君という生き物

ぬ子

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プロローグ

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もしもあと少しだけ、僕たちの関係が早く始まっていたなら、こんなことを考えずに済んだのか、それは僕にも君にもわからない。


けれど君の隣が僕だったとしても、きっと君は同じく他の誰かに縋るだろう。
君はつまり片時も1人では居られない生き物なんだと、果たして僕が"彼氏"なら、それをこんなに簡単に嚥下することが出来ただろうか。

そういった意味でもやっぱり、僕は今みたいな関係でも構わないと思うんだ。
好きなときに君に呼び出されて、髪を撫でて体を重ねて、
それから切なそうにそれぞれの場所に戻り、また会わない日々をやり過ごすんだ。




僕が正直、君との今をどう考えているかなんて、自分ですらハッキリしない。
ただわかるのは、僕たちに選択肢はない。

断続的に、それでもかろうじて繋がっているのは、雲行きが見えないお互いの心、それを吐き出された欲望が証明している。

この無数のタンパク質と同じで、ほんとうは重要な意味があるのに、僕たちは何ひとつ有意義じゃないことをしている。


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