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一章
3話 帰り
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「初めまして。私は桜美智」
「はぁ…」
見た目は黒髪清楚といった感じだが、少し性格に癖がありそうだな。
「蔭西箕六、です。どこかでお会いしましたか?」
「いえ、まったく。初対面です。はい」
「なら、なぜ?」
「そうですね、まぁ、なんとなくです」
「そうですか」
気をつけておかなければならないな
まだ高校生だからといって気を抜いてはいけない。
なぜなら俺は世界五本指に入るほどの財閥の息子なのだから。
どこから狙われるかわかったものではない。
そんな大きな財閥を運営する親を持った俺は、その「蔭西」という苗字に恥じないように生きなければならない。
だから、高校の中でもトップと言われる江華高校に入った。
勿論、特待生だ。
「皆さん、席についてください。私はこの5組を担任することになりました『岡部みなみ』といいます。では、これから自己紹介を出席番号順にしてもらうので、自分の番になったら席を立って、自己紹介をしてください」
先生が、そういうと、出席番号1番から、名前と趣味を主とした自己紹介が始まった。
ゲームが趣味だったり、読書が趣味だったりと非常に人間らしい。
かくいう俺は…。
「私の名前は蔭西箕六です。趣味は…」
言葉に詰まる。
なんせ、勉強と運動ばかりで自分の好きな事を見つける時間を与えられなかったからだ。
こういう時は、こう言う。
「これといった趣味はないので、これから探していこうと考えています。よろしくお願いします」
自分の自己紹介が終わり、席に座るとパラパラと起こる拍手と同時に「蔭西って、あの?」といった声が聞こえてくる。
もう慣れたが、正直面倒だ。
と、ぐるぐるぐるぐる考えてしまうのが俺の悪い所だ。
自覚しつつも、それを辞めるのはなかなか難しい。
「皆さん、初めまして。私の名前は桜美智です。趣味は写真です。よろしくお願いします」
さっき絡んできた女子が挨拶をした。
桜美智を見るなり、周りの男子は「可愛い」などの言葉をぼそっといい視線を落とす。
趣味は写真らしいが、どのような写真を撮るのだろうか。
少し気なってしまう。
とまぁ、そんなことを思いつつ全員の自己紹介が終わり帰ることになった。
終礼などはないようで、ただ入学式をしに来たという感じだ。
新しい教材で重くなったバックを背負い、教室を出ると待っていたのか桜さんがいた。
俺は視線を落とし、ばれないように前を通る。
よし、声をかけられなかった。
「無視しないでくれません?」
トントンと肩を叩かれ、振り向くとカメラを片手にムスッとした桜さんが立っていた。
しかしこれは、一緒に帰りませんか?ということなのだろうか。
初対面でその距離感がおかしい。
「なんですか?」
「一緒に帰りません?」
あー、距離感がおかしい人だったのか。
ただ第一印象は重要だというし断るのは難しい。
俺が可愛い女子からの誘いを断ったとなったら、男子からの評判が悪くなるうえに、家の名まで汚されるかもしれない。
もし汚した原因が俺だと親にばれたら、何をされるかわからない。
「わかりました。いいですよ」
「ありがとうございます」
たたたっと階段を降り、俺の横に並んだ。
が、学校から出るまでは会話の一つもない気まずい雰囲気だった。
それに耐えられなくなった俺は、学校から出たところで質問をした。
「趣味が写真のようですが、どのような写真を撮られるのですか?」
「見ます?」
「ええ」
「はい」
桜さんは、首にかけているカメラの紐をくぐるようにして外して俺に渡してくれた。
そのさいに黒く長い髪が大きく揺れ、周りの男子の注目が集まった。
俺はすぐに視線を落とし、カメラを受け取るとフォルダを開き写真一覧を見る。
「これは…」
「はぁ…」
見た目は黒髪清楚といった感じだが、少し性格に癖がありそうだな。
「蔭西箕六、です。どこかでお会いしましたか?」
「いえ、まったく。初対面です。はい」
「なら、なぜ?」
「そうですね、まぁ、なんとなくです」
「そうですか」
気をつけておかなければならないな
まだ高校生だからといって気を抜いてはいけない。
なぜなら俺は世界五本指に入るほどの財閥の息子なのだから。
どこから狙われるかわかったものではない。
そんな大きな財閥を運営する親を持った俺は、その「蔭西」という苗字に恥じないように生きなければならない。
だから、高校の中でもトップと言われる江華高校に入った。
勿論、特待生だ。
「皆さん、席についてください。私はこの5組を担任することになりました『岡部みなみ』といいます。では、これから自己紹介を出席番号順にしてもらうので、自分の番になったら席を立って、自己紹介をしてください」
先生が、そういうと、出席番号1番から、名前と趣味を主とした自己紹介が始まった。
ゲームが趣味だったり、読書が趣味だったりと非常に人間らしい。
かくいう俺は…。
「私の名前は蔭西箕六です。趣味は…」
言葉に詰まる。
なんせ、勉強と運動ばかりで自分の好きな事を見つける時間を与えられなかったからだ。
こういう時は、こう言う。
「これといった趣味はないので、これから探していこうと考えています。よろしくお願いします」
自分の自己紹介が終わり、席に座るとパラパラと起こる拍手と同時に「蔭西って、あの?」といった声が聞こえてくる。
もう慣れたが、正直面倒だ。
と、ぐるぐるぐるぐる考えてしまうのが俺の悪い所だ。
自覚しつつも、それを辞めるのはなかなか難しい。
「皆さん、初めまして。私の名前は桜美智です。趣味は写真です。よろしくお願いします」
さっき絡んできた女子が挨拶をした。
桜美智を見るなり、周りの男子は「可愛い」などの言葉をぼそっといい視線を落とす。
趣味は写真らしいが、どのような写真を撮るのだろうか。
少し気なってしまう。
とまぁ、そんなことを思いつつ全員の自己紹介が終わり帰ることになった。
終礼などはないようで、ただ入学式をしに来たという感じだ。
新しい教材で重くなったバックを背負い、教室を出ると待っていたのか桜さんがいた。
俺は視線を落とし、ばれないように前を通る。
よし、声をかけられなかった。
「無視しないでくれません?」
トントンと肩を叩かれ、振り向くとカメラを片手にムスッとした桜さんが立っていた。
しかしこれは、一緒に帰りませんか?ということなのだろうか。
初対面でその距離感がおかしい。
「なんですか?」
「一緒に帰りません?」
あー、距離感がおかしい人だったのか。
ただ第一印象は重要だというし断るのは難しい。
俺が可愛い女子からの誘いを断ったとなったら、男子からの評判が悪くなるうえに、家の名まで汚されるかもしれない。
もし汚した原因が俺だと親にばれたら、何をされるかわからない。
「わかりました。いいですよ」
「ありがとうございます」
たたたっと階段を降り、俺の横に並んだ。
が、学校から出るまでは会話の一つもない気まずい雰囲気だった。
それに耐えられなくなった俺は、学校から出たところで質問をした。
「趣味が写真のようですが、どのような写真を撮られるのですか?」
「見ます?」
「ええ」
「はい」
桜さんは、首にかけているカメラの紐をくぐるようにして外して俺に渡してくれた。
そのさいに黒く長い髪が大きく揺れ、周りの男子の注目が集まった。
俺はすぐに視線を落とし、カメラを受け取るとフォルダを開き写真一覧を見る。
「これは…」
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