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トラヴェエ王太子の責務と恋
■謁見の間にて2
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「面をあげよ。ヒューゴ。」
「はい、国王陛下。」
「固くならずともよい。……ヒューゴ、お前に縁談が来ておる。相手は隣国ハイデリガの第一王女クリスティア王女だ。受けてくれぬか。」
突然の言葉に私は固まった。 頭がついて行かない。
縁談?隣国の王女?国王は何を言っているのか?
私にはアイリーンがいるのに…
それを告げるために謁見をお願いしていたはずだ。
それなのに縁談だと…?
いつもの冷静さはなりを潜め、頭が真っ白になり思わず私は反射的に直訴の声をあげた。
「っ!父上っ!以前から申し上げております通り、私には心に決めた…」
話の途中で、国王はそれ以上は聞きたくないと言うように素早く手を払う仕種をして、私の言葉を制止し遮った。
私の頭は酷く混乱していた。動悸が止まらない。
私が国王を見上げると、国王は眉を寄せ私を真っ直ぐに見据えて言葉を続けた。
「お前もよくわかっていると思うが、代替わりをしてから北のオラダス帝国の動きが活発化してきている。」
「…っ、はい。存じております。」
「どうやらハイデリガ王国の山間の砦が襲撃をされたようだ。あそこは我が国とも国境を接しておる北の要、この事態は同盟国としては見過ごすことの出来ない事態である。」
国王《父上》は苦しそうにそう言ったた。
「援軍要請でしょうか。戦況はどうなっているのでしょう?同盟国として、私が出陣し事態を収拾したらよろしいのでは…」
我が国との国境地帯であれば……
そう思い私は考えを述べると、父は静かに首を横に振った。
「いや、そうではない……今はそれではダメなのだ。援軍要請があれば、お前の言う通りの援軍を送ればよいが、現在はオラダスの兵は引いておる。ただ、またいつ侵攻されるか予断を許さぬ事態ではあることは確かであろう。未だに国境を挟んでの睨み合いは続いておるが、一旦は休戦している状態で、我が国が援軍をだしたらどうなるか……聡明なお前であれば分かるであろう。」
父の言わんとしてること……それは、我が軍を派兵する事は、ハイデリガへの内政干渉及び、リトヴィエからオラダスへの宣戦布告になるだろう、と言うことだろう。
そして、それを機にオラダスとの全面戦争に突入するのは間違いなく、それは火を見るより明らかだった。
私が状況を理解したことを察した国王は目を閉じふぅと一息つき、続けた。
「この婚姻は北側のオラダスを牽制するためにも、西側の同盟国との同盟強化のために不可欠なのだ。」
状況を鑑みる限り、国王の仰っていることは正しい。
正しいのだが、それはすなわち、私がアイリーンを永遠に失うという事に他ならない。
ダメだ、それだけは受け入れられない。
私は咄嗟に抗議の声をあげた。
「ですが!」
しかし、その抗議の声は虚しく、国王の決定的な言葉によりかき消された。
「王命である。異議は認めない。これは王太子としての義務だ。」
「はい、国王陛下。」
「固くならずともよい。……ヒューゴ、お前に縁談が来ておる。相手は隣国ハイデリガの第一王女クリスティア王女だ。受けてくれぬか。」
突然の言葉に私は固まった。 頭がついて行かない。
縁談?隣国の王女?国王は何を言っているのか?
私にはアイリーンがいるのに…
それを告げるために謁見をお願いしていたはずだ。
それなのに縁談だと…?
いつもの冷静さはなりを潜め、頭が真っ白になり思わず私は反射的に直訴の声をあげた。
「っ!父上っ!以前から申し上げております通り、私には心に決めた…」
話の途中で、国王はそれ以上は聞きたくないと言うように素早く手を払う仕種をして、私の言葉を制止し遮った。
私の頭は酷く混乱していた。動悸が止まらない。
私が国王を見上げると、国王は眉を寄せ私を真っ直ぐに見据えて言葉を続けた。
「お前もよくわかっていると思うが、代替わりをしてから北のオラダス帝国の動きが活発化してきている。」
「…っ、はい。存じております。」
「どうやらハイデリガ王国の山間の砦が襲撃をされたようだ。あそこは我が国とも国境を接しておる北の要、この事態は同盟国としては見過ごすことの出来ない事態である。」
国王《父上》は苦しそうにそう言ったた。
「援軍要請でしょうか。戦況はどうなっているのでしょう?同盟国として、私が出陣し事態を収拾したらよろしいのでは…」
我が国との国境地帯であれば……
そう思い私は考えを述べると、父は静かに首を横に振った。
「いや、そうではない……今はそれではダメなのだ。援軍要請があれば、お前の言う通りの援軍を送ればよいが、現在はオラダスの兵は引いておる。ただ、またいつ侵攻されるか予断を許さぬ事態ではあることは確かであろう。未だに国境を挟んでの睨み合いは続いておるが、一旦は休戦している状態で、我が国が援軍をだしたらどうなるか……聡明なお前であれば分かるであろう。」
父の言わんとしてること……それは、我が軍を派兵する事は、ハイデリガへの内政干渉及び、リトヴィエからオラダスへの宣戦布告になるだろう、と言うことだろう。
そして、それを機にオラダスとの全面戦争に突入するのは間違いなく、それは火を見るより明らかだった。
私が状況を理解したことを察した国王は目を閉じふぅと一息つき、続けた。
「この婚姻は北側のオラダスを牽制するためにも、西側の同盟国との同盟強化のために不可欠なのだ。」
状況を鑑みる限り、国王の仰っていることは正しい。
正しいのだが、それはすなわち、私がアイリーンを永遠に失うという事に他ならない。
ダメだ、それだけは受け入れられない。
私は咄嗟に抗議の声をあげた。
「ですが!」
しかし、その抗議の声は虚しく、国王の決定的な言葉によりかき消された。
「王命である。異議は認めない。これは王太子としての義務だ。」
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