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21話
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「ん....」
「起きたか?」
うわっ、寝起きにこの声はやばいっ。
「おはよう」
「........おはよう」
寝起きのイケメンドアップもやばい。
一瞬心臓止まったかと思った。
抱きしめられているので顔を背けたいのにそれもできない。
っていうか裸なんですけど!
肌が触れ合っていると昨日のことを鮮明に思い出してしまう。
「おい、誘ってるのか?」
「は!?誘ってないからっ、てかもう離れてっ」
なんとか腕の中から抜け出してベッドから降りると足には力が入らず、腰に痛みが走った。
危うくベッドから落ちそうになったがベルが後ろから支えてくれて落ちずに済んだ。
「気をつけろ」
「あ、ありがと...」
「痛むのか?」
「う、うん、腰が...」
耳元で、それも息がかかるくらいの距離で囁かれ、再び肌が触れ合ったことも相まって顔がかあっと熱くなる。
直後、腰が暖かくなったと思ったら痛みがすーっと引いた。
「わっ!すごい!痛くなくなった!ありがとう、ベル。やっぱり使えない属性なんてないね!」
まだベルが入っているような妙な感じはあるが痛みは全くない。
「ん?んむっ...!んっ...ぁん...」
顎を掴まれ上を向かされたと思ったら唇を塞がれた。
じゅるっと音を立てながら舌を吸われて顔が離れていく。
その時のベルの顔がかなり甘い顔をしていて心臓が止まりそうになった。
いや、一瞬止まったかもしれない。
ちょっと待って、これ俺の心臓もつ?
◇◇◇◇
「俺は怒ってるんだからね?ルカ」
今日は休むと言って離してくれなかったベルをなんとか説得して別れてから朝食をとっている。
なぜかアレンとラーフエルも一緒だ。
向かい側でにやにやしているルカを睨みつけながら言った。
「悪かったって。でも俺のおかげで上手くまとまったんだろ?」
その顔は絶対悪いと思ってないでしょ!
「それとこれとは話が別です。ってかにやにやしないで!」
あー、もうっ。なんか全部バレているようで恥ずかしい。
「ふふっ、それにしても昨日は災難でしたね。まさかワイルドベアが出るなんて...。ですがさすがフィルローゼ様です!」
アレンがにこにこしながら言った。
やー、ほんとアレンってほんとかわいいな。なんか癒されるわー。
あれ、でも待って
「なんで知ってるの?」
他の3人に聞いたとしてもきっと自分達の都合のいいように話しただろうから俺がさすがってことにはならないだろうし。
「あ、あの後すぐに医務室に向かわれたのでご存じなかったですよね」
どうやらあの時の校外学習は録画されていたらしい。
皆んなが戻ってきた後に映像を再生して反省会を行ったそうだ。
なにそれ俺も見たかった。
嘘の報告をした3人は酷く叱られたようで今回の校外学習の単位はゼロ。
ご愁傷様です。
他の班の人たちも同じような魔物を狩っていたとラーフエルが教えてくれた。
「連携がとれてたら倒せたんだろうけどねー」
まあこればっかりは自分のくじ運のなさを嘆くしかない。
「だけど全然怯んでなかったよな。前に見たことあったのか?」
「いや?初めてだし怖かったよ」
「そうは見えなかったですが....」
「俺も」
「私もです」
「映像だとそう見えるんだね」
「.....お前はほんといろいろ驚かせてくれるよな」
うん?今の話のどこに驚く要素あった?
「そういえば、驚くで思い出したけどお兄さん来ないな?」
俺とベルが授業を途中で抜けた、という噂..いや、事実が広まっているらしくそれを聞いた兄さんが来ると思っていたのだろう。
ってかなんでそんなこと広まってるんですかね?
「ああ、先手打っといた。今日の授業後に会う約束してる」
「うわぁ....。修羅場の予感。付き合ってることも言うんだろ?」
「.....そのつもり」
「許してもらえなさそー」
「そんなことないよ。ちゃんと話せば兄さんもわかってくれると思う」
「そんな簡単にはいかないと思うけどなー。玉の輿を全面に押し出せばあるいは...」
「あ、そのことなんだけど....」
昨日のことをみんなに話した。
「家督を継がない...!?」
「う、うん....。でもやっぱりよくないよね....俺の我儘でそんな....」
「ですがベルトレッド様ご自身がお決めになったのでしょう?」
「....そうだけど....」
「でしたら気に病むことはないのでは?」
「でも....、後悔するかもしれないし....」
「後悔したとしても同じですよ。自分が決めたことの責任は自分が負うべきです」
お、おおう...。意外とドライですね、アレンさん...。
「ま、アレンの言う通りだな。もし後悔したとしてもそん時考えればいいだろ」
「そう、かな...」
「そうそう。お前は難しく考えすぎ」
そう言われて少しだけ心が軽くなった。
———そして、全ての授業が終わって兄さんとの約束の時間....。
怖ぁー......。
兄さんにこんなに怖い顔を向けられたのは初めてだ。
いや、正確には俺に向けられているのではない。
隣に居るベルに向けられている。
本当は俺1人で会う予定だったのだが、ベルに話があると言われ兄さんと会うことを話したら着いて行くと譲らなかった。
授業を途中で抜けた経緯など、付き合っていることも含めて話して今に至る。
兄さんは俺の話に一切口を挟むことなく聞いていたが顔つきがどんどん険しくなっていった。
その険しい顔をベルは顔色を変えることなく受け止めている。
「に、兄さん....?」
未だ言葉を発さない兄に話しかけるが全くこちらを見てくれない。
「アレイシス様、ご無礼をお許し頂けますでしょうか」
その表情がすでに無礼のような気もするが盛大なため息をつきながらようやく口を開いてくれた。
「もちろんです。と、いうより私は既に家督を放棄した身です。正確には卒業後、ということになりますが」
「え!?」
この言葉に驚いたのは俺の方だ。
昨日その話をしていたのにどうしてもうそんなことになってるの!?
「今朝父上に手紙を出しておいた。その返答がこれだ。それを話そうと思っていた」
話があるって言ってたのはそのことだったのか。
手紙を差し出されたけどこれは読んでもいいってこと?
その手紙には少し乱暴な字でこう綴ってあった。
『お前の人生だ。好きにしろ。ただし、その男を家に連れてくるように』
めちゃくちゃシンプルー。
え、こうもあっさり許可されるもんなの?
ってか最後のって俺のこと?
「なぜ家督を放棄したんです?」
手紙を凝視していると兄さんが聞いてきた。
ああっ、それは恥ずかしいから伏せてたのにっ。
「嫉妬されたんで」
嬉しそうに言ったベルに、それだけでわかったのか兄さんは頭をかかえて面白くなさそうにため息をついた。
「あり得ない」
その言葉にベルはふっと笑った。
「何がおかしい」
兄さん口調ー!!
だがベルは兄さんの口調を気にすることなく答えた。
「失礼しました。同じことを言われたので。兄弟だな、と」
「フィルもそう思ったのならなぜこんなことになっているんだ?」
「っ、はじめは冗談だとばかり....」
「はぁ....。もういい。なにがあろうと私は許すつもりはない」
「に、兄さん!?」
そう言ってさっさと部屋から出て行こうとする兄さんの手をとり、必死で止めた。
「待ってください!すぐに許してもらおうとは思っていません!ですが....」
なにがあろうと、という言葉は深く突き刺さった。
「そうやってずっと、フィルローゼを側に置いておくつもりですか?」
ベルがその場から動かず声だけを投げつけた。
ただ、怒っているというわけではなく純粋に疑問に思って出たような声色だ。
「.....なんだと?」
「なにがあっても、ということは私だから駄目、ということではないのでしょう?」
「.....そうですね。どんな人を連れて来ようが許可は出せません」
「それがフィルローゼのためになるとでも?」
「うるさい!だいたい、私の許可など必要ないのでは?」
「私は!兄さんにも認めて頂きたいのです!どうしたら認めて頂けますか?」
「ふっ....。こちらが教えて欲しいくらいだ」
自嘲気味笑ったかと思えば手を振り払って出て行ってしまった。
「ベル...、ごめんね...」
「いや。気長に説得すればいいだろ」
「うん。ありがとう。....ベルはこれ、後悔してない?」
手紙を返しながら問うと、
「してない」
即答してくれた。
「ありがとう。じゃあ俺もベルのお父様に認めてもらえるように頑張るね!」
「いや、これは気にするな。ただ面白がってるだけだ」
「それでもちゃんとご挨拶したい」
返事の代わりに唇が落とされ、啄むような優しいキスにベルの首に腕を絡めもっと、とせがむ。
「んっ...ふっ..ぁっ、ん...」
絡めていた舌を絡めとられすぐに離れていく。
「これ以上煽るならここで犯すぞ」
「んえ!?」
唐突な犯罪宣言に変な声が出てしまった。
煽ったつもりないんですけど!?
「ご、ごめんなさい...?」
謝るとふっと笑われ再び唇を塞がれた。
「ベル、そういえば剣術教えてくれる?」
「ああ、もちろん。俺にも風の扱い方教えて欲しい」
それから毎日授業後、2人で訓練することによってめきめきと腕を上げていった。
そして、兄さんに認めてもらえるのはまだ少し先のお話———。
「起きたか?」
うわっ、寝起きにこの声はやばいっ。
「おはよう」
「........おはよう」
寝起きのイケメンドアップもやばい。
一瞬心臓止まったかと思った。
抱きしめられているので顔を背けたいのにそれもできない。
っていうか裸なんですけど!
肌が触れ合っていると昨日のことを鮮明に思い出してしまう。
「おい、誘ってるのか?」
「は!?誘ってないからっ、てかもう離れてっ」
なんとか腕の中から抜け出してベッドから降りると足には力が入らず、腰に痛みが走った。
危うくベッドから落ちそうになったがベルが後ろから支えてくれて落ちずに済んだ。
「気をつけろ」
「あ、ありがと...」
「痛むのか?」
「う、うん、腰が...」
耳元で、それも息がかかるくらいの距離で囁かれ、再び肌が触れ合ったことも相まって顔がかあっと熱くなる。
直後、腰が暖かくなったと思ったら痛みがすーっと引いた。
「わっ!すごい!痛くなくなった!ありがとう、ベル。やっぱり使えない属性なんてないね!」
まだベルが入っているような妙な感じはあるが痛みは全くない。
「ん?んむっ...!んっ...ぁん...」
顎を掴まれ上を向かされたと思ったら唇を塞がれた。
じゅるっと音を立てながら舌を吸われて顔が離れていく。
その時のベルの顔がかなり甘い顔をしていて心臓が止まりそうになった。
いや、一瞬止まったかもしれない。
ちょっと待って、これ俺の心臓もつ?
◇◇◇◇
「俺は怒ってるんだからね?ルカ」
今日は休むと言って離してくれなかったベルをなんとか説得して別れてから朝食をとっている。
なぜかアレンとラーフエルも一緒だ。
向かい側でにやにやしているルカを睨みつけながら言った。
「悪かったって。でも俺のおかげで上手くまとまったんだろ?」
その顔は絶対悪いと思ってないでしょ!
「それとこれとは話が別です。ってかにやにやしないで!」
あー、もうっ。なんか全部バレているようで恥ずかしい。
「ふふっ、それにしても昨日は災難でしたね。まさかワイルドベアが出るなんて...。ですがさすがフィルローゼ様です!」
アレンがにこにこしながら言った。
やー、ほんとアレンってほんとかわいいな。なんか癒されるわー。
あれ、でも待って
「なんで知ってるの?」
他の3人に聞いたとしてもきっと自分達の都合のいいように話しただろうから俺がさすがってことにはならないだろうし。
「あ、あの後すぐに医務室に向かわれたのでご存じなかったですよね」
どうやらあの時の校外学習は録画されていたらしい。
皆んなが戻ってきた後に映像を再生して反省会を行ったそうだ。
なにそれ俺も見たかった。
嘘の報告をした3人は酷く叱られたようで今回の校外学習の単位はゼロ。
ご愁傷様です。
他の班の人たちも同じような魔物を狩っていたとラーフエルが教えてくれた。
「連携がとれてたら倒せたんだろうけどねー」
まあこればっかりは自分のくじ運のなさを嘆くしかない。
「だけど全然怯んでなかったよな。前に見たことあったのか?」
「いや?初めてだし怖かったよ」
「そうは見えなかったですが....」
「俺も」
「私もです」
「映像だとそう見えるんだね」
「.....お前はほんといろいろ驚かせてくれるよな」
うん?今の話のどこに驚く要素あった?
「そういえば、驚くで思い出したけどお兄さん来ないな?」
俺とベルが授業を途中で抜けた、という噂..いや、事実が広まっているらしくそれを聞いた兄さんが来ると思っていたのだろう。
ってかなんでそんなこと広まってるんですかね?
「ああ、先手打っといた。今日の授業後に会う約束してる」
「うわぁ....。修羅場の予感。付き合ってることも言うんだろ?」
「.....そのつもり」
「許してもらえなさそー」
「そんなことないよ。ちゃんと話せば兄さんもわかってくれると思う」
「そんな簡単にはいかないと思うけどなー。玉の輿を全面に押し出せばあるいは...」
「あ、そのことなんだけど....」
昨日のことをみんなに話した。
「家督を継がない...!?」
「う、うん....。でもやっぱりよくないよね....俺の我儘でそんな....」
「ですがベルトレッド様ご自身がお決めになったのでしょう?」
「....そうだけど....」
「でしたら気に病むことはないのでは?」
「でも....、後悔するかもしれないし....」
「後悔したとしても同じですよ。自分が決めたことの責任は自分が負うべきです」
お、おおう...。意外とドライですね、アレンさん...。
「ま、アレンの言う通りだな。もし後悔したとしてもそん時考えればいいだろ」
「そう、かな...」
「そうそう。お前は難しく考えすぎ」
そう言われて少しだけ心が軽くなった。
———そして、全ての授業が終わって兄さんとの約束の時間....。
怖ぁー......。
兄さんにこんなに怖い顔を向けられたのは初めてだ。
いや、正確には俺に向けられているのではない。
隣に居るベルに向けられている。
本当は俺1人で会う予定だったのだが、ベルに話があると言われ兄さんと会うことを話したら着いて行くと譲らなかった。
授業を途中で抜けた経緯など、付き合っていることも含めて話して今に至る。
兄さんは俺の話に一切口を挟むことなく聞いていたが顔つきがどんどん険しくなっていった。
その険しい顔をベルは顔色を変えることなく受け止めている。
「に、兄さん....?」
未だ言葉を発さない兄に話しかけるが全くこちらを見てくれない。
「アレイシス様、ご無礼をお許し頂けますでしょうか」
その表情がすでに無礼のような気もするが盛大なため息をつきながらようやく口を開いてくれた。
「もちろんです。と、いうより私は既に家督を放棄した身です。正確には卒業後、ということになりますが」
「え!?」
この言葉に驚いたのは俺の方だ。
昨日その話をしていたのにどうしてもうそんなことになってるの!?
「今朝父上に手紙を出しておいた。その返答がこれだ。それを話そうと思っていた」
話があるって言ってたのはそのことだったのか。
手紙を差し出されたけどこれは読んでもいいってこと?
その手紙には少し乱暴な字でこう綴ってあった。
『お前の人生だ。好きにしろ。ただし、その男を家に連れてくるように』
めちゃくちゃシンプルー。
え、こうもあっさり許可されるもんなの?
ってか最後のって俺のこと?
「なぜ家督を放棄したんです?」
手紙を凝視していると兄さんが聞いてきた。
ああっ、それは恥ずかしいから伏せてたのにっ。
「嫉妬されたんで」
嬉しそうに言ったベルに、それだけでわかったのか兄さんは頭をかかえて面白くなさそうにため息をついた。
「あり得ない」
その言葉にベルはふっと笑った。
「何がおかしい」
兄さん口調ー!!
だがベルは兄さんの口調を気にすることなく答えた。
「失礼しました。同じことを言われたので。兄弟だな、と」
「フィルもそう思ったのならなぜこんなことになっているんだ?」
「っ、はじめは冗談だとばかり....」
「はぁ....。もういい。なにがあろうと私は許すつもりはない」
「に、兄さん!?」
そう言ってさっさと部屋から出て行こうとする兄さんの手をとり、必死で止めた。
「待ってください!すぐに許してもらおうとは思っていません!ですが....」
なにがあろうと、という言葉は深く突き刺さった。
「そうやってずっと、フィルローゼを側に置いておくつもりですか?」
ベルがその場から動かず声だけを投げつけた。
ただ、怒っているというわけではなく純粋に疑問に思って出たような声色だ。
「.....なんだと?」
「なにがあっても、ということは私だから駄目、ということではないのでしょう?」
「.....そうですね。どんな人を連れて来ようが許可は出せません」
「それがフィルローゼのためになるとでも?」
「うるさい!だいたい、私の許可など必要ないのでは?」
「私は!兄さんにも認めて頂きたいのです!どうしたら認めて頂けますか?」
「ふっ....。こちらが教えて欲しいくらいだ」
自嘲気味笑ったかと思えば手を振り払って出て行ってしまった。
「ベル...、ごめんね...」
「いや。気長に説得すればいいだろ」
「うん。ありがとう。....ベルはこれ、後悔してない?」
手紙を返しながら問うと、
「してない」
即答してくれた。
「ありがとう。じゃあ俺もベルのお父様に認めてもらえるように頑張るね!」
「いや、これは気にするな。ただ面白がってるだけだ」
「それでもちゃんとご挨拶したい」
返事の代わりに唇が落とされ、啄むような優しいキスにベルの首に腕を絡めもっと、とせがむ。
「んっ...ふっ..ぁっ、ん...」
絡めていた舌を絡めとられすぐに離れていく。
「これ以上煽るならここで犯すぞ」
「んえ!?」
唐突な犯罪宣言に変な声が出てしまった。
煽ったつもりないんですけど!?
「ご、ごめんなさい...?」
謝るとふっと笑われ再び唇を塞がれた。
「ベル、そういえば剣術教えてくれる?」
「ああ、もちろん。俺にも風の扱い方教えて欲しい」
それから毎日授業後、2人で訓練することによってめきめきと腕を上げていった。
そして、兄さんに認めてもらえるのはまだ少し先のお話———。
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