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二章
44話 思い①
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「蔭西さん、ちょっといい?」
放課後、桜さんと帰ろうとすると皆月さんに話し掛けられた。
名前を呼ばれたのは初めてだったので正直驚いている。
「みち、ちょっと蔭西さんを借りていい?」
「い、いいよ」
歯切れの悪い返答だが、桜さんは了承した。
「ありがと!」
そう言うなり、俺の腕を力強く掴み教室へと引き戻されいつもの席に座らせられる。
坂ノ宮さんはすでに帰っており、姿は見当たらない。
「相談があるんだけど…」
教室にいる生徒がまばらになったところで、喋りはじめた。
その顔は夕日に照らされてか少し赤い。
「私は、その、坂ノ宮のことが好きなんだけど…」
あー、知ってた。
「へ、へー。そうなんですか」
無理やり知らなかったように取り繕い、話を進める。
「でなんだけど、坂ノ宮に好きな人がいるのか聞いて欲しいの」
「いないです。それも何か訳アリそうでした」
今日の昼、聞いたばかりだ。
あの表情は絶対に何か過去に何かあった人が見せる表情だ。
「訳アリって…」
「何があったのかはわかりません」
「そ、っか」
皆月さんはうつむいた。
それから大分時間が経ち顔を上げた。
「蔭西は、なんでそんなに他人行儀なの?私にだけ。友達じゃないの?」
「え、あ、まぁ、ちゃんと話したのは今日が初めてですし」
なぜか急に俺が責めれられる。
確かに、敬語がなかなか抜けないのが俺の悪い所ではあるが。
「く、癖でね。皆月さんも俺の家のことは知ってるでしょ?」
無理やり敬語を外して、喋る。
「家、ね。確かに面倒だと思う」
「理解してもらえてなによりです」
「で、話を戻すけど私は坂ノ宮が好きなの」
「さっき聞いた」
「初恋なの」
「それは初耳」
「…坂ノ宮のことをできる限りたくさん知りたい」
「だから?」
この後に来る言葉は予想できる。
過去に何があったのか聞いて欲しい、だろう。
「坂ノ宮に何があったのか聞いて欲しいの」
「できない」
間髪入れずに答える。
誰だって人のデリケートな部分に触れられたくはない。
もしそこが坂ノ宮のデリケートな部分だとしたら俺は一生後悔することになるかもしれない。
下手すれば、数少ない友達なのに縁を切られてしまうかもしれない。
「でも得意でしょ?相手に気づかれないように探りを入れるの」
「は?」
急に何を言い出すんだ。
高校生になって久しぶりにちゃんと話したんだぞ。
「無自覚なのかな?桜さんと話してるとき、一歩踏み込んだ内容のもあるから」
「それは探りを入れている、に入るのか?」
「入る」
そう言うと、皆月さんは時計を確認した。
時刻は17時。
「この後用事あるから、じゃあね。話聞いてくれてありがとう」
そう言うなり、教室を飛び出た。
自分も教室を出ようとカバンを持つと、ズボンのポケットに入れている携帯が鳴った。
桜さんからかな?と思い携帯を見てみると
この後少し会える?
と御崎さんからのメールだった。
なんだ?今日は恋バナdayなのか?
と思いながら俺は指定された駅へと足を運ぶ。
放課後、桜さんと帰ろうとすると皆月さんに話し掛けられた。
名前を呼ばれたのは初めてだったので正直驚いている。
「みち、ちょっと蔭西さんを借りていい?」
「い、いいよ」
歯切れの悪い返答だが、桜さんは了承した。
「ありがと!」
そう言うなり、俺の腕を力強く掴み教室へと引き戻されいつもの席に座らせられる。
坂ノ宮さんはすでに帰っており、姿は見当たらない。
「相談があるんだけど…」
教室にいる生徒がまばらになったところで、喋りはじめた。
その顔は夕日に照らされてか少し赤い。
「私は、その、坂ノ宮のことが好きなんだけど…」
あー、知ってた。
「へ、へー。そうなんですか」
無理やり知らなかったように取り繕い、話を進める。
「でなんだけど、坂ノ宮に好きな人がいるのか聞いて欲しいの」
「いないです。それも何か訳アリそうでした」
今日の昼、聞いたばかりだ。
あの表情は絶対に何か過去に何かあった人が見せる表情だ。
「訳アリって…」
「何があったのかはわかりません」
「そ、っか」
皆月さんはうつむいた。
それから大分時間が経ち顔を上げた。
「蔭西は、なんでそんなに他人行儀なの?私にだけ。友達じゃないの?」
「え、あ、まぁ、ちゃんと話したのは今日が初めてですし」
なぜか急に俺が責めれられる。
確かに、敬語がなかなか抜けないのが俺の悪い所ではあるが。
「く、癖でね。皆月さんも俺の家のことは知ってるでしょ?」
無理やり敬語を外して、喋る。
「家、ね。確かに面倒だと思う」
「理解してもらえてなによりです」
「で、話を戻すけど私は坂ノ宮が好きなの」
「さっき聞いた」
「初恋なの」
「それは初耳」
「…坂ノ宮のことをできる限りたくさん知りたい」
「だから?」
この後に来る言葉は予想できる。
過去に何があったのか聞いて欲しい、だろう。
「坂ノ宮に何があったのか聞いて欲しいの」
「できない」
間髪入れずに答える。
誰だって人のデリケートな部分に触れられたくはない。
もしそこが坂ノ宮のデリケートな部分だとしたら俺は一生後悔することになるかもしれない。
下手すれば、数少ない友達なのに縁を切られてしまうかもしれない。
「でも得意でしょ?相手に気づかれないように探りを入れるの」
「は?」
急に何を言い出すんだ。
高校生になって久しぶりにちゃんと話したんだぞ。
「無自覚なのかな?桜さんと話してるとき、一歩踏み込んだ内容のもあるから」
「それは探りを入れている、に入るのか?」
「入る」
そう言うと、皆月さんは時計を確認した。
時刻は17時。
「この後用事あるから、じゃあね。話聞いてくれてありがとう」
そう言うなり、教室を飛び出た。
自分も教室を出ようとカバンを持つと、ズボンのポケットに入れている携帯が鳴った。
桜さんからかな?と思い携帯を見てみると
この後少し会える?
と御崎さんからのメールだった。
なんだ?今日は恋バナdayなのか?
と思いながら俺は指定された駅へと足を運ぶ。
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