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寮に着くと、隣に荷物を運び込んでいるのが見えた。
あ、お隣さん来たんだ。
挨拶したほうがいいかな?でも今は忙しいかな?と少しの間ドアの前で考えていたら部屋からひょっこり顔が出てきた。
「もしかしてお隣さん?」
「はい!そうです」
「よかった!俺ルーカス・オーウェン。よろしくな」
にかっと人懐っこい笑みで右手を差し出されたのでそれに応えた。
「私はフィルローゼ・マクファインです。こちらこそよろしくお願いします」
「マクファイン?」
「?はい。そうですが」
「あ、いや。なんでもない。それより、俺堅苦しいの苦手でさ。できれば敬語なしで話せたらなーって....。卒業するまでずっとお隣さんなんだしさ!」
「うん。わかった」
「ありがと!名前もルカでいいから!」
「じゃあルカで。俺のこともフィルでいいよ」
「フィルな!いやー、隣がいい奴でよかった!」
「ふふ、俺も今そう思ってた」
もしかして友達第一号じゃない!?
やばい、めっちゃ嬉しいんだけど!
にこにこしながらルカを見るとなんだか驚いたような顔をしている。
「どうかした?」
「いや、普通なんだなと思って」
「普通?」
「噂でな?あくまでも噂で俺が言ったとかじゃないからな?」
めちゃくちゃ念を押されるがなんだ?
「マクファイン家は変わり者一家だって。本当は市井の出なんじゃないかって」
おお、そんなことで有名になってたのか。
「ふーん、そうなんだ」
「ははっ、他人事だな」
「知らない人がどこでなに言ってようが気にならないから」
幸せだしね。
「おお、かっこいいな。まあでも噂は噂なんだなって思ったよ」
ベルトレッド様もその噂をご存知だったのかな?
「フィル、明日もっと話せないか?」
明日、明後日と入学前のテストが行われるのだが、明日は公爵家と侯爵家、伯爵家、明後日は子爵家と男爵家、と別れてテストを行う。
明日、テストの様子を見に行きたかったのだが、テスト内容は当日まで知らせてはいけないことになっているので残念ながら見学ができない。
なのでその申し出はありがたかった。
「うん。俺も話したい」
「よし!じゃあ明日な!あ、そうだ。忘れるところだった。さっきフィルのお兄さん来たぞ」
「兄さんが?」
「ああ、後でまた来るから戻ったら部屋から出ないようにって」
うわ、そうなんだ。悪いことしちゃったな。
「ありがとう」
「お兄さんちょっとブラコンじゃないか?」
「そう?ちょっと過保護なところはあると思うけど」
「過保護ねぇ....。ま、いいや。じゃあ明日な!」
「うん。また明日」
自分の部屋に入ってベッドに寝転がった。
あの声を思い出しただけで胸がドキドキする。
いい声すぎるだろ....。
会ってしまったのは予想外だったが所詮モブだし、もう絡むこともないだろう。
あとは同じクラスになって早くイケボを堪能したい....!
テストの内容も気になるし早く明後日にならないかな~。
少しうとうとしてきた時にドアがノックされた。
「兄さん!一度来てくれてたみたいですみません」
「どこか行ってたのかい?」
「少し散策していただけですよ」
「それなら私も誘ってほしかったな。誰かに何かされなかった?」
「?特になにも....。人にも会いませんでしたし」
ベルトレッド様のことは秘密にしないと。
「ならいいんだ。何かあったら必ず言うんだよ?」
「はい。あ、隣の方とお友達になりました!兄さんも会ったんですよね?」
「ああ、あの子か。仲良くするのはいいが....。フィル、これだけは覚えておきなさい」
あまりにも真剣な顔をするものだからごくりと唾を飲み込んだ。
「男はみんな狼だから」
うん?
........。
うん?いや、俺もね?一応男だから意味はわかるんだけどね?
これはあれか、俺がルカを襲わないか心配してるのか。
まさかそんな心配をされるとは。
「大丈夫ですよ、兄さん」
俺は至ってノーマルですから。
自信満々で言ったのだが、なぜかため息をつかれてしまった。
「うん、でも一応ね。気をつけるんだよ」
「はい」
「そうだ、明日は用事ができてしまってね。残念だけど一緒にいられないんだ」
「そうなのですね。残念ですが明日は私もルカと約束しているので大丈夫ですよ」
「.....ルカ?」
「隣の方です。そういえばうちは結構有名だったのですね」
「噂のことかい?フィルは何も気にしなくていいんだよ」
噂のこと、兄さんは知ってたのか。
「はい。周りの人がなんと言おうと気になりませんから」
「フィルはいい子だね」
ちゅっと頬に音を立てて唇を落とされる。
「明後日のテストは必ず見に行くから」
「本当ですか?心強いです」
それから兄さんに学校内を軽く案内してもらって食堂で夕食をとった。
学食ってあんまり期待はしてなかったけど、さすが貴族が通う学校だ。
とても美味しかった。
「それじゃあ私は戻るよ」
「はい。本日はありがとうございました」
「部屋には私以外誰もあげないように」
食事中にも散々言われたのだが別れ際にも念を押された。
「わかってます」
部屋に戻ってシャワーを浴びると移動の疲れもあってか、すぐに眠気が襲いベッドに潜り込んだ瞬間に俺は意識を手放した。
あ、お隣さん来たんだ。
挨拶したほうがいいかな?でも今は忙しいかな?と少しの間ドアの前で考えていたら部屋からひょっこり顔が出てきた。
「もしかしてお隣さん?」
「はい!そうです」
「よかった!俺ルーカス・オーウェン。よろしくな」
にかっと人懐っこい笑みで右手を差し出されたのでそれに応えた。
「私はフィルローゼ・マクファインです。こちらこそよろしくお願いします」
「マクファイン?」
「?はい。そうですが」
「あ、いや。なんでもない。それより、俺堅苦しいの苦手でさ。できれば敬語なしで話せたらなーって....。卒業するまでずっとお隣さんなんだしさ!」
「うん。わかった」
「ありがと!名前もルカでいいから!」
「じゃあルカで。俺のこともフィルでいいよ」
「フィルな!いやー、隣がいい奴でよかった!」
「ふふ、俺も今そう思ってた」
もしかして友達第一号じゃない!?
やばい、めっちゃ嬉しいんだけど!
にこにこしながらルカを見るとなんだか驚いたような顔をしている。
「どうかした?」
「いや、普通なんだなと思って」
「普通?」
「噂でな?あくまでも噂で俺が言ったとかじゃないからな?」
めちゃくちゃ念を押されるがなんだ?
「マクファイン家は変わり者一家だって。本当は市井の出なんじゃないかって」
おお、そんなことで有名になってたのか。
「ふーん、そうなんだ」
「ははっ、他人事だな」
「知らない人がどこでなに言ってようが気にならないから」
幸せだしね。
「おお、かっこいいな。まあでも噂は噂なんだなって思ったよ」
ベルトレッド様もその噂をご存知だったのかな?
「フィル、明日もっと話せないか?」
明日、明後日と入学前のテストが行われるのだが、明日は公爵家と侯爵家、伯爵家、明後日は子爵家と男爵家、と別れてテストを行う。
明日、テストの様子を見に行きたかったのだが、テスト内容は当日まで知らせてはいけないことになっているので残念ながら見学ができない。
なのでその申し出はありがたかった。
「うん。俺も話したい」
「よし!じゃあ明日な!あ、そうだ。忘れるところだった。さっきフィルのお兄さん来たぞ」
「兄さんが?」
「ああ、後でまた来るから戻ったら部屋から出ないようにって」
うわ、そうなんだ。悪いことしちゃったな。
「ありがとう」
「お兄さんちょっとブラコンじゃないか?」
「そう?ちょっと過保護なところはあると思うけど」
「過保護ねぇ....。ま、いいや。じゃあ明日な!」
「うん。また明日」
自分の部屋に入ってベッドに寝転がった。
あの声を思い出しただけで胸がドキドキする。
いい声すぎるだろ....。
会ってしまったのは予想外だったが所詮モブだし、もう絡むこともないだろう。
あとは同じクラスになって早くイケボを堪能したい....!
テストの内容も気になるし早く明後日にならないかな~。
少しうとうとしてきた時にドアがノックされた。
「兄さん!一度来てくれてたみたいですみません」
「どこか行ってたのかい?」
「少し散策していただけですよ」
「それなら私も誘ってほしかったな。誰かに何かされなかった?」
「?特になにも....。人にも会いませんでしたし」
ベルトレッド様のことは秘密にしないと。
「ならいいんだ。何かあったら必ず言うんだよ?」
「はい。あ、隣の方とお友達になりました!兄さんも会ったんですよね?」
「ああ、あの子か。仲良くするのはいいが....。フィル、これだけは覚えておきなさい」
あまりにも真剣な顔をするものだからごくりと唾を飲み込んだ。
「男はみんな狼だから」
うん?
........。
うん?いや、俺もね?一応男だから意味はわかるんだけどね?
これはあれか、俺がルカを襲わないか心配してるのか。
まさかそんな心配をされるとは。
「大丈夫ですよ、兄さん」
俺は至ってノーマルですから。
自信満々で言ったのだが、なぜかため息をつかれてしまった。
「うん、でも一応ね。気をつけるんだよ」
「はい」
「そうだ、明日は用事ができてしまってね。残念だけど一緒にいられないんだ」
「そうなのですね。残念ですが明日は私もルカと約束しているので大丈夫ですよ」
「.....ルカ?」
「隣の方です。そういえばうちは結構有名だったのですね」
「噂のことかい?フィルは何も気にしなくていいんだよ」
噂のこと、兄さんは知ってたのか。
「はい。周りの人がなんと言おうと気になりませんから」
「フィルはいい子だね」
ちゅっと頬に音を立てて唇を落とされる。
「明後日のテストは必ず見に行くから」
「本当ですか?心強いです」
それから兄さんに学校内を軽く案内してもらって食堂で夕食をとった。
学食ってあんまり期待はしてなかったけど、さすが貴族が通う学校だ。
とても美味しかった。
「それじゃあ私は戻るよ」
「はい。本日はありがとうございました」
「部屋には私以外誰もあげないように」
食事中にも散々言われたのだが別れ際にも念を押された。
「わかってます」
部屋に戻ってシャワーを浴びると移動の疲れもあってか、すぐに眠気が襲いベッドに潜り込んだ瞬間に俺は意識を手放した。
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