彼女と出会ったその日から~なぜ俺は毎日写真や動画を撮られるのだろうか~

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一章

11話 坂ノ宮望(さかのみやのぞむ)

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6時間目 総合学習



入学からすでに一週間たった。
周りにはすでに仲のいいグループが数多くできている。
対して俺は一人だ。
別に一人でいいのだが、入学してから話し掛けてくれたのは桜さんだけ。
ついに話し掛けてくれる人もいなくなったと考えると、かなりショックだった。
別に大丈夫だし~、とか思っていたがいざ体験すると大分きつい。

それをなぜ思ったのか。
ただのボッチなら諦めがついた。
が、俺の横にニコニコとこちらを見てくる桜さんがいる。

「あの、なんでしょうか」
「私と組みませんか?」

班決めのこの時間、組む相手が桜さんしかいないのだ。
女子と行動を共にする。
それは周りの男子、特に一軍の男子から嫌われる傾向にある。
中学生の頃、女子と仲の良かった男子が一軍の男子からのいじめにあい不登校になったことがあった。
それを知った時から俺は女子と無意味に関わるのをやめた。
辞めたと言っても、ただどんな時も喋らなくなっただけで交流があったわけではない。

「桜さんと組みたい人はいっぱいいますよ」
「私は蔭西くんと組みたいです」

良くも悪くも頑固。
まだしっかりとした価値観を持った頑固者で良かった。
けれど、俺なんかに時間を割いて一度しかない学生生活を棒に振って欲しくはない。

「あなたと行動したい人はいっぱいいますよ」
「蔭西くんは私と一緒に行動したくないんですか?」
「…そう、ですね」
「え、本当にそう思っているんですか?」

強く出た割には、とてもショックそうな顔を隠そうとせず俺に向けてきた。
この人は、情に訴えるのがとても上手い。

「いいですよ。組みましょう」
「ありがとうございます!!」

ショックそうな顔をしたと思った次には、背景に花が咲きそうな笑顔を浮かべた。
表情がコロコロ変わるなぁ。

「か、蔭西さん。桜さん、僕もいいかな」

後ろから声がし、振り向くと男子とは思えないほど華奢な人が立っていた。

「えっと、誰ですか?」
「僕は、坂ノ宮望といいます」
「どうぞどうぞ。これからよろしくお願いします」

桜さんはそういって、坂ノ宮望と名乗った女子っぽい男子を我々の班に引き入れた。
俺はというと、あまり好意的には思っていない。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

桜さんと挟むように俺の横に座ると、緊張した笑みを浮かべながら俺にも「よろしくお願いします」と挨拶をしてくれた。
俺も「よろしくお願いします」と返すと、坂ノ宮さんは少し嬉しそうに、こくりと頷いた。

時間になったのか先生は班決めを強引に切り上げて学習の内容の説明を始めた。

話が終わると、丁度授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り授業は終わった。
総合学習といってもまだ入学したてなので、授業内容は「同じ班の人の紹介をしよう」というものだった。
なので宿題として次の総合学習の時間、
つまり明後日までに桜さんか坂ノ宮さんのことについて知らなければならない。

「今日の放課後に宿題しませんか?」
「えと、僕は、いいと思います」
「蔭西くんは?」
「…わかりました」

俺が渋々了承すると、じゃあまた後でといい自分の席に帰っていく。
全員が席に着くと、先生は終礼を始めた。
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