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トラヴェエ王太子の責務と恋
■甘い口付け※
しおりを挟む言い終わると同時に私は噛み付くように口付けをした。
夢にまでみたアイリーンのその柔らかなしっとりとした唇の感触に、完全に理性が持っていかれそうになる。
私はアイリーンの唇を啄むように吸い上げ、舌を使い唇を何度も何度も舐めた。
静かな部屋に二人の荒い息とちゅっちゅっと唇を啄むリップ音が響き、更に興奮を誘う。
「んふっ……はっ…ぁうん…っ……」
好きだという気持ちと愛してるという気持ちが際限なく溢れ出てくる。
唇が離れる度に漏れるアイリーンの鼻にかかった甘い吐息に、私の頭の芯が痺れ、私はその甘さに溺れ貪るように夢中で口付けを落としていく。
大切にしたいという思いと欲望のままに彼女の甘さを貪りたいという気持ちが鬩ぎ合い、私の理性を激しく掻き乱した。
「リーナ……私の、リーナ…あぁ……可愛いよ…」
「はっ…んあっ……ヒュー、にぃぃ…さまぁ……んっ」
「あぁ……リーナ、リーナっ!!!」
アイリーンが私の名を呼んでくれた。たったそれだけのことにどうしようもないほど歓喜し興奮した。
アイリーンの唇が空気を求めるように開いた瞬間、私はここぞとばかりに舌を彼女の口腔内にねじ込んだ。アイリーンの綺麗な歯列をなぞり上顎を舐めとると、いっそう甘い嬌声が漏れた。
「んぅっ……あんっ…はっ……」
彼女の舌を自分のもので絡め取り、何度も緩く吸い上げるとぴちゃぴちゃという厭らしい水音が響き、唇を離すと唾液が銀の糸を引いた。
「ほら、リーナ…みてごらん?私と、リーナが繋がっているよ…」
「いやぁ……いわないでぇ…」
「だぁめ。その瞳でちゃんと見て?今、リーナに口付けているのは誰なのか。誰の腕の中にいるのか、きちんとわからせてあげる。」
私はアイリーンの首筋を強く吸い上げ、私の所有の印を刻み、そのまま耳元まで唇を首筋に這わせ、耳たぶをやわやわと食む。
「ねぇ、今リーナに触れているのは…誰?」
熱い吐息と共に耳元で囁くと、それに応えるようにアイリーンの身体はびくびくと震えた。
その様子に私は目を細めた。
可愛い反応を返す彼女に夢中になり、また深く口付けをする。
ノックするように舌でアイリーンの唇を舐めると、今度はすんなり口を開いて、私の舌を迎え入れてくれた。私はそこにたっぷりと唾液を流し込み舌を絡めた。
私の唾液を一生懸命に飲み込むアイリーンに愛おしさが溢れ、私はより深く彼女を求めて貪るように口付けをした。
「あっ……ふっ…んぅ……」
何度も何度も舌を絡め、緩く吸い上げ、唾液を流し込みアイリーンを深く味わうと、やがてゆっくり唇を離す。
飲み込みきれなかった唾液が唇の端から溢れ、それを舌で舐めとるとアイリーンは背筋をびくびくと震わせ、私の胸にくてっと倒れ込んだ。
肩ではぁはぁと荒い息を繰り返しているアイリーンの額にキスを落とすと、潤んだ瞳で何か言いたげにぱくぱくと口を動かしている。
「ん?リーナ?」
「はぁはぁ……ヒュー、にぃ、様…」
ふわっと笑い、アイリーンが私の頬を撫でた。
私はアイリーンの手に自分の手を重ね頬を擦り寄せると、そのままアイリーンの手を私の唇に持っていき、手のひらにも口付けを落とした。
ふっとアイリーンの身体から力が抜け、そのまま気を失ってしまった。
私はアイリーンを抱きしめ、汗で額に貼り付いた前髪を掻きあげると、そのまま口付けた。
少し無理させてしまったかも知れないが心は満たされている。
「……リーナ愛してるよ…良い夢を…」
私は気を失ったアイリーンを抱き上げそのまま横抱きのままベッドサイドへ移動する。
抱き抱えたまま片手で器用にコルセットを外し、アイリーンをそっと横たえると、自分も隣に横になる。
先程は衝動的に口付けてしまったが、直ぐに抱くつもりはない。彼女が完全に私のところに堕ちてくるまでは待つつもりだ。
これは私が悪いのだが、あんな事があったのだからきっと警戒されるに違いない。
アイリーンが目が覚めたら、何もなかったかのように振る舞わなければならないところが辛いところだが……
いっそ夢でも見たんだよ、とでもいってみるか?
ともあれ、アイリーンを衝動的に求めるのは良くなかったと反省しつつ、彼女の甘さを知ってしまった以上、果たして抱かずに我慢できるだろうかと自嘲気味に笑う。
私は体勢を変え、アイリーンの頭の下に腕を入れ引き寄せた。
先程まで私の腕の中で淫らに乱れていたとは思えない安らかな寝顔に苦笑する。
瞳を閉じたままのアイリーンの横顔をじっと見つめ、頬を撫でる。
サラサラの髪を掬い上げ口付けを落とし、聞こえているか分からないけれど耳元で愛を囁く。
「リーナ……愛してるよ。私はもうリーナなしでは正気を保てそうにない。だから……」
私の傍にいて欲しい。
私は最後の言葉を飲み込むとそっと目を閉じた。
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