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オーブ編
せ!つ!め!い!
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爆発の轟音が聞こえてタバコ臭い匂いがする。
煙の奥にはボコボコに黒煙を吐いている車が一台ポツリと置いてある。
「すげぇ………シークレットと戦えるなんて…力やばすぎだろ…」
横でマスターがなんか変なことを呟いている。
「マスター!せ!つ!め!い!」
「え?してなかったか?」笑った目つきだがトーンはいつも通り。なんか不気味だ。
「この野郎!どんだけはぐらかしたと思ってんだよ!」
「わりぃな。俺も大焦りで。それにあいつはカー・シークレット、車のシークレットだ。うだうだしてちゃ逃げられるかもだろ?」
「だからそのシークレットがわかんねぇんだよ!」
「んあー後々詳しくわかるたー思うけど、簡単に言うと物体に何らかの理性も本能も存在しない、闘争心のみが宿った化け物だ。ま、俺らもよくわかんねぇんだけどな」
「あんた、一体何者…?」
「んあ?ただのカフェやってる一般人だよ」
「一般人がこんなん知ってるかよ」
「あー、まそれも後々わかるよ」何回後々っつーんだよ。
「わーったよ。………え、闘争心って本能の一部なんじゃ……」
数日たってから、あることに気づいた。
オーブが復活してない。
あそこまでそそくさと壊すよう命令されたら、命に関わることだし大丈夫だとおもうじゃん!?
マスターに電話しないと…
「おい!オーブ1個なくなってんだよこのバーカ!」
「うるせぇ!すまねぇがシークレットが出た!」
「あ!?俺の話聞けよ!」
「いーから。誰か死ぬかもしれねんだぞ!」
「く…人の命出してくんなよこれでも俺元政治家だぞ!」
「そうだったな、なんで政治家なのにシークレット知らねぇんだよ」
「結構前に手術のために辞めたんだよ!あーもう!場所!」
「んぁ、場所はぁ………」
「これってオーブ切らしたら死ぬよね?」
「切らすどころか10個切ったら結構やばいよ」
「は?それで俺に戦えと?」
「だいじょぶ。多分シークレットが今より増えるこたぁねぇ」
「答えになってない…とゆか俺どうやって立ち向かえてるんだよ」
「まぁ、シンプルにいうとシークレットになってる感じだ」
「嘘だろ!?」「でも理性が残ってるから問題はねぇからよ」
「あぁもう!で、シークレットはどこに」
「すぐそこ」そうマスターがいった瞬間、上から巨大なゴツゴツとしたシークレットが落ちてきた。
ロック・シークレット
岩のシークレット。10段階評価で攻撃力5 防御力4 俊敏性1
特徴は唯一。その巨体から繰り出される攻撃力、岩石の防御力。
死なねぇよな…?と不安を抱き、オーブを1つ取り出す。
気合い入れるんだ、俺!
「嫌だーーー!!!チェンジ!!!!オーーーーーーブ!」
血まみれになりながら、モビルにくるまれる。心の底から叫んで血を吹き飛ばす。
「もう死ぬかもなのは嫌なんだよ!さっさと死にやがれ!」
渾身の飛び蹴りを放つが、硬度が高すぎる。ボキッとした音が聞こえる。
骨折による内出血を利用して、足裏からドリルをつきだす。
出血から武器を作れるのも意味がわからないな。
「あ……くっ…ふぁぁぁ!」
いたいいたいいたいいたいいたいいたい
ドリルの衝撃が骨を伝って体全体に伝わる。骨折もしてるし痛い以外の感想が出ない。痛い。
それだってのにロックには少しの傷しかついていない。
ロックが大きく身震いするとポロッと引き剥がれた俺。
頭から地面に落ちた。モビルがなんとか守ってくれたがダメージが募りすぎてか、俺は生身に戻っていた。
「あちゃー、流石に厳しかったか」
「なん、なんだよ…!こちとら……いてーの我慢して本気で戦ってんだよ……!」
「本気?それが?いや、ごめん。違う、お前を馬鹿にするつもりはさらっさらねーんだよ。ただな?お前はまだ完全じゃない。お前はシークレット『もどき』だ」
何を言ってるかわからねぇ。だが、たしかに使い慣れていない気はする。
「お前はシークレットっていうのがなにかわかってねぇ。シークレットがなにか理解しねぇと」
シークレットを…理解…?
ほんとに言ってることが掴めねぇ。ただ、ただ、シークレットを理解するっていうのは、シークレットの実態を知ればいいのかもしれない。シークレットを…理解…
「なんとなく、わかった…」
「え、そんなすぐに?」
「あぁ…物を理解するときはなぁ、体で理解すんのが一番だぜ!」
「え?」
生身でロックのもとに突っ込んでいく。もちろん、ロックは攻撃を取る。
体から、どしゃどしゃと血が流れ、体が冷え、近くの壁に勢いよく激突する。
死んでもおかしくない状態ではある。
でも…よぉ…
「ひひ…ふひひ…これが…シークレットってやつなのかぁ…ふひ、は、ひゃーはっっっっはっっっはー!!!!!!!」
「は?え?は?」
助言をくれたマスターが困惑するのを横目に、オーブを取り出す。
「わかったぜ!シークレットってやつが!すげぇ存在だ!俺がこんなんになれるわけがなかろう!でも!でも!お前に勝てることだけはわかったぜ!!!よっしゃ、いくか!」
「しゃーーー!いくずぇーーーーー!!!チェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンジ!!!!!!!!!!!!シーーーーーークレットー!!!!!!!!
煙の奥にはボコボコに黒煙を吐いている車が一台ポツリと置いてある。
「すげぇ………シークレットと戦えるなんて…力やばすぎだろ…」
横でマスターがなんか変なことを呟いている。
「マスター!せ!つ!め!い!」
「え?してなかったか?」笑った目つきだがトーンはいつも通り。なんか不気味だ。
「この野郎!どんだけはぐらかしたと思ってんだよ!」
「わりぃな。俺も大焦りで。それにあいつはカー・シークレット、車のシークレットだ。うだうだしてちゃ逃げられるかもだろ?」
「だからそのシークレットがわかんねぇんだよ!」
「んあー後々詳しくわかるたー思うけど、簡単に言うと物体に何らかの理性も本能も存在しない、闘争心のみが宿った化け物だ。ま、俺らもよくわかんねぇんだけどな」
「あんた、一体何者…?」
「んあ?ただのカフェやってる一般人だよ」
「一般人がこんなん知ってるかよ」
「あー、まそれも後々わかるよ」何回後々っつーんだよ。
「わーったよ。………え、闘争心って本能の一部なんじゃ……」
数日たってから、あることに気づいた。
オーブが復活してない。
あそこまでそそくさと壊すよう命令されたら、命に関わることだし大丈夫だとおもうじゃん!?
マスターに電話しないと…
「おい!オーブ1個なくなってんだよこのバーカ!」
「うるせぇ!すまねぇがシークレットが出た!」
「あ!?俺の話聞けよ!」
「いーから。誰か死ぬかもしれねんだぞ!」
「く…人の命出してくんなよこれでも俺元政治家だぞ!」
「そうだったな、なんで政治家なのにシークレット知らねぇんだよ」
「結構前に手術のために辞めたんだよ!あーもう!場所!」
「んぁ、場所はぁ………」
「これってオーブ切らしたら死ぬよね?」
「切らすどころか10個切ったら結構やばいよ」
「は?それで俺に戦えと?」
「だいじょぶ。多分シークレットが今より増えるこたぁねぇ」
「答えになってない…とゆか俺どうやって立ち向かえてるんだよ」
「まぁ、シンプルにいうとシークレットになってる感じだ」
「嘘だろ!?」「でも理性が残ってるから問題はねぇからよ」
「あぁもう!で、シークレットはどこに」
「すぐそこ」そうマスターがいった瞬間、上から巨大なゴツゴツとしたシークレットが落ちてきた。
ロック・シークレット
岩のシークレット。10段階評価で攻撃力5 防御力4 俊敏性1
特徴は唯一。その巨体から繰り出される攻撃力、岩石の防御力。
死なねぇよな…?と不安を抱き、オーブを1つ取り出す。
気合い入れるんだ、俺!
「嫌だーーー!!!チェンジ!!!!オーーーーーーブ!」
血まみれになりながら、モビルにくるまれる。心の底から叫んで血を吹き飛ばす。
「もう死ぬかもなのは嫌なんだよ!さっさと死にやがれ!」
渾身の飛び蹴りを放つが、硬度が高すぎる。ボキッとした音が聞こえる。
骨折による内出血を利用して、足裏からドリルをつきだす。
出血から武器を作れるのも意味がわからないな。
「あ……くっ…ふぁぁぁ!」
いたいいたいいたいいたいいたいいたい
ドリルの衝撃が骨を伝って体全体に伝わる。骨折もしてるし痛い以外の感想が出ない。痛い。
それだってのにロックには少しの傷しかついていない。
ロックが大きく身震いするとポロッと引き剥がれた俺。
頭から地面に落ちた。モビルがなんとか守ってくれたがダメージが募りすぎてか、俺は生身に戻っていた。
「あちゃー、流石に厳しかったか」
「なん、なんだよ…!こちとら……いてーの我慢して本気で戦ってんだよ……!」
「本気?それが?いや、ごめん。違う、お前を馬鹿にするつもりはさらっさらねーんだよ。ただな?お前はまだ完全じゃない。お前はシークレット『もどき』だ」
何を言ってるかわからねぇ。だが、たしかに使い慣れていない気はする。
「お前はシークレットっていうのがなにかわかってねぇ。シークレットがなにか理解しねぇと」
シークレットを…理解…?
ほんとに言ってることが掴めねぇ。ただ、ただ、シークレットを理解するっていうのは、シークレットの実態を知ればいいのかもしれない。シークレットを…理解…
「なんとなく、わかった…」
「え、そんなすぐに?」
「あぁ…物を理解するときはなぁ、体で理解すんのが一番だぜ!」
「え?」
生身でロックのもとに突っ込んでいく。もちろん、ロックは攻撃を取る。
体から、どしゃどしゃと血が流れ、体が冷え、近くの壁に勢いよく激突する。
死んでもおかしくない状態ではある。
でも…よぉ…
「ひひ…ふひひ…これが…シークレットってやつなのかぁ…ふひ、は、ひゃーはっっっっはっっっはー!!!!!!!」
「は?え?は?」
助言をくれたマスターが困惑するのを横目に、オーブを取り出す。
「わかったぜ!シークレットってやつが!すげぇ存在だ!俺がこんなんになれるわけがなかろう!でも!でも!お前に勝てることだけはわかったぜ!!!よっしゃ、いくか!」
「しゃーーー!いくずぇーーーーー!!!チェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンジ!!!!!!!!!!!!シーーーーーークレットー!!!!!!!!
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