いつの間にか後輩に外堀を埋められていました

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番外編

もっと強請って

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最近、郁人が触ってこない。
いつもだったら、台所に立ってたら後ろから抱きしめてきたり、隙あらばキスとかしてきてたのに、ここ数日そういった触れ合いを一切してこない。

もしかして、俺に飽きたとか....。
そんな考えが一瞬よぎって、ぶんぶんと頭を振る。
触れてこないだけで、態度などは変わらないのだ。
そう決めつけるのはまだ早い。

........でも、もし本当に飽きたんだとしたら.....。
心当たりがないわけではない。
だって誘ってくるのはいつも郁人からで、俺はされるがまま。それじゃいけないと頭ではわかっているものの、行動に移せた試しは一度もない。

いつの間にか携帯で"マンネリ解消"などと検索していて、ある記事が目に留まった。

.........これは、いいかもしれない。
あとは俺から誘うことができれば.....。

意を決して購入ボタンを押し、商品が届くのを待った。




そして後日、注文していた商品が届き、お風呂も食事も済んでソファでのんびりと過ごしている時、

ど、どうしよう...!どうやって誘えば.....。い、郁人っていつもどうやって誘ってきてたっけ...!?

テレビの音も入ってこない程俺はパニクっていた。

「——さん?伊織さん?」

「ん!?な、何!?」

「.....いえ、心ここにあらず、って感じだったので」

「え?あ、ああ...、ちょっと...」

郁人は「そうですか?」と言ってテレビに視線を戻してしまう。
やっぱりおかしい。
いつもなら、逃げられないように自分の膝の上に乗せ、何を隠しているか言うまで離さない、というようなことをしてもおかしくないのに。

少し不安な気持ちになりながらも意を決し、自分から郁人の膝の上へ向かい合うようにして座った。

「.......どうしました?」

「........最近、......さ、触って、こないから......」

言いながら、恥ずかしくなって目を逸らす。
こ、この後どうすればいいんだ!?

「そうですか?」

「っ、そうだよ!....今だって、触ってこないじゃんか...」

こんなに近くにいるのに、膝の上に乗っているというのに、背中に腕すら回さない。

「...触って欲しかったんですか?」

「っ....」

ど直球な言葉に一瞬ぎくりと固まったが、素直に頷く。
恥ずかしさで顔が見れず、俯いたままでいると、顎を持ち上げられた。

「伊織さん、俺の目を見て、ちゃんと言葉にして?」

「え....」

言葉で....?さ、触ってほしいって...!?
顔がかあっと熱くなり、反射的に無理だと出そうになった言葉を飲み込んだ。
.....そうだ。今日は俺から誘うって決めたじゃんか...!

「.......あ、の....郁..人、えと.....さ、触って...ほし.....」

顎を掴まれているので顔は背けることはできないが、目を伏せ、消え入りそうな声でなんとか言えた。

「目を見て、って言ったでしょう?もう一度」

「えっ!?」

き、鬼畜な....!
いや、目を見て言えって言われてたのに逸らした俺が悪いのかもしれないけど....!
あー、もう!ごちゃごちゃ考えるのはやめよう!今日は男らしく!俺がリードするんだ!

郁人の肩に手を乗せ、顔を寄せる。唇に触れるだけの、軽いキスをして顔を離した。

「.........触って...ほしい......」

心臓がバクバクと、うるさいくらい鼓動している。
郁人は優しく笑って引き寄せてくれた。

「ん....ふ、んっ....、ん.....」

ゆっくりと口内を舌が這う、優しいキス。
別に不満ではないけれど、ずっと触ってなかったんだから..もっと、と思ってしまう。

「........もっと」

不貞腐れたようにぼそりと呟いた言葉に、郁人は心底嬉しそうに微笑んだ。

「伊織さん、可愛い」

「う、うるさい」

自分から唇を寄せ、噛み付くように口付けた。
それでもやはり、いつものような激しさはない。俺が舌を絡めれば応えてはくれるが、それだけだ。

違う。これじゃない。もっと、息苦しくなるような、もっと求められるようなキスをして欲しいのに。
本当に、俺にもう飽きた....?

なんだか悲しくなってきて、涙が滲んできた。

「伊織さん....?」

「......もう、飽きた.....?」

「え?」

「....俺のこと、もう飽きたから、.....いつもみたいに、触ってくれないの....?」

もっと、スマートに誘えて、その気にできればよかったのに。そしたら郁人も飽きなかったかもしれない。

「....すみません、伊織さん。意地悪しすぎましたね。泣かないでください」

目尻に溜まった涙を指で拭ってくれ、申し訳なさそうな顔でそう言った。

「....泣いてない」

「すみません。俺は飽きたとか、これっぽっちも、微塵も思ってないんで」

「.....なら、なんで触ってこなくなったんだよ...」

「それはほら、伊織さんのおねだりが聞きたいな、と思って」

「っ!?」

えっ、じゃあなに、これは郁人の思惑通りってこと!?
元々俺がされるがまま、ってのも良くなかったとは思うけど、それでも焦って損した!

「....俺に飽きたとかじゃないんだな?」

「違いますよ。飽きるだなんて一生ありえませんね」

きっぱりと言いきってくれたことにほっとしつつ、何か大事なことを忘れているような気がする。

「....じゃあ、もっとキスして。激しいやつ」

「.....仰せのままに」

ギラ、と郁人の眼が光ったかと思えば、強引に唇を重ねた。
待ち望んでいた行為に、俺も夢中になって応える。

「んんっ、ん...ふ、んっ....っは、んむ、んっ...」

キスの最中、服の中に手が入り込んだことで、自分の現状を思い出した。

「んっ...、ぁ、郁..んっ、ちょ、まっ..んんっ」

離れることを許さないほど何度もキスされ、嬉しいけどちょっと待ってほしい。

「んぅ、ん、いく..んっ、まって...」

何度目かのキスでようやく解放され、肩で息ををしながら郁人の肩に頭を乗せた。

「なんです?伊織さん。俺、もう止まれませんけど」

ゴリ、と硬いものを押し当てられ、身体が跳ねた。
い、いつの間にこんな硬く....。

「い、いや.....、ちょっと、待って欲しくて、ですね.....」

なぜか敬語になってしまった。

「何でです?」

「え....と、あの....、き、着替え、たくて.....」

「着替え?お風呂入ったのに必要なくないですか?」

「ん、うん....、そうなんだけど.....」

ど、どうしよう。どうやってここから抜け出せばいい?

「伊織さん、何か隠してます?」

「んぇ!?や、別になにも....?」

「じゃあいいですよね」

「あっ、待って!下はダメっ...!」

下げられそうになったズボンを慌てて押さえる。

「なんで駄目なんですか?伊織さんだって勃ってますよね?」

「っぁ、そ、そうじゃなくてっ...、んっ、ぁ...」

勃ち上がりつつあった陰茎を押され、言葉が紡げなくなってしまう。

「何が駄目なのか言ってください」

「んっ、だからっ、着替えたいって....んぁっ!」

「その理由を聞いてるんですけど?」

「うう.....」

俺に飽きたわけじゃなかったのなら、できれば見せたくなかった。
だって、今度は引かれたら嫌だという気持ちが込み上げているから。

勢いで買って、勢いで身につけてしまったが、冷静になってみるとめちゃくちゃ恥ずかしい。
郁人がこういうの嫌いとかだったらどうしよう。

「はい、諦めて脱ぎましょうね」

「あっ、ちょっ....!」

両手を掴まれてしまい、抵抗虚しくずらされてしまった。

「うわ.....、伊織さん....、これ、どうしたんですか....?」

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