彼女と出会ったその日から~なぜ俺は毎日写真や動画を撮られるのだろうか~

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一章

19話 一軍

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入学してからすでに一ヶ月以上が経ち、だんだんとスクールカーストが見え始めてきた。
明らかに騒ぐのが好きな集団である一軍。
静かに本を読んでいたりアニメの話をしたりする二軍。
桜さんは一軍の集団と仲良く、坂ノ宮さんは二軍の集団と仲がいい。


これまでスクールカーストとは無縁だったというのに、なぜそんなことを考えたのか。
それは一軍男子の中心にいる馬鹿そうなイケメンから話し掛けられたからだ。
内容が内容だったので、余計に気にしてしまう。



今日の朝、俺はいつものように通学すると教室に入るなり初対面の男子生徒に話し掛けられた。

「蔭西ってさ、桜さんと仲いいんでしょ?」

初対面で初会話なのに、なぜ馴れ馴れしく喋りかけてくるのだろうか。
頭の中お花畑なのだろうか。

「仲いいんですかね。私はよくわかりません」
「俺たち友達だろ?なぁ、紹介してくれよ」

紹介してくれよ。
その一言でこの人間がどのような人間なのかが良く分かった。

個人的な意見なのだが、一軍男子は下半身の本能に従って生きている印象を受ける。
恋愛の根本には性的欲求を満たす、というものがある。
一目ぼれなどの短期間で相手を好きになるのは欲求不満であることもわかっている。

この男子も例外ではなかった。

「私はあなたと友達になったつもりはありませんし、紹介する気もさらさらありません」
「えー、いいじゃん。なに?付き合ってたりするの?」

面倒だ。
やはり一軍男子は馬鹿でアホだ。
半ばノリだけで生きている。
だからと言って失言してしまうとそれが一瞬で拡散されてしまうのが厄介。
こういう時こそ慎重に、だ。

「付き合ってませんが」
「なら紹介してくれてもいいじゃん?」
「…自分から話し掛ければいいじゃありませんか」
「えー、なんか恥ずかしいんだもん」
「そうですか」

下手に話を展開してはいけない。
はやく会話を切り上げなければ。

「蔭西ってさ、本当に桜さんの事好きじゃないの?」
「はい」
「じゃあ、貰っちゃっていいのね」
「…はい?」
「いやーよかった。蔭西が自分の立場をわかっていて」

いきなりこの男は何を言っているんだ?
立場をわかっている?
何の?

「ノリ悪くて、根暗で気色悪くて気持ちの悪い人間なんかが桜さんと付き合えるなんて思ってなくて」
「は?」

なんだこいつ。

「お前みたいな社会を暗くするゴミが勘違いしてなくて良かったってことだよ」
「……………」
「図星か?やっぱりわかっちゃうんだよなぁ。俺ってゴミには敏感だからさ」

散々馬鹿にすると、仲間を見つけたのか餌を見つけた害虫のように仲間の方へと向かった。



これが今日の朝のやり取りだ。
正直、社会的に抹殺してやろうかと思うぐらいにムカついた。
まぁでも、俺は自分の世界を守れればそれでいい。
別に桜さんと害虫が付き合っても、桜さんが好きでやっているのなら何とも思わない。
他人の恋愛事情に他人が口を出すというのは野暮というもの。
別に、それでいい。それでいいのだ。

はぁ…。

ため息が漏れる。
でなぜだか、桜さんが他の男と一緒にいるのを考えるとモヤッとする。
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