写真撮ろう」
「貸して、僕が押すよ」
「ありがとう」
顔を寄せ合い水族館をバックに『パシャリ』と音がした。
「撮れてる?」
「うん。見て」
ふたりとも満面の笑みだ。一日の楽しかった思い出がこの一枚にすべて詰まっている。
「お願いしていい?」
「なに?」
「この写真プリントして、交換ノートの最後のページに貼ってくれない?今年の夏の思い出」
「わかった」
瑞希も一日楽しんでくれたんだとわかって嬉しい。
一日遊んだふたりは、たくさんの思い出を胸に家に帰る。
「また来ようね」と約束をして――。
「看護師になりたいと思ってるけど、勉強を頑張らないとね。瑞希くんはお医者様になりたいんでしょう?」
「ああ。高校受験がない分勉強時間はたっぷりあるし、周りも医者や弁護士を目指してるから、刺激を受けて頑張れる。中学高校は私立に行かせてもらってるから、大学は国公立を目指すつもりなんだ」
受験が終わって中学生活が始まったばかりだが、すでに将来について考えいるようだ。
「瑞希くんなら、どこにでも行けそう」
「そんなことないよ。今の学校の奴らみんな賢くて、置いていかれないようにしなきゃと思ってる」
由奈が知る中では瑞希が一番賢いが上には上がいるのかもしれない。
「いつか一緒の病院で働けたらいいのに……」
「そうだね。何年先の話かはわからないけど、目標は一つでも多い方が頑張れる」
瑞希の言葉ひとつひとつが、由奈には突き刺さる。同級生とは思えない考え方に尊敬の念を抱く。
ランチも終わりあと少し見て回ることにした。
再び手を繋ぎ、まだ見ていなかったエリアを見てから、出口手前のお土産コーナーまで来た。
「由奈ちゃんは何か買う予定ある?」
「ん?特には」
「じゃあ、お揃いで買って交換しない?」
「うん!」
お揃いのものでも嬉しいけれど、プレゼントしてもらったものという特別感に心が躍る。ただお揃いのものを買うより思い出に残ること間違いなしだ。
「僕のリクエスト聞いてくれる?」
「もちろん」
「イルカのものがいいなぁ」
「ププッ、もちろんいいよ」
「あっ、今笑った?!」
「だって~、瑞希くんが可愛いから」
「えー、可愛いって言われて喜んでいいの?」
「褒め言葉だよ!私は、いつも持てるものがいいかなぁ」
「じゃあ、キーホルダーとか文房具にする?」
「いいね」
由奈が水色のイルカのキーホルダーとシャーペンを買い、瑞希がピンクのイルカのキーホルダーとシャーペンを買った。
水族館を出たところでラッピングされたお土産を交換する。
ここで今日瑞希と会ってから初めて、由奈はスマホを取り出した。
着信やメッセージ通知は一切見ない。
「今日の思い出に写真撮ろう」
「貸して、僕が押すよ」
「ありがとう」
顔を寄せ合い水族館をバックに『パシャリ』と音がした。
「撮れてる?」
「うん。見て」
ふたりとも満面の笑みだ。一日の楽しかった思い出がこの一枚にすべて詰まっている。
「お願いしていい?」
「なに?」
「この写真プリントして、交換ノートの最後のページに貼ってくれない?今年の夏の思い出」
「わかった」
瑞希も一日楽しんでくれたんだとわかって嬉しい。
一日遊んだふたりは、たくさんの思い出を胸に家に帰る。
「また来ようね」と約束をして――。
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