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育児
約束
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退院してから約半年が経った頃、夜泣きや初めての連続で、寝不足になったりストレスも溜まったが、首がすわったこともあってこの生活にもだいぶ慣れてきた。郁人が当然のように育休を取ってくれたことも大きい。
双子は郁人の念願(?)叶って会う人会う人俺に似ていると言われるが、目元は郁人に似ていると思う。
それと、二人の見分けがつかないんじゃないかという心配は杞憂に終わった。もちろん二人ともよく似ていて、他の人からは見分けがつかないとよく言われるが、毎日見ていると違いがわかってくる。
「伊織さん」
「んー...?」
大変ではあるが、やっぱり可愛い。そんな日常のお昼過ぎ。喜生と來生も気持ちよさそうに寝ているので、束の間の平穏が訪れている。話しかけられなかったら俺も寝ていただろう。
「毎日一回はキスしません?」
「は!?」
予想外の発言につい大きな声を出してしまい、慌てて口を噤む。起こしちゃったかも、と二人を見るが、幸い起きなかった。
「そんな驚きます?」
「予想してなかったんだよっ」
あくまでも小声で言い返す。
「だって全然触れてないんですもん」
確かに、出産後も子育てが忙しくてそんな雰囲気にならなかった。暇があれば寝ていたし、子供の前でそんなことをするつもりも全くなかった。
「そうだけど....、でも、喜生も來生もいるし....」
「今寝てるから大丈夫ですって。それにもし起きたとしても何してるかわからないですし、覚えてもないですよ」
「けど......」
「....嫌ですか?」
「嫌じゃないっ!そうじゃないけど....」
嫌とかじゃなくて普通に気まずいだろっ!そりゃあ俺だってしたいかしたくないかで言えばすごくしたい。けど、やっぱり子供の前でって恥ずかしくないか?例え意味がわかんなくても!
ただ、二人を挟んだ先にいた郁人は、「嫌じゃないならいいですよね」と嬉しそうに起き上がって近づいてきた。
「ま、待て待て!せめて場所を——んぅっ、ん...」
起き上がる間もなく顎を持ち上げられ、頭の方から覆い被さるようにキスをされた。
初めての向きでのキスに、苦しさと、少しの興奮と、気まずさが混ざり合って全く集中できない。
「は...んん...、ん....ふ...」
やっぱり気まずさが勝る...!
そう思って肩を押すがびくともせず、むしろ指が首筋や耳に這い、ぞくりと身体が震えた。
「ぁ、まっ...んっ、は...ぅ....」
やばい...!これ以上は勃つ...!
執拗に口内を舐め回され、久しぶりの熱に子供の前だということも忘れて没頭しそうになる。
これじゃだめだ、と二人に視線を向ければ、喜生と目が合った。
「んんー!」
ぎくりとして郁人をバシバシ叩くと、ようやく離れた。
「どうかしましたか?」
だが、慌てて隣を確認したものの、喜生は目を閉じてすやすやと眠ったままだった。
「.....いや、喜生と目が合ったような気がして....」
「気のせいじゃないですか?」
「うーん....」
確かに合ったような気がするけど、起きたら起きたで多分泣くだろうし....。泣いていないということは俺の見間違いだったのかもしれない。
若干の違和感はあるが、見られていないならそれに越したことはない。郁人が言っていたように、もし見られてたとしても覚えてないだろうし。
じゃあ続きを...、などと言い出した郁人はさすがに殴っておいた。
双子は郁人の念願(?)叶って会う人会う人俺に似ていると言われるが、目元は郁人に似ていると思う。
それと、二人の見分けがつかないんじゃないかという心配は杞憂に終わった。もちろん二人ともよく似ていて、他の人からは見分けがつかないとよく言われるが、毎日見ていると違いがわかってくる。
「伊織さん」
「んー...?」
大変ではあるが、やっぱり可愛い。そんな日常のお昼過ぎ。喜生と來生も気持ちよさそうに寝ているので、束の間の平穏が訪れている。話しかけられなかったら俺も寝ていただろう。
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「は!?」
予想外の発言につい大きな声を出してしまい、慌てて口を噤む。起こしちゃったかも、と二人を見るが、幸い起きなかった。
「そんな驚きます?」
「予想してなかったんだよっ」
あくまでも小声で言い返す。
「だって全然触れてないんですもん」
確かに、出産後も子育てが忙しくてそんな雰囲気にならなかった。暇があれば寝ていたし、子供の前でそんなことをするつもりも全くなかった。
「そうだけど....、でも、喜生も來生もいるし....」
「今寝てるから大丈夫ですって。それにもし起きたとしても何してるかわからないですし、覚えてもないですよ」
「けど......」
「....嫌ですか?」
「嫌じゃないっ!そうじゃないけど....」
嫌とかじゃなくて普通に気まずいだろっ!そりゃあ俺だってしたいかしたくないかで言えばすごくしたい。けど、やっぱり子供の前でって恥ずかしくないか?例え意味がわかんなくても!
ただ、二人を挟んだ先にいた郁人は、「嫌じゃないならいいですよね」と嬉しそうに起き上がって近づいてきた。
「ま、待て待て!せめて場所を——んぅっ、ん...」
起き上がる間もなく顎を持ち上げられ、頭の方から覆い被さるようにキスをされた。
初めての向きでのキスに、苦しさと、少しの興奮と、気まずさが混ざり合って全く集中できない。
「は...んん...、ん....ふ...」
やっぱり気まずさが勝る...!
そう思って肩を押すがびくともせず、むしろ指が首筋や耳に這い、ぞくりと身体が震えた。
「ぁ、まっ...んっ、は...ぅ....」
やばい...!これ以上は勃つ...!
執拗に口内を舐め回され、久しぶりの熱に子供の前だということも忘れて没頭しそうになる。
これじゃだめだ、と二人に視線を向ければ、喜生と目が合った。
「んんー!」
ぎくりとして郁人をバシバシ叩くと、ようやく離れた。
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だが、慌てて隣を確認したものの、喜生は目を閉じてすやすやと眠ったままだった。
「.....いや、喜生と目が合ったような気がして....」
「気のせいじゃないですか?」
「うーん....」
確かに合ったような気がするけど、起きたら起きたで多分泣くだろうし....。泣いていないということは俺の見間違いだったのかもしれない。
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じゃあ続きを...、などと言い出した郁人はさすがに殴っておいた。
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