勇者失格

墨汁らぼ

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22… 揺れる体

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ジェイド以外の男たちの手に触られて、アスカは吐き気を催す。

何とか体をねじって挿入されるのを阻止しようと抵抗したが、二人掛かりで足を開かれ動けなくされた。

熱いものが性器にあてがわれる。

(いやだ!レオン助けて!)
とっさに浮かんだのはやはりレオンの顔だった。

何度、どんなに激しくジェイドに侵されても、心はレオンと共にある。

バンッ!

その時、地下室の入り口の扉が内側に吹き飛んできた。
扉を蹴り壊した、ブーツを履いた足が見える。

「まだそいつの中に突っ込んでないなら命だけは助けてやるがな。親友の女だ。」

現れたのはダンだった。

「何だお前…」
1人の男が、転がっていたワインの瓶を持って殴りかかっていったが、
一瞬で男は瓶もろとも顔を殴り潰された。
血を吹きドサリと倒れる。

「死んではないさ。」
ダンはニヤリと笑った。

「うわっ」
「こいつ…ヤベェ」

男たちは熊にでも会ったかのように転がりながら逃げ去っていく。

呼吸が自由になったアスカは、はっはっと何回も息をした。

「大丈夫か?」

「ダン…王子、ありがとうございます…」

アスカは裸になった体を、手で隠しながら礼を言った。

ダンはその腕を掴んでアスカを引き寄せる。

「あっ…」戸惑うアスカ。

輝くように美しい顔と白い体がまだ燃えている燭台のロウソクによって晒される。

「なるほど。あのジェイドが夢中になるわけだ。
美しい…そして…妖しい。」

じっくりと仄かな明かりで裸を鑑賞した後、ダンはアスカにキスをした。
まるで取り憑かれたように、激しく長いキスを。
アスカは体を離そうともがくが、力強い腕を絡められてビクともしない。
ダンの太い指が確かめるように入ってきて上下する。

「やめてくださいっ・・・」
涙目になり頬が紅く汗ばんでいくアスカを、ダンは嬉しそうに眺めた。
「ホントにたまらない顔をする・・・。こんなに欲情したのは久しぶりだ・・・」
指が一層激しく動く。
耐えられなくなったアスカの声が大きくなってきた時、

「ダン、何をしている」
ジェイドが地下室に入ってきた。

ダンはアスカを抱き寄せたまま、指を引き抜きながら言った。
「お前のお姫様がゴロツキに犯されそうになってたのを助けてやっただけだよ」

その証拠に足元には血まみれの男が倒れている。ジェイドはそれを一瞥して、アスカを自分の腕の中に引き戻した。

ジェイドは「そうか」とだけ言ってアスカを連れて地下室を出た。

「そのお姫様は危険だぞジェイド!」
ダンが笑いながら言った。
「早く手放せ。手放したらオレがもらってやる。」


ジェイドは酒場から近い宿に部屋にアスカを放り込んだ。
乱暴にベッドに押し倒し、いきなり挿入する。
ダンに弄ばれていたためにすぐに受け入れる事が出来た。

「男たちに・・・ダンに何をされた・・・言え・・・」
ジェイドは激しく動きながらアスカを責める。

アスカは、とても口に出せないので唇をかみしめたまま揺さぶられていた。


*****


レオンが目覚めたのは、アンナに助けられてから2日目の朝だった。

馬車は右の大陸の西側、コウモリの町に着く直前で、少し仮眠をとるためにロンドが馬を止めた時だ。

ヒヒン、ブルブル・・・

馬の音と共にレオンは上半身を起こした。

「気が付いた?」
裸のアンナが声をかける。

「君・・・は?」

まだ頭がはっきり働かないレオンはまだ夢の中にいるような気がしていた。

「私はアンナよ。道で倒れているアンタを見つけて介抱してあげたの。命の恩人ってやつ?あなたは?」
アンナは丸見えの裸体を隠すことなくレオンに迫る。

「ボクは・・・レオン。人魚の村の村長の息子、レオンだ・・・。ボクは・・・アスカを・・・」

ガザガザッ

急に馬車の横の茂みが激しく揺れた。

「化け物だ!」

ロンドが叫んだ。




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