彼女と出会ったその日から~なぜ俺は毎日写真や動画を撮られるのだろうか~

文字の大きさ
72 / 74
三章

坂ノ宮の過去②

しおりを挟む
授業が終わり、美智と家に帰る。

「ちょっと御崎さんとこ行ってくる」
「いってらっしゃい」
「いってきます」

何も言わずに、了承してくれた。
俺は急いで御崎家に向かうと、門のところで杏さんが待っていた。

「お話ってなんですか?」

乱れた息を整えてから俺は概要だけを話す。

「…と、とりあえず中にどうぞ」

珍しく、杏さんが動揺を隠せずにいた。
きょろきょろとしたり、手遊びをしたりとどこか落ち着かない様子。

杏さんの部屋に入り、俺は用意された椅子座る。

「…まさか望くんが私のこと好きだったなんて」
「俺も最初に聞いた時は驚いた」
「でも、そっか。別に私にとってはたいしたことじゃなかったけど…」

何かを考えるようにして、うつむく。
いつもは頼りになる杏さんだが、なんだか小さく思える。

「ちょっと、望くんと話したいな」
「確かに、離れてから杏さんと坂ノ宮は話してないな」
「だからさ、その、望くんがいいよって言ったらでいいから、そういう場を設けてくれない?」

そう言って、いつもつけているマフラーに少しだけ顔をうずめる。
熱くないのか、と思ったがきっと事情があるのだろう。

「わかった」
「ありがとう」

その後も、杏さんと少し話てから俺は御崎家を後にした。

家に帰る途中で俺は重要なことを思い出す。

そういえば、皆月さんも坂ノ宮のことがすきだったな

俺としては杏さんを応援したいが、だからと言って皆月さんが振られるところを見たいわけではない。
なんだか、皆月さんに悪い気がしてくる。
皆月さんからも相談を受けておきながら、積極的に話などをしているのは杏さんだ。

「ただいま」
「おかえりー。何話してきたの?」
「えっと」

少しはためらったが、俺は美智にすべてを話した。

「ほへー」
「でなんだけど、美智に皆月さんまわりをお願いしたい」
「いいよ!そういうの好きだし」
「…ありがとう」

俺は皆月さんのことを美智に任せて、俺は坂ノ宮にメールを送る。

御崎さんが坂ノ宮と話したいそうなんだけど、大丈夫か?

なぜか少し緊張したが、そんなの俺がすることではない、と頭を振る。
すぐに返信がきて、内容は「いいよ」の一言。
そして遅れて

久しぶりだから緊張しちゃうかもしれない

と付け足してきた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...